オトコの妊活を知ろう【医師監修】
不妊の原因の半分は、男性にあるといわれています。
その原因も治療法もさまざまで、早めの発見が妊娠への近道です。
男性の体のしくみや不妊の原因、なかなか人には聞けないセックスに関する疑問について、宋美玄先生と小堀善友先生に教えてもらいました。
オトコの妊活って? 知っておいて欲しいこと
不妊の原因の半分は、男性にあるといわれています。
その原因も治療法もさまざまで、早めの発見が妊娠への近道です。男性の体のしくみや不妊の原因など、男性の「妊活」について、2人で勉強しましょう。
病院でも検査キットでも簡単に精液をチェックできる
芸能人の発信やSNSの浸透により、男性の不妊について、以前より広く知られるようになってきました。原因は、精子の数や運動率といった問題から、勃起障害、射精障害などセックスにかかわる問題までさまざま。間違ったオナニーが原因になっていることもあれば、女性の心ない一言で射精ができなくなってしまうこともあります。妊活は2人で取り組むもの。女性もナイーブな男性の体を理解することが大切です。
精子の数や運動率をチェックする方法は、病院に行って精液を採取するのが確実。検査に抵抗を感じる男性も多いかもしれませんが、最近は「独身男性や妊活前の男性も含めて、若い人たちが気軽に精液検査に訪れている」と小堀先生は言います。妊活に積極的な男性も増えている証拠かもしれません。
最近では、自宅で精子の数や動きをチェックできる簡易キットもあります。検査のハードルはどんどん下がっているので、ぜひ早めにチェックを。もし、気になる症状があってどこに相談すればいいかわからない場合は、婦人科だけでなく、泌尿器科でも検査をしてもらうことができるので気軽に相談してみましょう。
男性器の構造と精子について知ろう
精子は2つの精巣の中で、細胞分裂によってつくられます。
女性の卵子と大きく異なるのは、精巣は毎日稼働していて、日々着々と精子がつくられること。精子の寿命は体外に出されてから約3日間といわれています。
精子も老化するって本当?
精子力低下の分岐点と減少率
あまり知られていませんが、卵子と同様に精子も老化します。その分岐点は35才ごろから。
ここを境に精子の数は減少し、生殖能力が少しずつ下がっていきます。
男性は何才まででも大丈夫!という油断は禁物です。
不妊症の原因の48%が男性側に! セックスに原因も
不妊原因の男女比
妊娠を望むカップルのうち約半数(48%)が男性にも原因があるといわれています。精子の数や運動率の問題から、勃起障害(ED)や射精障害など、原因はさまざまです。
男性不妊症患者疾患別内訳(複数)
造精機能障害とは精液の中の精子が少なかったり、精子の運動が悪かったりすることが原因で妊娠がしづらい状態のこと。一定の基準以下だと自然妊娠が難しい場合があります。
男性不妊の原因となる、主な因子とは?
不妊の原因の約半数は男性側にもあります。不妊の原因となる主な因子は以下のようなものが挙げられます。
奇形精子症(きけいせいししょう)
精液中で、遺伝子異常などで奇形の精子の数が多い状態。WHOの基準では、正常形態精子が4%未満で診断される。妊娠のための治療としては、正常な精子を選び出して受精させる顕微授精を選ぶケースが多い。
無精子症(むせいししょう)
精液中にまったく精子がない状態。精子はつくられるが、精子の通り道の精管が詰まっている「閉塞性」と、そもそも精子がつくられない「非閉塞性」がある。精子の有無は、精液の見た目ではわからない場合がほとんど。
乏精子症(ぼうせいししょう)
精液中の精子が少ない状態。WHOの基準値では、精子の濃度が精液1mlあたり1600万個以上が妊娠しやすいといわれている。この基準値より低い場合に診断される。人工授精や体外受精などで妊娠は可能。
意外と多い「勃起障害&射精障害(ぼっきしょうがい&しゃせいしょうがい)」
セックスするための体の機能になんらかの障害がなくても、勃起障害・射精障害などの心因性機能障害に悩む男性が増えている。病気や性癖によるものなど、原因はいろいろ。薬やカウンセリングによって改善できる。
セックスで射精できない! 射精障害の多くは、腟内射精障害
女性の腟内でイケない男性が急増中! 主な原因は、床にペニスを押し付けて射精する「床オナ」などの間違ったマスターベーション。強い刺激に慣れると、腟内で射精できなくなるのです。思い当たる人は今すぐストップ!
