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プレママ・パパが知っておきたい!2才までにほぼすべての乳幼児が感染する「RSウイルス感染症」とは?!

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市民公開講座「『RSウイルス感染症』ってどんな病気?」が開催され、たまひよ編集部も参加。名前は聞いたことがあるものの、その怖さや詳しい症状については理解できていないという方はチェックし、赤ちゃんを「RSウイルス感染症」から守りましょう。

★記事の最後にアンケートご協力のお願いがあります。ぜひ最後までお読みください。

感染力が非常に強く新生児でも感染する

RSウイルスにより引き起こされる呼吸器感染症を「RSウイルス感染症」といい、以前は秋から冬に流行するものでしたが、今は春から夏にかけて流行するようになっています。RSウイルスは、感染力や繁殖力が非常に強く、くしゃみや咳(せき)による飛沫(ひまつ)感染、ウイルスが付着したドアノブを触るなどの接触感染でどんどん広がっていきますが、RSウイルス自体は凍結や55度以上の加熱、消毒薬などにより速やかに感染力を失います。

潜伏期間は平均4〜5日で、約7割の乳幼児は発熱や軽い咳、鼻水など上気道炎(じょうきどうえん)の症状が数日続いたあとに治っていくのですが、残りの約3割は細気管支炎(さいきかんしえん)や肺炎など呼吸が苦しくなる下気道炎(かきどうえん)を引き起こして重症化し、入院に至るケースもあります。またRSウイルスは、潜伏期間から症状が治まった後1~3週間、トータルで約1カ月ほど感染力が続くのも特徴で、保育園や幼稚園、学校など集団生活において感染が避けられないウイルスでもあるのです。

実際に1才までに約5〜7割以上、2才までにほぼすべての乳幼児が感染し、3才までにはほとんどの小児が抗体を獲得します(出典/国立感染症研究所:病原微生物検出情報 35(6): 5,2014)。ただし、麻疹(はしか)や水疱瘡(みずぼうそう)などとは違い、免疫ができても何度も感染するのと、おなかの中の胎盤を通じて受け取る母子免疫(自然感染の母子免疫)では、感染を防ぐのに十分ではないのがRSウイルスの怖いところ。ですから生まれて間もなくでも感染し、繰り返し感染・ 発症することで徐々に軽症化はしますが、大人になっても感染するウイルスなので、親から赤ちゃんへ感染させる可能性も大いにあります。

RSウイルス感染症に対する治療薬は存在しない

症状は風邪に似ており、われわれ医師は生後6カ月未満の乳児でひどい咳やゼコゼコと苦しそうな呼吸、睡眠障害、哺乳不良があった場合はRSウイルス感染症を疑い、迅速検査を行い診断します。残念なことに、RSウイルス感染症に対する抗ウイルス薬などの治療薬はありません。 症状を和らげる対症療法や呼吸がラクになるように横を向いて寝かせるなどの支持療法が主体となり、重症化しないよう経過観察をするため毎日通院してもらうことも。それでもつらそうな場合は、入院して酸素投与や人工呼吸器で対応する場合もあり、入院患者の約4割が生後6カ月までの赤ちゃんで、中でも多いのが生後1カ月までなのです(出典/Kobayashi Y et al.:Pediatr Int 64(1):e14957,2022)。

赤ちゃんをRSウイルスから守るためには

重症化しやすい乳児として、早産児や生まれつき心臓や肺に基礎疾患がある、染色体異常などの小児は、ハイリスク児として、重症化を抑える薬(抗体薬)の投与が認められています。家庭内感染も少なくないので、家族全員の手洗いや手指消毒、換気、マスクの着用など基本的な感染対策はもちろん、風邪症状がある人は赤ちゃんとの接触を控えることも大切です。

今の乳幼児はヒブや肺炎球菌、ロタウイルスなどさまざまなワクチンを接種できるようになりましたが、それらはすべて生後2カ月から始まります。先ほども触れましたが、RSウイルス感染症で重症化するいちばんのピークは生後1カ月。つまり通常のワクチン接種の時期では間に合いません。また、生まれたばかりの赤ちゃんにワクチンを接種しても、免疫機能が未熟であるために十分な抗体ができない可能性があります。そのために、妊娠後期に妊婦さんがRSウイルスのワクチンを接種することで、十分な免疫を胎盤を通して与え、新生児期の赤ちゃんを守るという予防法が重要になってくるのです。なお、RSウイルス感染の予防としては、ワクチンのほかに赤ちゃんに直接抗体を投与し、RSウイルスのはたらきをおさえる注射薬もあります。

