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不妊治療の現場から。自然妊娠をサポートする「FT(卵管鏡下卵管形成術)」って?医師が回答

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「そろそろ不妊治療を…」と考え始めたものの、クリニック選びに困っている方が多いのでは?そこで『妊活たまごクラブ』編集長が、それぞれ特長が異なるクリニックを訪問し、取材しました。ぜひ、参考にしてみて!

今回は、2人で力を合わせて不妊治療ができる「リプロダクションクリニック東京」院長の竹内巧 先生にご回答いただきました。

クリニックごとに、方針も設備も異なります「『不妊治療クリニック』へ突撃取材!」 #3
※参考:「妊活たまごクラブ 初めての不妊治療クリニックガイド 2024-2025」


☆Keyword

●2人で力を合わせて治療ができる体制を整備
●治療の“見える化”で納得しながら進められる
●仕事帰りの夜や土・日・祝日も対応

【Q】「2人が力を合わせる」とは具体的にどのような体制ですか?

【待合室】ドーム型天井の待合室をはじめ、ワークスペースとしても活用できる待合スペースなど、思い思いの場所で過ごせる


【A】妊娠のためには2人の協力が不可欠。男性不妊と女性不妊を同時に治療できる体制を整えています

■竹内巧 先生(以下、竹内先生)「世界保健機関(WHO)によると、不妊の原因は男性と女性が半々です。海外では男女が協力しながら治療にあたることが当たり前ですが、残念ながら日本は女性主体のクリニックが主流です。当院では一般治療から高度な治療まで、男女同時に治療が可能。男性不妊と女性不妊、それぞれの専門医が治療にあたります」

【Q】2人一緒に通院するために工夫されていることは?


【A】仕事帰りや休日に来院しやすい診療時間を設定し、予約制にしています

■竹内先生「女性外来は平日9時から20時まで。男性外来は水曜と木曜の17時から20時まで。土日・祝日は男女ともに9時から17時30分まで受け付けており、診療はすべて予約制です。オフィス街からも至近距離ですし、同じビル内にはレストランなども多数ありますので、治療帰りに2人で食事を楽しむこともできます」


【Q】男性の不妊原因で多いのは?

【男性手術室】クリニックの階下、2階にある男性用の手術室。精索静脈瘤などの手術は局所麻酔で行うので、日帰りで受けられる


【採精室】ビデオを備えた採精室は全3室。隣接した培養室で検査・処理される



【A】精子の数や運動率が低い「乏精子症」が一番多いですが、それぞれ原因を探って治療にあたります

■竹内先生「男性は精液検査が必須項目で、精液量や精子濃度、運動率、形態などを確認します。その結果、多いのは乏精子症です。次いで無精子症、精子無力症などが続きます。男性の検査は1、2回の通院で済むので、まずはクリニックに来てほしいですね」

造精(ぞうせい)機能障害

精子をつくる機能に問題がある状態。高熱などが影響することもある

精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)

精巣からの静脈の血液が滞り、こぶのようにふくらみ、精子がつくられにくい状態に

乏精子症(ぼうせいししょう)

精子濃度が1ml中1600万を下回る状態のこと

【Q】女性の治療法の一つであるFT(卵管鏡下卵管形成術)とは?

【採卵室】採卵は胚培養士が卵胞や卵子の個数などを説明しながら行うので、状況を把握しやすい


【診察室】男女それぞれ専門の医師が診察。ときには胚培養士を交えて、じっくりていねいな説明が受けられる


【リカバリー室】落ち着いたベッドの部屋が3室、リクライニングチェアの部屋は全8室


【A】狭くなったり、詰まっている卵管の通りをよくして自然妊娠をサポートするカテーテル手術です

■竹内先生「卵管が狭い、詰まっているなどの異常があると、高い割合で妊娠しにくいことがわかっています。FT※は卵管の通りよくする手術のことで、所要時間は30分程度。術後は自然妊娠を望むことができます。レントゲンによる「子宮卵管造影検査」を受けてみてください」

※卵管が狭い、詰まっているなどの可能性がある場合に効果的な保険適用の手術。できる施設は限られています。


【Q】クリニックの入口に扉がないことに驚きました!

扉がなく、受付カウンターが見える


壁に医師や胚培養士など、スタッフ全員の顔写真と名前を掲示している


【A】開かれたクリニックであること、また、患者さんとのコミュニケーションが取りやすい環境づくりに徹しています

■竹内先生「今や不妊治療は人に隠して通院する時代ではありません。もっとオープンにしたいと扉はあえてつけませんでした。また、検査結果や治療の状況などを常に把握してもらえるよう、医師はもちろん、胚培養士を交えてのコミュニケーションを大切にしています」

【編集長check!】妊娠成功への鍵を握る胚培養士たちの努力に脱帽!

【培養室】採卵した卵子と精子を受精・培養させる広々とした培養室。17名のスタッフが、培養機器や受精卵のデータ管理を徹底して行っている


移植まで、胚や受精卵をお世話してくれる胚培養士さんたち


院長によると、培養室のスタッフは日本の学会だけでなく、海外の医療学会にも積極的に参加して、研究結果を発表しているそう。
日々進化する不妊治療の知識や技術を常にアップデートしているなんて心強いかぎり。
そんな不妊治療へのあくなき探究心に頭が下がる思いです。


竹内巧 先生

●撮影/合田和弘
●イラスト/丹下京子
●構成・文/飯田由美(BEAM)

※本誌掲載の内容は2024年8月19日現在のものです。以降変更されることもありますので、ご了承ください。

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