【NG】不適切なマスターベーションの例
1. 強すぎるグリップ
2. 特定の体位で射精(脚に力を入れる脚ピンなど)
3. プレス法(床や壁に押し付ける床オナ)
【OK】適切なマスターベーションの例
1. 優しく握る(みかんがつぶれない程度を意識)
2. ピストンの速さを意識(セックスの際のピストンスピードを目安に)
3.力まず、リラックスする(軽くひざを曲げるなど)
オトコの妊活、これやったらダメ?
男の妊活で気になっていることを、小堀先生に教えていただきました。
小堀先生:スマートフォンやPCから出る電磁波は、精子に悪影響を及ぼすという論文があります。電磁波自体はまだ歴史が浅く、人体への影響は解明されていませんが、生殖器から遠ざけておくほうが無難。君子危うきに近寄らず、です。
小堀先生:男性器が外側に露出しているのは、精子が熱に弱いから。陰嚢の温度は、人間の体温より2〜3℃低く保たれています。ピッタリした下着の中は熱がこもってしまうため、精子のことを考えれば、通気性のよい下着がベスト。
小堀先生:精子の老化は、カロリーのとりすぎなど生活習慣病の原因とも関係しているため、アルコールはほどほどがベター。たばこが発生させる活性酸素は精子の減少や損傷につながることが証明されています。妊活を機にぜひ禁煙を!
小堀先生:最近「整う」と話題のサウナですが、こちらも熱に弱い精子のことを考えると、妊活中はあまりオススメできません。長湯も同じで、男性器は温めすぎないこと。昔は「金冷法」といって陰嚢を冷やす健康法もあったくらいです。
セックスの基礎知識、これ正解? 間違い?
ちまたにあふれるセックスの情報は、実は間違っているものがたくさんあります。どれくらい正しい知識を持っていますか?セックスの基礎知識についてやさしく解説します。
【Q.1】男女とも、マスターベーションは どんどんしていい
【A.1】○
■産婦人科医 宋先生コメント
絶対にしなくてはならないものではありませんが、したい人はどんどんしてOK。女性がバイブなどのグッズを使う場合は、あまり強い刺激に慣れると男性器ではイケなくなることもあるので、「Fiera(フィエラ)」のようなやさしい刺激のものがオススメ。
■泌尿器科医 小堀先生コメント
精子は日々つくられるので、射精をして新しい精子をつくることは、妊活にも男性の体にとってもよいことです。射精が前立腺がんのリスクを減らすというデータもあります。ただし「床オナ」など強すぎるオナニーは射精障害の原因になるので適切な方法で!
【Q.2】もし妊娠したら、妊娠中にセックスはしてはいけない
【A.2】△
■産婦人科医 宋先生コメント
セックスをすると子宮が張ります。でも、だからといって流産や早産につながるわけではありません。前置胎盤などでドクターストップがかかっていない限りは、妊娠中でもセックスしてOK。とくに注意事項もありません。したいときはしましょう。したくないときはやめましょう。
■泌尿器科医 小堀先生コメント
男性は、妊娠中でもしたい!という人と、ちょっと怖い……と感じる人に分かれると思います。宋先生が言うように、無理にセックスをする必要はないですし、2人ともがしたければすればいいと思いますよ。
【Q.3】女性は実際にはイケていないことが多い
【A.3】○
■産婦人科医 宋先生コメント
クリトリスでイク場合と、腟内でイク(中イキ)場合とがあって、腟でイケる人は1〜3割程度といわれています。
その日の体調にもよりますし、女性はそうそう毎回イケるわけではありません。絶対にオーガズムに達しないとダメということはないと思いますよ。
■泌尿器科医 小堀先生コメント
エッチな動画の影響で、男性としては絶対中イキさせなきゃ!と思っている人もいるかもしれませんが、結局それが女性に演技をさせてしまうことにつながります。
「どうしたら気持ちいいの?」「どうして欲しい?」とパートナーとコミュニケーションをとることが大事です。
【Q.4】2回連続でセックスをすると精液中の精子の濃度は薄くなる
【A.4】△
■泌尿器科医 小堀先生コメント
基本的には2回目のほうが精子は薄くなるといわれています。ただ、2回目のほうが精子の運動率がよくなる場合もあるので△です。
