【医師監修】妊娠初期(妊娠2・3・4カ月)に気をつけることは? やっていいこと・ダメなことQ&A【ママの体の気がかり・持病など】
妊娠初期ママは、日常生活のいろいろなシーンで「おなかに赤ちゃんがいるのに、これってやっていいのかな? ダメなのかな?」「これって妊娠中どうなの?」と気になることがあるはず。そんな疑問の数々にお答えします。そんな疑問の数々を帝京大学医学部附属病院、総合周産期母子医療センター長、笹森幸文先生に聞きました。今回は、ママの体の気がかり「持病など」に関するQ&Aです。
【Q1】妊娠すると目が悪くなると聞きましたが、本当?
【A】妊娠したことが原因で視力が落ちることはないと思います。心配いりません。
【Q2】うつ病の薬を飲んでいます。妊娠中はやめるべき?
【A】うつ病の薬のほとんどは、おなかの赤ちゃんに影響するものではないので、妊娠初期に飲んでいてもまず問題ありません。自己判断でやめてしまって、うつ病の症状が悪化してしまうほうが心配です。薬を続けるかやめるかは心療内科または精神科と産院、両方の医師と相談しながら進めていきましょう。
【Q3】便秘症なので浣腸を使いたいのですが…
【A】浣腸は腸のぜんどう運動を促しすぎてしまい、子宮収縮を引き起こす可能性があるので、自己判断で使うことはやめてください。市販の便秘薬にも同様に、妊娠中は避けたい成分が入っているものもあるので、医師に相談して処方してもらうようにしましょう。
【Q4】痔持ちです。妊娠・出産で悪化する?
【A】残念ながら、妊娠が進んでおなかが大きくなるとうっ血しやすくなったり、出産時に圧力がかかることで悪化しやすい傾向が。出血や痛みがあるときは医師に相談し、軟膏を処方してもらって。
【Q5】腰痛持ちですが、妊娠・出産で悪化する?
【A】必ずしも悪化するとは限りませんが、その可能性は大きいでしょう。妊婦さん用の腰をサポートするベルトや下着などがありますから、それらを使ったり、動きをゆっくりにする、腰痛予防のストレッチをするなど工夫して乗りきりましょう。
【Q6】貧血です。妊娠中気をつけるべきことは?
【A】貧血というのが、鉄欠乏性の貧血であれば、鉄分の多い食事を心がけましょう。場合によっては鉄剤が処方されます。この鉄欠乏性の貧血はあまり自覚症状がなく、血液検査によってわかるものです。一方、立ちくらみなどの、いわゆる脳貧血の場合は、急に立ち上がったり、立ち続けないようにすることで防げます。
【Q7】甲状腺機能低下症ですが、妊娠に影響はありますか?
【A】すでに症状があり、治療をしているのであれば、妊娠するための指導を受けていたと思います。産院と甲状腺の専門科に相談の上、甲状腺機能をコントロールしていれば、妊娠に影響することはありません。
【Q8】甲状腺機能亢こう進しん症ですが、妊娠に影響はありますか?
【A】すでに症状があり、治療をしているのであれば、薬によって甲状腺ホルモンを正常に保つようにコントロールしていると思います。妊娠中も薬を服用する必要がありますが、甲状腺と産院の主治医の指導のもと、経過を見ていけば、問題ありません。
【Q9】腰椎すべり症ですが、妊娠に影響はありますか?
【A】歩行の際に太ももなどに痛みを感じることがあります。妊娠中は積極的な治療はできないため、対症療法になります。妊娠経過に影響することはないでしょう。
参考/『初めてのたまごクラブ』2023年春号
●記事の内容は2023年5月の情報で、現在と異なる場合があります。