【日本睡眠学会専門医監修】熱帯夜の子育てストレスを解消。子どもの寝かしつけ術大公開!
夏の悩みのひとつが、熱帯夜。蒸し暑くて寝苦しく、眠りが浅くなりがちですよね。自分が安眠しにくいのはもちろん、子どももなかなか眠れないので寝かしつけにも一苦労。エアコンを付けっぱなしで寝かせてもいいのか、不安に思うママ・パパも多いようです。
今回は、熱帯夜でも子どもが寝つきやすくなるコツを解説します。
熱帯夜でも子どもが簡単に寝つくための就寝環境づくり
熱帯夜でも子どもが寝つきやすくするためには、以下のポイントを意識しましょう。
入眠に適切な室温に設定する
東京都福祉局「健康・快適居住環境の指針」によると、乳幼児の住居環境については、外気温より4〜5℃低く、湿度は50%前後に設定することを推奨しています。(※1)
室温が28度、湿度70%を上回る環境では熱中症のリスクが高まるため、熱帯夜はエアコンを一晩中つけっぱなしにするのが安心です。(※2)
なお、からだに風が直接当たると冷えすぎて体調を崩す原因となるため、風向きを上手に調整しましょう。
子どもは大人より体温が高かったり、体温調節機能が未熟だったりするため、大人にとっては涼しいと思える室温でも子どもには暑い場合があります。どの温度だと一番快適に眠れるか、就寝時の子どものようすを見て好みの温度をみつけましょう。
熱帯夜ほどの暑さではなく、かつ「寝冷えするのが心配」という場合には、タイマー設定をして最低でも寝始めの3時間程度はエアコンをつけるようにしたり、サーキュレーターで間接気流を作って空気を循環させたりするのも有効です。
快適なパジャマを着用する
パジャマは、通気性のいいものを選んでからだに熱がこもらないようにしましょう。コットンやリネン素材のものは、通気性が高く吸水性にも優れているため、汗蒸れを防ぐことができます。
パジャマは半袖半ズボンで、締め付けのないものを選びましょう。寝ているときにおなかが出てしまう子は、寝冷えしないように上下つながった肌着を着せたり、腹巻付きのズボンをはかせたりすると安心です。
寝汗がひどいときは、肌と肌着の間に汗取りパッドを挟むなどすれば、途中で着替えさせる手間が減りますよ。
寝る前にやってはいけないこと(※3)
寝る前に強い光を浴びたり、昼寝の時間を必要以上にとったりすると、夜の眠りが妨げられてしまうので注意しましょう。
寝る前のスマホやテレビ、タブレットなどの強い光は、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌を妨げたり、睡眠と覚醒のリズムに影響したりするため、寝つきにくくなります。寝かしつけのときにママやパパがスマホやタブレットを見ていると、子どもも一緒に見てしまう恐れがあるので注意してください。
また、子どもが成長するにつれ、昼寝の必要性は少なくなります。適切な昼寝時間には個人差があるものの、生後6か月以降の乳児は2〜4時間(1日1〜2回)、1〜3歳頃は1.5〜3.5時間(1日1回)取るのが目安とされ、5歳頃には昼寝をしなくなる子が多い傾向にあります。
寝つきが悪い場合には、年齢に対して昼寝の時間が適切かチェックしてみてください。
熱帯夜でも快適に眠れる安眠アイテム3選
熱帯夜でも安眠しやすくなる、おすすめのアイテムを紹介します。
接触冷感の敷きパッド
接触冷感の敷きパッドは、ひんやりした寝心地が魅力です。リラックスしてごろごろと寝転がっているうちに、快適な眠りに導かれることでしょう。
商品を選ぶときは「Q-max値」に着目してみてください。Q-max値とは最大熱吸収速度をあらわす値であり、接触冷感素材の冷感度を示す指標のことです。数値が大きいほど冷たく感じ、0.4を超えるとかなりひんやりします。
ただし、Q-max値が高ければいいというわけではありません。化学繊維だけで作られている商品は、吸収した熱や湿気を放散しにくく、かえって寝苦しくなってしまうことも。そのため、熱や湿気をうまく放散できる天然素材の材質を組み合わせて作られている商品を選ぶといいでしょう。
ガーゼケット
薄くて柔らかいガーゼが複数枚重ねられてできており、吸水性や通気性に優れているため寝汗対策に有効です。コットンやリネンなど、天然素材で作られているものが多く、子どもにも安心して使用できる点も◎。
タオルケットよりも軽いため、掛け布団の重みで寝苦しく感じてしまう子どもにもぴったりですよ。丸洗いできる商品を選ぶと衛生的です。ただし、コットンやリネンは縮みやしわができやすい素材なので、洗濯後は手早く形を整えて干しましょう。
また、ガーゼケットは夏以外の季節でも使用できます。重ねられたガーゼの間に空気の層ができるため、秋冬は温かい寝具となりますよ。
冷感枕
枕の中にひんやりジェルが入っている冷感枕は、熱帯夜の就寝環境を整えるのに役立ちます。
子どもから大人まで使えて、寝苦しいときだけでなく発熱時にも重宝します。
表と裏で温度が異なり、寝苦しい夜には冷たすぎない表面を、つらい発熱時には冷感が強い裏面を使用するなど、使い分けができる商品もあるようです。
使える用途が多いものを選ぶと、さまざまなシーンで活用できますよ。
暑い夏の寝かしつけはコツをおさえて、ママ・パパ&子どもも快適に!
寝苦しい夏は、子どもの寝かしつけにも苦労する季節です。寝つきやすくするために、エアコンの設定温度や寝具などに気を配り、就寝環境を整えましょう。また、スマホやテレビ、タブレットなどの強い光を寝る前に見たり、昼寝の時間を長くとりすぎたりするのは禁物です。
快適な眠りを助ける安眠アイテムを上手にとり入れながら、暑い季節を乗り切っていきましょう。
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PROFILE
医師 木村 眞樹子(きむらまきこ)
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。
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