これは、マスターベーションでも同じです。精子はかなり小さいので肉眼では見えず、精液中の精子の濃度は人によって異なります。精液の大半は白い分泌液で、その中の精子の割合は数パーセント程度。
サラサラやドロドロなど、体調によっても精子の状態は変わるので、いつもと違うかも?と感じても、そこまで心配する必要はありません。
【Q.5】セックスのあと、逆立ちをすると精子が腟の奥まで入り妊娠しやすくなる
【A.5】×
■産婦人科医 宋先生コメント
これは都市伝説ですよね(笑)。
腟の入り口を上げたほうが精液は流れ出しにくいとは思いますが……、それなら逆立ちまではしなくても、腰の下に枕を置くなどして腰の位置を高くすればいいのでは?とはいえ、これも妊娠しやすくなるという根拠はありません。
■泌尿器科医 小堀先生コメント
おっしゃる通りだと思います。これはまったくエビデンスがないので「×」です。
逆立ちをしただけで簡単に妊娠率が上がるとは考えにくいです。
【Q.6】男性器は大きければ大きいほど女性は感じやすい
【A.6】△
■産婦人科医 宋先生コメント
男性にとっては気になるところかもしれませんが、これは好みによります。大きさだけでなく、かたさの好みも、人それぞれ。
好きな女性の胸のサイズが好みではないからといって嫌いになることはないように、気にしすぎる必要はありません。
■泌尿器科医 小堀先生コメント
確かに、男性の中には大きいものこそ正義!みたいに思っている人もいますね(笑)。感じる・感じないはともかく、妊娠のしやすさとはまったく関係ありません。
鼻がデカい人はアソコもデカいなんていう説もあったりしますが、これも都市伝説ですね。
【Q.7】緊張状態(交感神経優位)で男性は興奮(勃起)する
【A.7】×
■泌尿器科医 小堀先生コメント
これは完全に「×」です。誤解している人が多いのですが、男性は副交感神経が優位のときに興奮します。だから、家でのんびりリラックスして、ビールでも飲んでいるときがいちばん勃起しやすかったり……。
それが「今日排卵日だから!」と言われたとたんに緊張して、交感神経が優位になってしまうんですね。赤ちゃんをつくろう!という気持ちが強くなればなるほど勃起しづらくなるという、これはジレンマですよね。
ちなみに射精の瞬間は交感神経優位で起こります。完全にチャンネルが切り替わるイメージです。
【Q.8】その日の体調やアルコールなどによって、男性は早漏や遅漏になる
【A.8】○
■泌尿器科医 小堀先生コメント
おおいにあり得ます。日本人は遅漏、つまりなかなか射精しないことで悩む人が多いのですが、世界的には早漏で悩む人が多く、研究も進んでいます。
さまざまな研究データがありますが、一般的にいわれている早漏の定義は、「挿入後1分以内に射精する」こと。早漏でも妊娠には問題ありませんが、遅漏の場合は射精障害につながり、妊娠に影響するため日本では表に出やすいのかもしれません。
ある調査では、回答者の半数が「自分は早漏である」「どちらかといえば早漏である」と自己評価をしていて意外でした。
【Q.9】生理中でも浴室などであればセックスしてもOK
【A.9】△
■産婦人科医 宋先生コメント
うーん……絶対にダメではないけれど、OKとも言いづらいですね。
生理中は子宮口が開くので、腟から菌が入りやすくなります。また、「生理中は妊娠しない」と思っている人も多いですが、そんなことはなく、妊娠する人はいます。
とくに生理の後半は排卵が近づいていることが多く、妊娠を望まないなら避妊が必要です。
以上の理由から、生理中のセックスは、オススメはできません。
■泌尿器科医 小堀先生コメント
生理中は妊娠しないと思っている人は多いですよね。男性も正しい知識を持っておくことが大事です。
【Q.10】セックスは挿入行為のことなので、キスはしてもしなくてもどちらでもよい
【A.10】△
■産婦人科医 宋先生コメント
セックスの定義は人それぞれで、正解も不正解もありません。
挿入しなくてもセックスかといわれれば、もちろんセックスです。ただ、セックスを生殖のための行為と捉えた場合は、挿入することで精子と卵子は出会いますから、答えは変わってくるでしょう。
