7月に第2子を出産した橋本マナミ「育児って笑っちゃうくらい大変!」長男の育児でうまくいかず悩んだことも。導き出した答えは“頑張らない育児”
2024年7月初旬に第2子となる女の子を出産された橋本マナミさんにインタビュー。取材当時、おなかには妊娠9カ月の赤ちゃん。大きくなるおなかを抱えて元気いっぱいの息子さんのお世話に奮闘する毎日や、1人目の経験から見いだした育児のモットーについて話を聞きました。
“頑張らない”“無理をしない”と決めれば心が軽くなる
――おなかが大きくなるほど、3才(当時)の息子さんのお世話も大変だったのでは?
橋本さん(以下敬称略) 外で遊びたい年ごろなので、私の体調などお構いなしで、とにかく「どこか連れて行って!」という気持ちが強いです。もちろん、私も自宅にばかりいると気がめいってしまうため、長男とのお出かけは息抜きにもなるのですが、やはり妊娠前とは比べものにならないくらい疲れやすくなっています。とくに、連休で保育園が休みの期間はきつかったです。2人で行くつもりだったプラレールのイベントのチケットが満席で取れず、恐る恐る行けないことを伝えると、案の定、ぐずり始めてしまったんです。そのうえ、だったら大好きな航空科学博物館に行きたいと言い始めて…。成田空港の近くにある博物館なのですが、行くだけで片道1時間半。たっぷり遊んでまた1時間半かけて帰ってくるのは、本当にしんどかったです。
この話だけ聞くと、育児への努力は惜しまないタイプだと思われるかもしれませんが、基本は、“頑張らない”“無理をしない”と決めています。つわりがひどい時期は自宅のソファで寝たきりだったのですが、起き上がって遊ぶなんて到底できなくて、申し訳ないけれど、長男には「ごめんね、少し1人で遊んでてくれる?」とお願いすることもしょっちゅうでした。散らかしたおもちゃを片づけられず、そのままの状態で翌日に持ち越すことも。ただ、良い機会なので、私が動けるときには、お片づけを教えるようにしていました。もちろん、産後、私が大変なときは自分で片づけてね! という大きな期待を込めて(笑)
――“頑張らない”と決めるまでには、さまざまな葛藤があったのでしょうか?
橋本 そうですね。出産したママが、産後最初に頑張ることといえば、やはり授乳だと思います。私の場合、前回の出産前に「入院中は寝られないよ」と友人から言われて、てっきり2時間おきの授乳で寝られないんだと思ったら、おっぱいの痛みで寝られなかったんです。あんなにカチカチに張るなんて知らなかったので、岩みたいになった自分のおっぱいに驚きました。そのせいなのか、母乳が出ているのかどうかわかりづらくて、とくに退院してからは「これでいいのかな」「ちゃんと出てるのかな」と授乳するたびに不安でした。しかも、長男の体重がなかなか増えなかったので、なおさらです。そのうえ、当時は完母で育てたいと思っていたためかたくなに母乳にこだわっていて、結果的にそれが自分を追いつめることになってしまいました。そのあと、夜寝る前は母乳よりミルクのほうが長く寝てくれるとか、そういった情報を素直に受け入れ、取り入れるようにしてからは、だいぶ気が楽になりました。やはり、育児を完璧にこなすなんて無理だし、ましてや自分の理想の育児を追い求めるなんて絶対に無理です。その前にママが倒れてしまっては元も子もないので、“頑張らない”“無理をしない”ことは本当に大切だと思います。
それに、成長していくうちに子ども自身にも自我が出てくるので、思い通りにいかないことのほうが多くなります。もう笑っちゃうくらい大変! すべてに真正面から向き合っていたらストレスでどうにかなってしまいそうです。おふろに入りたくないなんて日常茶飯事で、本当は湯船に入ってほしいけど、「じゃあ、おしりと足だけ洗ってね」とおふろのハードルを少し下げてみたり、おふろが楽しくなるように、お湯に入れると中からおもちゃが出てくるバスボールを買ってみたり、とにかく試行錯誤するのですが、それでもダメならもう潔くあきらめます。1日くらい入らなくても大丈夫…と。これが“頑張らない”“無理をしない”のお手本です(笑)
つらかった寝かしつけを経験し、第2子は“自分で寝る力”をはぐくみたい
――ほかにも、1人目の経験を生かして取り入れようと思っていることはありますか?
