2人で話し合う妊活★クリニック選びの「心の準備」って?不妊治療スタートの基礎知識も
不妊治療を始めようと思ったときに、最初にしなくてはならないのはクリニック選び。どうやって情報収集する?クリニックを選ぶポイントは?治療を続けるときに大事なことは?
今回は「治療を始める前の心の準備」編。
これからスタートする2人のために、妊活コーチの松本亜樹子さんに聞きました。
不妊治療クリニックの選び方 カップルでスタートする心の準備 #1
※参考:「妊活たまごクラブ 初めての不妊治療クリニックガイド 2024-2025」
「カップルで受診」が基本。受診前から、2人で妊活について話し合うことが大切!
★受診先が違っても、「2人で治療」は変わりません
不妊治療を始めようと思ったときに大切なのは、治療はカップルでするものだということです。もちろん、不妊の原因の可能性は男女半々にありますから治療は2人それぞれに必要になる場合もありますが、それだけではありません。検査を受けるか受けないか、治療をするかしないかについても、一緒にたくさん話して、相談して、2人で情報を集めてほしいのです。男性はオンライン診療でOKな場合もありますが、それでも「2人で」不妊治療を進めることに変わりはありません。
受診先は、不妊治療専門クリニック以外に、産婦人科や総合病院の中にある不妊診療科といった選択肢もあります。婦人科などで、女性と男性の検査や治療が同じ施設で受けられない場合には、連携している施設での検査になることもあります。
もし、どこのクリニックで治療を始めるか迷ったら、まずは地理的、心理的に通いやすくて、男女ともに検査が受けられる施設を基準にしてみてください。それだけで、だいぶ選択肢が絞られるはずです。
不妊治療の基礎知識
★誰が?→【カップルで】
保険適用を受けるためにも夫婦で受診し、治療計画書を作成する必要があります。そのためだけではありませんが、2人そろっての受診からスタートしましょう。
★どこで→【不妊治療クリニック、婦人科などで】
不妊治療専門のクリニックでなくても、婦人科での相談から始めることもできます。その場合、男性の検査は提携のクリニックで受けられることもあるので、まずは相談を。
★いつからするの?→【赤ちゃんが欲しいと思ったら】
不妊の定義は「カップルが避妊をせずに定期的なセックスをして一定期間(一般的には1年)妊娠しないこと」(日本産科婦人科学会)です。実際に、年齢が高くなるほど妊娠率が下がるというデータがあり、35才を境に少しでも早く治療をスタートして!とすすめられることもあります。
不妊治療を始めることへの抵抗感は「あった」と「なかった」が、ほぼ半々
★制度が充実して治療が始めやすくなっています
今、国や企業において、不妊治療を支援する取り組みが増えています。また、子育てと仕事の両立や、柔軟な働き方ができる環境も整備され始めています。2022年度から不妊治療が保険適用化され、不妊治療と仕事の両立を推進する企業の認定制度(くるみんプラス※など)も創設されました。現在、さまざまな制度を整えている企業も増えてきているようです。
保険適用後、不妊治療は経済的なハードルが低くなりました。支援が進む世の中の流れもあり、精神的、経済的にも治療を受けやすくなったのではないでしょうか。以前と比べて治療スタートへの抵抗を感じている人も減ってきているようです。
※くるみんプラス…不妊治療のための休暇制度や、時差出勤制度、テレワークの選択制度があるなど一定の認定基準を満たした企業が認定される。助成金申請や、イメージアップなど企業側のメリットも。
【DATA】不妊治療(検査のみの方も含む)を受けることへの抵抗感・躊躇はありましたか?
不妊治療を始めることへの躊躇は「あった」「ややあった」を合わせると52%、「なかった」「それほどなかった」を合わせると47%で、ほぼ半々。このうち躊躇した理由については、従来と内容的には変わらず、経済的なこと、仕事との両立があがっていましたが、若くても治療の必要があることを意識した声もありました。
不妊治療の開始を躊躇したさまざまな理由
・若いからまだ早いと思っていた(20代)
・できるだけ自然妊娠を望んでいた
・痛みや副作用に対する恐怖があった
・不妊治療に対する漠然とした抵抗感があった
・金銭的な負担が大きいのかもと思っていた
・検査や治療の結果を知るのが怖かった
・周囲の目や反応が気になった
・仕事との両立が難しそうだと思った
■監修
●イラスト/別府麻衣
●構成・文/関川香織
※本誌掲載の内容は2024年8月19日現在のものです。以降変更されることもありますので、ご了承ください。