キスをしなくても妊娠することは可能です。
■泌尿器科医 小堀先生コメント
その通りですね。
セックスを連帯のため、愛情を確かめ合うための行為と考えるならキスは必要でしょう。
私の病院には勃起障害や射精障害の方も多く訪れます。個人的には挿入にこだわる必要はないと考えています。
【Q.11】挿入後は「強く」「速く」の動きによって女性の快感が高まる
【A.11】×
■産婦人科医 宋先生コメント
女性をイカせようとして、指やペニスを強く速く動かす男性が多いようです。でも、これは実は逆効果!強い動きで痛みを感じたら、女性は快感から遠のいてしまいます。
女性の快感には、激しい刺激は必要ありません。たとえば、バイブレーターやローターのように、一定のリズムが効果的なんです。「同じスピード、同じリズムで淡々と」。これが女性の快感を高めるポイントです。
■泌尿器科医 小堀先生コメント
ここでもエッチな動画の影響が大きそうですね。あの激しい動きを教科書にするのはオススメできません。
【Q.12】性欲の強さには個人差がある
【A.12】○
■泌尿器科医 小堀先生コメント
めちゃくちゃ個人差があります。その理由は解明されていませんが、メンタルの影響もあるといわれています。たとえば、親が厳しく、性的なことに興味を持つことを禁じたために、性的なことは罪悪だと考えてしまうケースもあるようです。
■産婦人科医 宋先生コメント
50代・60代の男性の中には、「最近の若い人は性欲が弱くて情けない」などと言ってくる人がいますが、私はそうは思わないんですよ。
今の若い世代は、そもそもたくさんセックスをすることが偉いとか、セックスをした人数を競うとか、そういう価値観がないだけだと思います。
セックスについての理解度はどうでしたか?男と女で知識に差が出る問題もあるので、パートナーと2人でチェックしてみましょう!
誰にも聞けないセックスの素朴な疑問Q&A
妊娠中に新型コロナに感染したら?性感染症を予防する方法はある?
気になっていてもなかなか人には聞けないセックスに関する疑問について、先生方に教えてもらいました。
小堀先生:新型コロナはキスでもうつります。ただ、一緒に暮らす特定のパートナーだけとセックスするのであれば、そんなに気にする必要はないと思います。また、ワクチンが胎児に影響を与えることはないとされているので、妊娠中でも予防接種を推奨します。
宋先生:もし妊娠中にコロナにかかったとしても、今のところ胎児に影響はないとされているので安心してください。この先治療薬も出てきますが、ネットの情報をうのみにせず、日本産科婦人科学会などが定期的に発信している情報をチェックしましょう。
宋先生:排卵日にこだわらず、お互いに盛り上がったときにセックスを楽しむことをオススメします。義務感でセックスして、妊娠したらセックスレスになるカップルが多いんですよ。妊娠する方法はセックスだけではないので、切り離して考えてもよいと思います。
小堀先生:セックスの目的は人それぞれで、生殖のためのセックスにとらわれすぎると苦しくなりますよね。挿入や射精にこだわる必要もありません。2人にとってベストと思えるセックスを楽しんで欲しいと思います。
宋先生:女性が挿入時に「痛い」と感じる場合、理由は1つではありません。パートナーのサイズの問題や腟内に炎症がある場合などさまざま。痛みが奥のほうなら、内臓の病気の可能性も。
ただ、気持ちが盛り上がっていなければ、基本的に挿入は痛いものなのです。脳が興奮して女性器に血がたくさん流れて変化が起こることにより、ペニスを受け入れる準備ができます。
男性はあせらず、女性の変化を感じながら挿入に移るようにしてください。
宋先生:どちらかが性感染症にかかっていることに気づかないままセックスをすることで、パートナーにも感染してしまいます。特にクラミジアは不妊の原因にもなりますので、妊活を始める前に一緒に検査を受けておくと安心です。
小堀先生:最近増えているのは梅毒ですが、症状がわかりづらいために気づきにくいんです。性感染症によってはノドを通して細菌がうつるケースもあり、キスだけでも感染リスクがあります。赤ちゃんをつくろうと思ったら早めに性感染症チェックを!
