[妊活]ママになれた不妊治療体験者に聞く 大変だったこと7
不妊治療をこれから始める人も、すでにスタートした人も、何がどう大変なのか、大変になるのか、体験者のリアルな声を聞きたいところ。
不妊治療の大変さには共通のキーワードがいくつかあります。その中から、7つのキーワードを軸に大変だった経験を教えてもらいました。
『大変なことは多いかもしれない。でも、それは あなただけじゃない!』
ということが、みんなの体験談から伝わりますように。
※妊婦向け月刊誌『たまごクラブ』の読者のうち、不妊治療を経験したかた111名にwebアンケート。回答者のコメントです。
※( )の中は現在の年齢と治療経歴。
【大変だったこと1】「病院に通うこと」それ自体が大変
不妊治療は、とくに女性の場合は頻繁に通院することが多いものです。しかも通院スケジュールはタイト。通院そのものが大変です。
●人工授精の費用は経済的な負担に、注射や投薬などは体への負担に。もちろん、何度も病院に通わなければならなかったこと自体も。
(31才/人工授精)
●医師から来院の日にちを指定されるので、自分の仕事の予定を調整しながら病院に通うのが大変でした。
(28才/タイミング法)
●排卵していないか、今どのくらいの大きさになっているのかを診察するため、こまめに病院に通わなくてはならなかったこと。
(29才/人工授精)
●排卵日前後には、とくに頻繁に病院に通わないといけなくて、お金がかなりかかったことが大変でした。日々の注射や卵管造影の検査も痛かった。
(33才/タイミング法)
●排卵のタイミングは、あらかじめ予定が立てられないので、医師から指示のあった日に病院に行かないとなりませんでした。それと同時に、医師から決められた日にセックスしないといけなかったことも負担でした。
(28才/人工授精)
●卵胞を診てもらったり、排卵を確認したりと、しょっちゅう病院に通わないとならないのが大変だった。
(23才/タイミング法)
病院に通うのは、大変なだけじゃない
●旦那の帰宅が遅いので、疲れた体にセックスのタイミングが合わなかったり、人工授精では毎回朝早くに精子を採ってもらうことが、旦那にプレッシャーを感じさせてしまったり。2人とも、心身への負担が大きく、費用もかかりました。
だけど、とにかく2人とも、「2人の子どもが欲しい」という気持ちが強くあって、治療先の先生に励ましてもらったときに、もう少し頑張ってみようと思ったことが、いい結果につながりました。
(34才/体外受精)
●タイミング法では、医師から決められた日にセックスしないといけないし、排卵誘発のときは病院から指示のあった日に病院に行かないといけないし、注射がかなり痛かったし。それでも、通っていた病院では前向きになれるような言葉をかけてくれました。
「大丈夫、大丈夫」と言ってくれたのが励みになりました。
(28才/人工授精)
【大変だったこと2】「朝」の大変さ
タイミングによって朝早く通院したり、夫にも協力を求めたり。ただでさえ時間がたりない朝の時間のやりくり、綱渡りのこともあります。
●生理不順だったので何回も病院へ行かなければいけなかったことや、朝一で精液を持っていくので会社に遅刻したことも。仕事との両立がいちばん大変でした。
(33才/人工授精・体外受精・顕微授精)
●毎日の注射、深夜の通院、仕事前の通院、採卵手術……大変なことはたくさんあったけれど、朝早くに病院に行かなきゃいけなかったことがつらかった。
(33才/体外受精)
●タイミング法でしたが、夫の帰りが日々遅いので、朝にセックスしなくちゃならないのは大変だった。
(32才/タイミング法)
●朝、新鮮な精液を病院に持っていくこと自体と、そのためのスケジュール調整も大変でした。
(37才/人工授精・体外受精・顕微授精)
【大変だったこと3】「夫・旦那」との温度差
パートナーと二人三脚で進めるのが不妊治療……のはずですが、なかなか温度差が埋まらないことも。
●タイミングがわかると、私としては気合を入れなきゃと思い、一方、夫はあまり乗り気になれない様子だったのが、なんとも。
(29才/タイミング法)
●タイミングと旦那の仕事との兼ね合いが難しかったです。
(27才/タイミング法)
●排卵日前後になると、夫にセックスするタイミングを伝えなくちゃいけなくて、ため息が出ました。
(34才/タイミング法)
●注射のための頻回の通院、決まった日にタイミングをとらなくてはいけないこともですが、それを夫に言わなくてはならないことが…。
(31才/タイミング法)
●夫に排卵日を伝えるときの言い方、すっごく気を使いました。
(32才/タイミング法)
●仕事で旦那の都合が悪くてタイミングが合わないときは、2人ともついイライラしてけんかの原因になっていました。
(29才/タイミング法)
彼のほうが基本的にデリケート…
●男性不妊だったので、精子の状態がよくないという理由で人工授精自体がキャンセルになり、どう伝えるべきかつらかった。その一方で毎日の注射のために病院に通うことや採卵も大変だった。夫自身が協力的だったから、続けられたと思います。
(35才・顕微授精)
一緒に頑張れたカップルも!