橋本 赤ちゃん1人に対して、大人2人でお世話をしないということですね。新生児のうちは2~3時間おきの授乳なので、2人で対応していたらどちらも寝られなくて共倒れになってしまいます。長男のときは、育休中の夫と交代制で、夜中3時までの授乳は私がやるから、次の明け方のミルクはパパお願いね!と時間で区切って、そのおかげで、それぞれがまとまった睡眠を確保できました。今回は、育休を取ることが難しい夫に代わって、産後1カ月間、実家から私の母が来てくれる予定です。すでに打ち合わせを済ませ、昼は母、夜は私がお世話をすると決めています。
それ以外で今回絶対にやろうと思っているのは「ねんトレ」です。長男のときは夜泣き、しかもずっと泣き続けることがあって、対処法がわからず途方に暮れた夜が何度もありました。あと、いわゆる背中スイッチもすごかったですね。腕をプルプルさせながらそ~~~っと寝かせたのに、背中がついたとたんにギャン泣きで、その繰り返し。寝かしつけの時間が苦痛にならないよう、今回は早いうちから自分で寝る力をつけられたらと思っていて、ちょうど今、育児本やSNSでいろいろ情報収集しているところです。
――今の時代、とくに初めての育児の場合、あふれる情報に翻弄されるママ・パパも多いと思います。何か気をつけることはありますか?
橋本 私も育児本をいろいろ読みましたが、ひとつわかったのは、赤ちゃんはそれぞれみんな違うので、絶対に教科書どおりにはならないということ。育児を頑張っているママ・パパほど、「なんでうちはうまくいかないんだろう…」と落ち込んでしまうし、自分を責めてしまいがちです。書いてあるとおりにいけばラッキー、そのとおりにならなければ、うちの子にはこの方法は合わないんだと、一喜一憂せず割りきることが大事だと思います。
実は私も、長男の食事についてずっと悩んでいました。赤ちゃんは無条件に離乳食をパクパク食べるものだと思っていたのに、長男はごはんをあまり食べてくれなくて。「何がいけないんだろう」「どうすれば食べてくれるんだろう」と毎日のように悩みました。でもある日、無理に食べさせなくても、おなかがすいたら自分から食べるということに気がついたんです。とくに赤ちゃんの場合は食べないと命にかかわると勝手に思い込んでいたけれど、絶対に朝昼夜とごはんを食べなきゃいけないわけじゃないんですよね。もちろん、食べることが望ましいけれど、無理やり食べさせて食事そのものを嫌いになってしまうほうが、後々大変。朝ごはんを食べなかったらおにぎりを持って家を出ればいいし、保育園でちょっとぐずるかもしれないけれど、そこは先生お願いします!ってプロを頼る。そうやって、いつの間にか割りきって考えられるようになりました。4才になった今でも、長男は偏食気味で、このままでいいのかなという葛藤もありますが、好みはある日突然変わることもあると聞くので、食べてくれるものを探しながら、工夫しながら長い目で見て進めていきたいです。
“怒らない”は卒業したけれど、怒るときには必ず理由を伝えるように
――息子さんと接するうえで、普段から気をつけていることはありますか?
橋本 3才までは、とにかく怒らないようにしていました。ママが怒っても赤ちゃんは怒られている理由がわからないから、ただ「こわい」と恐怖を抱かせるだけだと本に書いてあったので、確かにそれはよくないなと思って、以来、気をつけています。3才になってからは、長男がいけないことをしたとき、なぜそれがダメなのかということを言葉できちんと伝えるようにしています。たとえば最近は、思い通りにならないと私のことをたたいたりするのですが、そのときも「ダメ!」「コラ!」じゃなくて、「たたかれたら痛いよ」「たたいたらママは嫌な気持ちになるからやめてほしいな」と言うように。もちろん伝わらないときもあるし、それを言ったことで二度とやらないというわけでもないです。それでも自分の言葉で、とくに気持ちを伝えることは大事にしています。
長男に対する目下(もっか)の心配は、2人目が生まれたあとの赤ちゃん返りです。今はまだ、妹に会えることを楽しみにしているだけで、ママ・パパが赤ちゃんにとられることには気づいていません(笑)。普段一緒に寝ているのですが、産後は授乳があるので別々に寝ようと思っていて、そこが最初の大きな試練かなと覚悟しています。先輩ママ・パパに聞くと、みなさん上の子を優先しているようで、それが兄弟姉妹の仲の良さにつながったり、面倒見の良さにつながるようなので、私も同じようにしてみようかなと思っています。2人目ともなれば、少し泣いたくらいではたぶん動じないと思うので(笑)、泣いていてもちょっと待っててもらって、長男を優先しようと思っています。
撮影/中田陽子(MAETTICO) スタイリスト/鳥山悦代(One8tokyo) ヘア&メイク/エノモトマサノリ 取材・文/坂井仁美、たまごクラブ編集部
「育児って笑っちゃうくらい大変!」と話す橋本さんからは、授乳、離乳食、寝かしつけと、思うようにいかず悩んだエピソードが次々と飛び出し、1人目の育児経験から、ママ・パパが自分をいたわる大切さについてもじっくり語ってくれました。
橋本マナミさん
PROFILE
1984年生まれ。山形県出身。1997年「第7回全日本国民的美少女コンテスト」で演技部門賞を受賞。そのあと、女優、タレント、グラビアアイドルとして幅広く活躍。2019年に結婚し、2020年に第1子となる男の子を出産。
●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は、2024年6月の情報で、現在と異なる場合があります。