人工授精の結果がついに。不妊治療について夫婦で決めていたこと【助産師&性教育YouTuberシオリーヌの人工授精ドキュメント】
性にまつわるさまざまな情報を発信し、人気を集めているシオリーヌさん。YouTubeでは自身の妊活体験も公表していて、視聴者からは「デリケートな話を堂々と話せることがすごい」「妊活をする人の支えになる」といった声も上がっています。中でもとくに大好評だった人工授精のエピソードを『妊活たまごクラブ』読者のために詳しく解説します。
シオリーヌさんの妊活振り返りインタビュー『「人工授精」ドキュメント』。
今回お届けする<後編>では、「ソワソワ…妊娠した?」人工授精から2週間後&夫・つくしとの話し合いについて妊活たまごクラブがお聞きしました。
妊活振り返りインタビュー・シオリーヌさん「「人工授精」ドキュメント」 #3
※参考:「妊活たまごクラブ 不妊治療クリニック受診ガイド 2022-2023」
人工授精その後…
初めての人工授精を終えた、2人のその後をクローズアップ。
「期待しすぎてはいけない」という気持ちもありながら、成功していることを祈ります。
排卵が起こっていれば、あとは精子と卵子が出会って受精し、無事に着床してくれることを待つのみです。
●人工授精から2日後
排卵を確認!あとは祈るだけ
ドキドキしながら病院へ向かった2人。エコーで見てみると、無事に排卵が起こったことがわかりました。
先生からは「排卵したあとの袋から黄体ホルモンが分泌されますが、分泌量が少ないと妊娠がうまくいかないことがあるので、注射をしておきましょう。さらに、飲み薬も処方します」と説明を受けました。
シオリーヌのひとこと
『妊娠が成立している場合、妊娠検査薬が陽性になるのは2週間後くらいから。待ち遠しい!』
●人工授精から2週間後【妊娠成立!】
生理が来なくてソワソワ…妊娠した?
なかなか生理が来なかったので、シオリーヌさんは思い切って妊娠検査薬を試してみました。
なんと結果は陽性に。
つくしさんにどう伝えようか…と考えた末思いついたのが、「いきなり陽性の検査薬を見せたら夫はどんな反応をするのか」という動画を撮ること。
無事、サプライズは成功。2人が抱き合う様子も見られました。
シオリーヌのひとこと
『検査薬が陽性でも正常に妊娠が成立しているとは限らないので、このあとちゃんと病院に行きました』
●【シオリーヌさんとつくしさんに聞いてみた】不妊治療について、2人で話し合っていたことは?
YouTubeチャンネルで人工授精の体験を公開したシオリーヌさんとつくしさんに、今回改めて振り返ってもらいましたが、動画で発信をする裏側では2人で決めたことや話し合ったことがあったはず。
「話し合い」をいちばん大切にしているシオリーヌさんとつくしさんが、妊活を進めていく上でどのようにコミュニケーションをとっていたのかを教えてもらいました。
【Q1】ステップアップについて、2人で決めていたこと
子どもを持つことについて、2人は何度も話をしていました。もちろん不妊治療についても、一緒に情報をインプットして欠かさず共有。さらにどこまでステップアップするのか? 費用はどうするのか? についても、お互いの気持ちを伝えつつ、下記の項目を決めていました。
● 体外受精まではステップアップすること
● 体外受精を3回しても妊娠しなかったら、その後の計画を改めてきちんと相談すること
● 不妊治療で妊娠が難しければ、養子を迎えることも検討すること
● クリニックにはできるだけ一緒に通院すること
● 治療にかかる費用は折半すること
【Q2】妊活で、心がけていてよかったと思うこと
「どんなにけんかをしていても、最後には夫婦でしっかり話し合うことがわが家のグランドルール」という、シオリーヌさんとつくしさん。2人が妊活、そして人工授精をするまでに心がけていたことで、とくに「よかった」と思うことを改めて聞きました。
● 毎回受診後はその日にあった出来事を共有して、2人で話す時間をきちんとつくること
● 治療や受診について、わからないことがあればすぐに調べるか、次の受診日に聞くようにすること
● SNSやネット上の様々な情報を見聞きしてもあまり振り回されず、意思決定をするときは通院先の主治医の意見を参考にすると決めていたこと
今おたがいにかけたい言葉
シオリーヌさんからつくしさんへ
妊娠するためには治療が必要とわかった日から今まで、きちんと話し合いをしながら一つ一つのステップを一緒に歩んできてくれて本当にありがとう。
つくしのおかげで、不妊治療中や妊娠期間中に1人で頑張っていると感じることは一度もありませんでした。
子育てが始まってからも2人で力を合わせて、親という役割を一緒に頑張っていけたらうれしいです。
つくしさんからシオリーヌさんへ
不妊治療中は詩織(シオリーヌ)だけが行う検査や治療も多く、つらさを味わわせてしまって申し訳ない気持ちになることもあったけど、「2人だから頑張ることができている」という詩織の言葉に「いちばん近くにいるパートナーだからこそできるサポートをこれからも続けていこう」と気持ちを強く持つことができました。
ブライダルチェックから妊娠に至るまで、先の見えない妊活を一緒に頑張ってくれてありがとう。
●シオリーヌ Profile
1991年、神奈川県生まれ。神奈川県立保健福祉大学看護学科卒業。
総合病院の産婦人科病棟で助産師として勤務した後、精神科児童思春期病棟で若者の心理的ケアを学ぶ。
2017年より性教育に関する発信活動を始め、19年より「シオリーヌ」としてYouTubeチャンネルで動画投稿をスタート。
動画配信のほか講演会やイベント、本の出版などを通して性にまつわるさまざまな情報を発信している。
無事、第1子誕生。
●漫画・イラスト/くらたみゆう(みゆまる)
●構成・文/編集部
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