宋先生:男性のオーガズムは射精で、女性は子宮と腟がけいれんして収縮する動きのことです。女性のオーガズムはわかりづらく、その日の体調や気分によっても左右されるため、毎回イケるものではありません。
小堀先生:セックスのゴールは射精だけではないので、あまりオーガズムにこだわらなくていいと思います。個人的には、時代とともに「イク」という定義も変わってくるのかなと感じています。
宋先生:もちろん使ってOKです!
コスチュームでも道具でも、「これで興奮する」という性癖が一致する2人は最強です。特定のパートナーへの性欲は年月とともに消耗するため、いろんな工夫や努力が必要です。
小堀先生:グッズだけでなくシチュエーションや環境を変えてみるのもオススメ。ひとりよがりにならず、コミュニケーションをとりながら好みをすり合わせていけるといいですね。
小堀先生:男性は射精のあと、眠くなります。性欲が一気に消える瞬間があり、賢者のように無欲の境地に達することから、一般的に「賢者タイム」と呼ばれています。
脳の「プロラクチン」という物質が増えることで起こるといわれていますが、これは男性特有のもの。すぐに背中を向けて寝てしまうと、女性は不満に思うかもしれません。セックスの余韻にひたりつつ、やさしくハグをするなどの気づかいが大切です。
「セックスの流れ」と「男女の体のサイン」
基本的なセックスの流れについて説明します。
【セックスの流れ・1段階】興奮期
キス・抱き合う
●<男性の場合>体のサイン
女性の生足や体のくびれラインなど、男性は主に視覚からの刺激で興奮し、性欲のスイッチが入ります。男性が興奮期に入ったかどうかは一目瞭然で、ペニスが勃起します。
●<女性の場合>体のサイン
女性の場合は愛情表現の上に性欲があるので、じっくりと皮膚や体の刺激を受け徐々に気持ちが高まります。
興奮すると腟の壁から愛液とも呼ばれる分泌液が染み出してきます。
【セックスの流れ・2段階】高原期
気持ちがさらに高まる挿入へ
●<男性の場合>体のサイン
勃起して刺激を受けると、尿道から弱アルカリ性の「カウパー腺液」という、サラサラと透明な分泌液がにじみ出てきます。弱酸性の腟内で精子が死なないよう腟内を中和します。
●<女性の場合>体のサイン
女性器が赤みを増してふっくらとふくらみ、少しずつ腟口が広がっていき、男性器を迎え入れる準備が整ってきます。いよいよ女性器はペニスの挿入を受け入れることができます。
【セックスの流れ・3段階】オーガズム期
挿入、気持ちが良くなる
●<男性の場合>体のサイン
ペニスは腟の中の気持ちよさと女性器の収縮による摩擦で射精の衝動を抑えられなくなり、尿道から精液が吐き出されます。男性のオーガズムはこの数秒で終わってしまいます。
●<女性の場合>体のサイン
女性の体内では骨盤底筋群が緊張を始め、子宮と腟、肛門括約筋が約0.8秒に1回のリズムでけいれんし、収縮は全身に広がり、やがて絶頂期を迎えます。
【セックスの流れ・4段階】消退期
余韻にひたる
●<男性の場合>体のサイン
射精から1分もたてばペニスから血液が引き上げます。
勃起がおさまり、ペニスはほどなく普通サイズに戻ります。男性はこのあと「無反応期」といってまったく性的反応が起きなくなります。
●<女性の場合>体のサイン
オーガズムが終わってからは女性器に流れ込んでいた血液がすっと引き、ふっくらと厚ぼったくなっていた性器も元の状態に戻ります。
監修/小堀善友先生
監修/宋美玄(そんみひょん)先生
イラスト/KAZMOIS 取材・文/尾越まり恵
●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
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