「義母の希望で建てた二世帯、お金は出さずにちゃっかり同居でモヤッ」「友人の結婚式に3万円包んだのに、私のときは2万円…」お金にまつわるトラブル・不満が続出!
今回のテーマは「人とのお金トラブル」についてです。
「たまひよ」アプリユーザーの実体験とともに、ファイナンシャル・プランナーの菅原直子さんに伺った、お金のトラブルにならないための他人とのスタンスやポイントをご紹介します。
価値観の違いがもめる原因に
最初に、みんなの声をご紹介します。お金のトラブルがあった相手について聞いてみると、夫や夫の家族へのモヤモヤが続出…。
「義母に貸したお金を返してもらえず、結局、彼(今は夫)から返してもらった」(そば)
「娘の初羽子板や雛人形、洋服、おもちゃ等は全て実の親が買ってくれたが、義理の親からは何も買ってもらえなかった」(みーママ)
「義母の希望で二世帯住宅を建てたのに、全くお金を出さずにちゃっかりと同居をしている。
またトラブルではないが、義両親から出産祝をもらってないし、夫が出産祝を勝手に使っていてキレたことがある」(魔法少女)
「計画的にお金を使わない義理の家族にご馳走している夫を見て、節約している自分をバカらしく感じた」(ゆっこ)
「両親と義両親の価値観が異なり、少し揉めました。
顔合わせや結婚式の際の援助額、どちらか一方が多かったり、食事会の金額が桁違だったり。一方は『高すぎて困る。こちらの予算も考えて欲しい』。一方は『このくらいも出せないの?』と経済格差と価値観の違いで親同士が揉め、そのせいで夫婦仲まで悪くなった時期がありました」(めろん)
「夫の妹の月々の車代を夫が払っていた。義母は『そのぐらい、いいじゃん』と、こちらの家計事情なんてお構いなし」(おかちゃん)
「専業主婦になって収入が全くないのに、夫から小遣いを貰えない。自分の欲しいものやガソリン代等は自分が働いていた時に貯めた貯金から出している」(ぴーなっつ)
とはいえ、実の親だからといって、何もないわけでもありません。
「実両親の場合、口は出すけどお金は出さないタイプでモヤッと。1人目の時、内祝いをこちらで選びたくても全く意見を聞かず、『これ買え、教えてやってるんだから』と好き勝手でした」(こうめ)
「実母と叔母、それぞれ金銭的に余裕のない生活なので、まとまったお金を貸したことが。何度か催促をしているものの、申し訳なさそうにするばかりで返ってくる気配はありません。
2人ともヘビースモーカーで、毎日の晩酌やギャンブルをする余裕はあるのに、少しずつでも返せないのか…と疑問に思う」(まぴ)
「実の祖母が時代もあるでしょうが、何事も長男優先の人で、自分の長男(私の叔父)には別格の贔屓があり、孫に当たる私の弟も長男なため、とても甘いです。
私の結婚に際にご祝儀として包んでくれた金額は、弟(長男)の車の買い替えの際の軍資金の半分以下……。
私の結婚は孫では初めてだったのに、『弟の車に負けたのか…』としばらく落ち込みました」(シャオリン)
友人へのモヤモヤも少なからずありました。
「親友だった人にお金を借りていました。返し終わってから、計算し忘れてたお金があるから追加で返してと言われました…」(s)
「ママ友の結婚祝いと出産祝いのプレゼントを渡しにランチに行きました。
会計時はざっくりとした割り勘で私がキャッシュレス決済で払う流れになり、相手は自分の分を送金して来ましたが、私の方が少し多めの支払い。
その後2件目のカフェでも私がキャッシュレス決済で払う流れになりましたが、その後、ママ友は送金してきません。
お祝いの日なのでそのぐらい良いのですが、『割り勘ね!』と言われたのに違和感…。今後、お祝いをあげるのはやめようかな、と思いました」(NAYU)
「いただいた結婚式のご祝儀が2万円でした。その子の結婚式では3万円渡したのに…。
以前から食事代などを後から渡すと言って結局もらえないので、常識のない子だと思い、距離を置きました。その後も何度も誘いの連絡は来るが、なんとなく流してます」(ぽん)
「とても仲の良い友人にお金を貸したがそのことを忘れられていました。こちらから言って、返してもらいましたが、お互いに腑に落ちない気持ちになった」(かしあ)
今回、聞いたお金のトラブルでは、家族や友人間の話が多く集まりました。
そもそも気をつけておきたいお金のルールや、お金を扱う上での基本的な心構え、人によって価値観の違った際のモヤモヤしないスタンスなどについて、ファイナンシャル・プランナーの菅原直子さんにアドバイスをいただきました。
堅苦しくてもお金の貸し借りは必ず書面に残して
「みなさんの声、そうそう、あるある……と読ませていただきました。
事業者とのお金トラブルは消費生活センターなどの相談窓口がありますが、個人間のモヤモヤはファイナンシャル・プランナーも正式な相談として依頼を受けることはほぼ無いと思います。相談の中での雑談で愚痴をお聞きし、気持ちを吐き出してもらうのがせいぜいでしょう。
親しい人たちとのお金トラブルは、お金に対する価値観・お金との付き合い方が違うことに原因がありそうです。お金を借りたら返すことは互いに知っているはずですが、貸す側はすぐにでも返してほしいと思っているのに、借りた側はゆとりができたら返そうと考えているのかもしれません。
『いつまでに』『どのように』返済するのか、最初に具体的に約束した方がよさそうです。堅苦しいですが、お金の貸し借りは必ず書面に残し、返済についても合意しておきましょう。
『親しき中にも礼儀あり』です。
お祝いなどのモヤモヤは『これくらいはしてもらえる』という期待がはずれたときに感じるものです。
結婚のご祝儀、出産祝いなどは、親族や地域によって、おおよその相場はありますが、絶対的なルールはありません。自分にとっては常識であることが、相手には常識ではないかもしれないのです。わが子の祝い事に実家の両親は常にいろいろ買ってくれるが、義父母は何もしない……のは、悪意があるわけではなく、それが義父母にとって『フツウ』だからなのかもしれません。
モヤモヤしたときは、自分だけの常識にとらわれていないかをチェックしてみて、それでもモヤモヤするなら、疑問は相手に尋ねてみるといいでしょう。
自分の考えを丁寧に伝えるなど、やり取りしてみても納得できなければ、その後の付き合い方を考えればいいのです。
お金のことは口にしないのが礼儀という考え方もありますが、今は学校でもお金のことを学ぶ時代です。大切な人ほど、おそれず、面倒くさがらずに話すようにしてみてください」(菅原直子さん)
「(私の)常識的にはこうなのに…」とモヤモヤするケースも多いようですね。コミュニケーションで解決できるといいのですが、「お金」のことは面と向かって言いにくいというあたりが難しいのだと思います。
(取材・文/橋本真理子、たまひよONLINE編集部)
菅原直子さん
PROFILE
ファイナンシャル・プランナー。外資系生命保険会社の勤務・代理店を経て1997年FP資格取得・独立。わが子の成長にあわせて教育資金関連に注力し、各地の高校で保護者・生徒向けの進学費用に関する講演多数。現在は子育て世帯からの教育費を中心とした家計相談に加え、高齢者や独立しない子どものいる家族のライフプラン相談も。「働けない子どものお金を考える会」「子どもにかけるお金を考える会」メンバー。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。
※記事の内容は2023年5月の情報で、現在と異なる場合があります。