●仕事を続けながら月に何度も通院することに疲れ、なかなか結果が出なくて心が沈んだ日もありました。そんなときでも、主人が積極的に協力してくれたことがよかったです。卵管造影後の半年間は「ゴールデン期間」と聞いていましたが、本当に半年後にタイミング法で妊娠できました。
(37才・タイミング法)
【大変だったこと4】「セックス」がつらいなんて…
恋愛初期には想像もしなかった義務感を伴うセックス。そうじゃないときももちろんあるけれど、本当はリラックスして楽しみたい、ですね。
●セックスしたくないのにしなければならないときが、嫌でした。人工授精では保険が適用されないし、体外受精では、精神的・肉体的・経済的、すべてにおいて苦痛を感じていました。
(30才/体外受精)
●先生に言われたとおりにセックスしなきゃいけなくて、義務的になっていた感じがあったのはしんどかったなぁ…。
(37才/タイミング法)
●タイミング法で、毎回、排卵チェッカーを使いながらタイミングを計ることで、セックスが義務的な行為に…。それに合わせて検査に行くのも大変でした。
(33才/タイミング法)
●夫婦生活が義務化した感じがしていました。毎月人工授精だけで2万円も飛ぶし、フルタイムで仕事をしていたため有給休暇がなくなるし。体力、金銭、精神すべてつらかったです。
(27才/人工授精)
●排卵日近くに何度もセックスしたので、主人が疲れちゃっていました。
(32才/タイミング法)
【大変だったこと5】「排卵誘発」がキツイ
副作用の個人差が大きい排卵誘発。OHSS(卵巣過剰刺激症候群)などのような重い症状ではなくても、副作用としてのだるさは多くの人が経験しています。
●顕微授精まで経験。排卵誘発剤の薬が増えたせいか、体調が悪かったり、気持ちが不安定になったりすることがよくありました。採卵のために毎日注射すること、頻繁に通院することがとにかくつらかったです。
(32才/顕微授精)
●卵の大きさを診るために、頻回に病院を受診しないといけなかった。
(31才/タイミング法)
●排卵が近づくと吐きけや痛みがあってつらかった。
(32才/人工授精)
●クロミッドを使いました。ただ、これも永久にできるわけではなく、リミットがあると言われて少し不安になりました。結果、3周期目で妊娠。
(28才/タイミング法)
●数はできるがなかなかよい卵が育たなかった。
(34才/顕微授精)
●副作用としてイライラしやすかったり、体がだるい気がした。
(27才/タイミング法)
●薬の副作用で下腹部がキューッと痛むことが頻繁にあった。
(32才/タイミング法)
●採卵後、誘発剤の影響でホルモン値が異常になり、卵巣が腫れ上がり、しばらく安静にしなければならなかった。その後、2カ月ほど便秘がすごかった。
(38才/顕微授精)
●3交替勤務だったため、タイミングを合わせるのが難しかった。多胎妊娠にならないか心配だった。
(29才/タイミング法)
●体外受精のための排卵誘発で、自己注射に自信がなかったのでほぼ毎日通院。往復に2時間かかり、1時間から2時間待って数分の注射という日々でした。
(31才/体外受精)
【アンケートから】排卵誘発でつらかったことDATA
【1】とくになし
【2】痛い(注射、腫れの痛み、排卵痛など)
【3】毎日または頻繁に通院すること
【4】副作用・体調が悪くなること
