ガサガサかかとに悩んでいる人は約80%も!子どもの抱っこで大きな負担が!?正しいお手入れ法を皮膚科医に聞く
みなさんの“かかと”はツルツルですか?これからサンダルの季節になると気になる「かかとのガサガサ問題」。「たまひよ」アプリユーザーから寄せられたかかとのお悩み・ケア方法について、皮膚科医の日景聡子さんにアドバイスいただきました。
かかとのガサガサ問題について調査!乾燥してごわついているが約57%も
まず、アンケート結果とともに、ユーザーのかかとのお悩みを聞いてみました。
あなたのかかとの状態と、お手入れ方法について教えてください。
1位 乾燥して少しゴワついている 57.2%
2位 ツルツルしていて特に問題なし! 20.6%
3位 ガサガサして、靴下などを履くときに引っかかる 13.5%
4位 ひび割れて皮が厚くめくれている部分もある 6.1%
5位 ガサガサ&ひび割れで痛みもある、ひどい状態! 2.2%
6位 その他 0.4%
となり、ツルツルで問題ない人は約21%、約80%がガサガサ・ゴワつき等、なにかしらの問題を感じている等結果に。
みんなの声を見てみると、
■ケアできていない!
「初めての育児にてんやわんやで、なかなか自分のかかとのケアまでできていません」(あーちゃん)
■わかってはいるけれど…
「何かをした方がいいのはわかっていますが、何もできていません」(まる)
■保湿+ソックス
「気になるときはお風呂上がりにかかとにクリームを塗り、かかとだけのソックスを履いています。ガサガサがひどく気になる時は、専用の電動の機械でかかとを削って、保湿クリームを塗ってからソックス」(すけぴっぴ)
■足裏専用石鹸
「足裏用の石けんで洗い、お風呂上がりはすぐに靴下を履きます」(anmi)
■シャワーヘッドで劇的に変化!
「かかとの乾燥が酷かったので、常にボディクリームを塗っていたが、数ヶ月前にシャワーヘッドを変えてから劇的によくなりました」(みと)
■軽石が習慣
「入浴時に軽石をかけることが、子どもの頃からの習慣になっています」(ままてぃ)
■ボディオイルとクリーム
「ボディオイルとボディクリームを塗布。かかと専用だとかかとにしか使えないから、もったいない気がして…」(たから)
削りすぎに注意!かかとケアは皮膚が乾いた状態で、2~3週間に1度が目安
靴下が引っかかったり、ひどくなるとヒビ割れてきたりすることがあるかかとのガサガサ。その予防とその対処法について、皮膚科医の日景聡子さんに聞いてみました。
「かかとには皮脂腺がないため乾燥しやすい場所であることに加えて、体重を支えるためにもともと角質が厚い場所です。冬になると血行が悪くなり、新陳代謝が遅れて更に角質が厚くなる傾向にあります。
さらに、乾燥して硬くなったかかとに体重が加わることでひび割れていきますので、小さなお子さんを抱っこしたり、背負ったりすることが多いママは、かかとへ大きな負担がかかっています。
かかとのガサガサ予防は、かかとと靴の摩擦が大きくならないようにすることです。ヒールの高い靴やサイズが合わない靴は足への負担となります。
また、乾燥を防ぐことに加えて、かかとの冷えに気をつけることが大切です。皮膚は、水分が蒸発する時には気化熱の影響で冷えてしまいます。かかとは心臓から遠く、血の巡りが不十分になりやすい場所ですから、入浴後は、かかとも水分をしっかり拭きましょう。
すでにガサガサかかとになっている場合は、入浴後は保湿クリームを塗ってケア。代表的なものとして、硬くなった角質を柔らかくする作用のある尿素クリームや、血行を促進するビタミンEやヘパリン類似物質入りクリームがあります。
ただ、最近は、冷房による冷えで夏でもかかとが乾燥している方が多く見られますから、冬だけでなく、夏もかかとケアに注意が必要です。
夏になってもガサガサが治らない、足の指や足の裏まで皮むけが広がってきた、という場合は、水虫の可能性もあるので皮膚科専門医へご相談ください」(日景聡子さん)
かかとケアの注意ポイント
●かかとケアは2~3週間に一度
角質ケアはやりすぎないように注意。皮膚のターンオーバー周期に合わせて、かかとケアは2~3週間に1回程度がオススメです。
●かかとケアは皮膚が乾いた状態で
皮膚が濡れている状態は角質がふやけて柔らかくなっていて、どのくらい削れているかが判断しづらいことも。皮膚が乾いた状態で、かかとケアを行うようにして、入浴中のケアは避けた方が賢明。
●削る時は一方向に
削る時は往復して削るのではなく、一方向に削るよう心がけましょう。粗く削れるのを防ぐために、目の細かいヤスリを選んで。
●水虫が住みやすくなるので、削りすぎはNG
皮膚には防御反応があるため、削り過ぎることでかえって角質が厚くなることも。また、細かい傷がつくことで水虫が住みつきやすくなります。水虫を放置すると、じゅくじゅくした部分から細菌感染を起こし、バスマットや床などから家族に水虫を移してしまう可能性があるので早めの受診を。
●ピーリング作用のものを使う時はかぶれに注意
ピーリング作用のある製品・薬液を使うという人もいますが、成分にかぶれたり、使い方を誤って皮膚がただれたりした事例もあるので、くれぐれもやりすぎには注意。皮膚に異常を感じた場合は、皮膚科専門医に相談しましょう。
かかとのケアのやりすぎは、かえって厚くなったり、細かい傷から水虫の原因になったりするとは…。自分の間違いだらけのケアを反省です。
(取材・文/メディア・ビュー 酒井範子)
日景聡子さん
PROFILE)
札幌医科大学医学部卒業。大学病院や総合病院勤務後、円山公園皮膚科形成外科院長を経て、2022年7月にさとこ皮膚科・美容クリニックを開院(北海道・札幌市)。2児の母。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、美容皮膚科・レーザー指導専門医。患者の悩みに寄り添ったクリニックのサイト内のコラムはわかりやすいと好評。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2023年12月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです(有効回答数446人)
※記事の内容は2023年3月の情報で、現在と異なる場合があります。