先輩ママの体験談も交えてディスカッション!「私の子どもも“RSウイルス”に感染しました」

市民公開講座の第2部では、実際にお子さまがRSウイルスに感染した経験を持つ先輩ママが参加し、当時のお子さまの様子やご自身の心境をお話ししてくれました。
※紹介した内容は、個人の体験に基づく印象や意見であり、すべての方に当てはまるものではありません。気になる症状がある方は、医師にご相談ください。

家庭内で兄姉から感染!咳で呼吸が苦しそうでした…
石渡先生(以下:石) お2人はRSウイルス感染症についてご存じでしたか?
飯田さん(以下:飯) 名前は知っていましたが、自分の子どもが感染するまでは、どこか人ごとでした。
今井さん(以下:今) 長女が8カ月で感染して受診したときに、6カ月未満で感染すると重症化することもあると聞き、怖い病気だなと思っていました。
峯先生(以下:峯) 以前に比べるとRSウイルス感染症の認知度は上がってきましたが、症状や重症化リスクなど詳しく理解されている方はまだ少ないかもしれませんね。
 まだよく知られていない感染症だからこそ、赤ちゃんを守るために何ができるか考えていく必要がありますよね。実際にお子さまが感染されたときの状況はいかがでしたか?

 生後5カ月のときに2才の姉から感染しました。ゼイゼイした呼吸から始まり、夕方から夜にかけて苦しそうな声をあげたり、ミルクの嘔吐(おうと)も続きました。
 うちは生後1カ月で感染。3才の兄に軽い風邪症状があったのですが受診せずにいたところ、下の子も咳や鼻水、微熱が出始め、日に日に咳がひどくなり、苦しそうで機嫌も悪くなっていきました。
 生後すぐに感染すると赤ちゃんも、また産後まもないお母さまも大変でしたね。
 RSウイルスは自然感染の母子免疫では十分な抗体は与えられず、生後1週間〜10 日でも感染してしまいます。呼吸する力が弱く、咳で母乳やミルクが飲めなくなると赤ちゃんにとっては大変な状況です。家庭内に風邪症状の人がいる場合は注意をし、症状が出たら早めに受診するようにしてください。

 上のお子さんは集団生活の中で感染するわけですが、小さいお子さんだと手洗いやマスクもなかなか難しく、下の子にうつしてしまいます。ですから、誕生までに赤ちゃんが十分な抗体をつけておくことが有効な対策の一つと考えられます。

入院も自宅看病も本当に長くて大変でした
 看病について詳しくお聞かせいただけますか?
 夜が苦しそうで母乳も飲めなくなり、不安で救急車を呼んだところ、そのまま入院に。付き添い入院はできず、毎日車で40 分かけて母乳を届けましたが、1時間しか会えず、9日間の入院となりました。
 うちは、小児科で吸入器を借りて自宅で看病しました。3時間ごとに吸入し薬を飲ませて授乳と、毎日その繰り返し。夜も寝てくれず、抱っこをしたまま一晩過ごした日もあります。毎日小児科にも通院する生活が3週間ほど続きました。
 6カ月未満の赤ちゃんは痰(たん)を吐き出す力が弱いので余計に苦しいんです。ゼイゼイ、ヒューヒューという呼吸が続いて呼吸困難になることも。痰をさらさらにするお薬や吸入で対処しながらの看病が1カ月続くこともあります。RS ウイルスは、熱が下がっても喘息(ぜんそく)のような症状が数カ月続くこともある、大変な病気なんです。

苦しそうでも見守るだけ…代わることもできずつらかった

 お母さまのお気持ちとして、どのようなことが大変でしたか?
 赤ちゃんが苦しそう&点滴も痛そうなのに、親ができることは少なく、代わってあげることもできないのがいちばんつらかったです。面会時間が1時間しかなく、泣き顔を見ながら帰るのも心苦しかったです。
 私も今井さんと同じで、代われるものなら代わってあげたいと思いました。生後すぐは免疫があり病気になりにくいと思っていたので、なんで生後1カ月で大変な病気にかかるんだ、とつらかったです。
 産後お母さまの体力も元に戻っていない状況で大変でしたね。赤ちゃんをRS ウイルスから守るための予防について、峯先生、あらためてお聞かせください。
 今回いろいろお話ししたように、予防ができればいちばんいいのです。重症化リスクが高い赤ちゃんには、重症化を抑える薬が使用できますし、ワクチンで守ることも一つの方法です。

こちらもCheck!「RSウイルスを学ぶ」を見る


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2025年1月作成

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