「とくになし」と答えた人が意外と多くいました。ほかにも「卵巣が腫れること」などありましたが、合う薬剤があれば、ひどい副作用は多くはないこともわかりました。
【大変だったこと6】「採卵」って痛い…
採卵するときの穿刺は麻酔もあるけれど、卵巣が刺激されたあとが痛いという声も。
●採卵は体に負担がかかるし、顕微授精は金銭的にもきついです。何回やってもなかなか結果が出なかったときがつらかった。
(28才/顕微授精)
●体外受精で採卵のあとに、卵巣が腫れて痛くて入院したことがありました。メンタルの管理も大変でしたね。
(36才/体外受精)
●タイミング法も経験して、体外受精まで進みました。3回採卵しても授かれなかったこともあり、お金の面での負担を感じていました。
(34才/体外受精)
●採卵までの卵巣刺激で卵巣が痛むので、つらかったです。顕微授精は治療費も高すぎるし。それと妊娠したかも!?という期待と、生理が来たときの落ち込みとの無限スパイラルがつらかった。
(32才/顕微授精)
●採卵の際に麻酔が効かず、とても痛かったです。初めての採卵では、たくさん採卵できる予定と聞いていたのに、結局1つしか採卵できていなくてがっかり。
(32才/顕微授精)
愛する人の子が欲しい気持ちが救いでした
●タイミング法ではうまくいかなくて、体外受精に進みました。つらかったのは、採卵の痛み、戻すときの水分調整、採卵後の腫れなどなど。多嚢胞性卵巣だったため、卵が育ちすぎたりすることもありました。それでも、やっぱり愛する人の子どもを1人は迎えたいという、夫婦お互いの気持ちが強くありました。
(30才/体外受精)
【大変だったこと7】「仕事との両立」難しい!
仕事を頑張っている人ほど、休まざるを得ないことが非常につらいところ。打開策はやはり職場の理解なのかもしれません。
●タイミングを合わせるために、仕事の日程調整が大変でした。ホルモン剤による体調不良もつらかったです。
(31才/顕微授精)
●人工授精は日にちが確定していないので、仕事との折り合いをつけるのがとても大変でした。ベストなタイミングだと思えても妊娠しないことがストレスに。
(33才/人工授精)
●なかなか結果が出なくて、精神的にもきつかったですが、排卵時期に2日に1回通院する必要があり、仕事のスケジュールと治療の両立がきつかったです。
(35才/人工授精)
●排卵時期には2日に1回通院する必要があり、仕事と治療の両立がきつかった。なかなか結果が出なくて、精神的にもきついと感じていました。
(35才/人工授精)
●通院日も時間も自分で選ぶことができなくて、仕事の時間とのやりくりが大変でした。
(33才/タイミング法)
不妊治療体験者ブログを励みに頑張った!
●採卵、移植共に日程が急に決まることが大変でした。また、待ち時間は常に2時間以上、最長5時間ほど待ったことも。予定が組めないため、仕事を辞めざるを得ませんでした。
クロミッドが効きすぎる体質で、OHSSになりかけ、そのわりに成熟卵はできず2つしか採卵できませんでした。そんなときの励ましは、東尾理子さんのブログでした!
(29才・妊娠9カ月)
※不妊治療のステップアップや治療に対する感じ方は個人差があり、またクリニックの方針もあります。この特集はあくまで体験談をベースにしており、すべての方が体験談どおりに進むとは限りません。
■イラスト/いいあい
■取材・文/関川香織(K2U)