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低出生体重児や早産児の退院後によくある気がかり

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Halfpoint/gettyimages

低出生体重児や早産児のママやパパが、ちょっとしたことで不安になるのは当然のこと。退院後に心配しがちなことを先生にアドバイスをしてもらいました。

退院後の気がかり:その1

低出生体重児や早産児で生まれたことで、とくに気になってしまう気がかりを集めました。

Q 何かあると、小さく生まれたからと不安になります。

A 低出生体重児や早産児の場合は、何かあるとママの頭の中に「小さく生まれた」という事実が浮かんできて、不安になりますね。でも、多くのママが訴える不安は、正期産で生まれた赤ちゃんのママの不安と同じです。「小さく生まれたから?」と頭に浮かんできてしまうのはしかたがないことです。どうしても不安でしたら、診察の機会にかかりつけ医に相談してみましょう。

Q 体が小さいから手足が冷たいのですか?

A 手足が冷たいのは、体が小さいからでは?と心配するママがいますが、露出している赤ちゃんの手足はもともと冷たくなりがちです。胴体を触って冷たくなければ心配はいりません。
ときどき、足が冷たいのが理由で赤ちゃんが不機嫌なことがあります。「なんだか不機嫌で眠らない」というときには、足を触ってみましょう。ママの手で赤ちゃんの足を包むと、ママの体温で赤ちゃんの体が温まり、機嫌がよくなってくることもあります。

Q 低出生体重児や早産児で生まれるとしゃっくりやくしゃみが多いのですか?

A しゃっくり、くしゃみ、おならは赤ちゃんの仕事のようなものです。しゃっくりは横隔膜のけいれんによって起こります。赤ちゃんは横隔膜の上下運動で呼吸をしますが、ちょっとした呼吸の乱れがあると、しゃっくりを起こしやすいのです。小さく生まれたからしゃっくりが多いということはありません。
くしゃみも気温の変化や鼻粘膜へのちょっとした刺激に対して、体の防御反応として出るものですから心配いりません。くしゃみをすると、すぐに風邪をひかせてはいけないと厚着をさせがちですが、かえって汗をかいてしまいます。
また、低出生体重児や早産児で生まれると風邪をひきやすいかとよく聞かれますが、NICUを退院するということは抵抗力もついてきているということなので、過剰に心配しなくて大丈夫です。
「赤ちゃんの鼻が詰まっているので鼻の吸引をしてほしい」という訴えも多いのですが、本当に鼻が詰まっているとおっぱいが飲みにくかったり、寝ているときに苦しそうになります。このような状態でない限りは鼻の吸引は不要です。どうしても心配であれば、こよりを鼻の穴に入れ、コチョコチョと刺激すると、くしゃみが出て鼻詰まりが取れやすくなります。

退院後の気がかり:その2

そのほか、退院して1~2カ月ごろまでに感じやすい心配事を集めました。

Q 寝ているときに、いきんだりうなったりします。

A 睡眠にはレム睡眠と非レム睡眠があり、赤ちゃんはどちらかというと、レム睡眠の割合が多いため、退院後の時期は、うなったりいきんだりしていることがよくあります。また、息づかいが何となく心配という人もいますが、レム睡眠期は少し呼吸が不規則になりがちです。目覚めているときに元気で機嫌がよければ、心配ありません。それでも不安なときは、添い寝をしてあげると、だんだん気にならなくなってくると思います。ただし、添い寝をする際は、赤ちゃんが窒息しないよう、大人と同じ布団をかけない、枕を使わない、シーツがはがれないようにするなど、きちんと安全を確保するようにしましょう。

Q 泣いてばかりいて寝てくれません

A ママの「泣いてばかりいる」と感じるときは、ママの睡眠と赤ちゃんの睡眠が合っていないことがあります。ママが眠いのに赤ちゃんが起きて泣くという場合です。夕方、泣いて困ることが多いので、夕食の用意は4時ごろまでに終わらせて、赤ちゃんが窒息しないよう注意しつつ、添い寝をしてママは体を楽にするといいでしょう。泣いて困るというのは、どのママにも覚えがあることで、低出生体重児や早産児の赤ちゃんに限ったことではありません。昼間、泣いてしかたがない場合は、赤ちゃんを抱っこすると泣きやむでしょう。首がすわったら、おんぶでもいいですよ。

Q うんちが毎日出ないのですが、便秘ですか?

A とても小さく生まれた赤ちゃんの場合、うんちの出が悪いときがあります。生後2週間ぐらいは浣腸(かんちょう)で出すことがありますが、退院のころには自分でうんちが出せるようになっています。便秘というのは、うんちが出るときに苦痛があることで、毎日でないと異常ということではありません。3日に1日がその子のペースなら、それでもかまわないのです。そうはいっても、4~5日出ないと心配になるでしょうから、そのときはかかりつけ医に相談してください。
うんちが出ないときは、赤ちゃんのおなかに「の」の字マッサージをしたり、綿棒やこよりで肛門を刺激すると出てくることがあります。

Q うんちがすっぱいにおいがします。

A 母乳で育っている赤ちゃんのうんちは甘酸っぱいにおいがするのが特徴です。これは母乳栄養の赤ちゃんでは乳酸菌やビフィズス菌が主体で、これらの菌が赤ちゃんのおなかの中で酸をつくり、ばい菌をやっつけるように作用している証拠です。また、母乳のうんちはやわらかいのも特徴。下痢ではと心配する人が多いですが、機嫌がよく、便のにおいがいつもと同じであれば、あまり心配はいりません。

小さく生まれた赤ちゃんに対応した「母子手帳アプリ」も!

修正月齢をもとに赤ちゃんの身長体重を記録するのに、アプリを使用する方法があります。特定非営利活動法人ひまわりの会と、株式会社NTTドコモ提供の「母子健康手帳アプリ」には、「修正月齢に対応できる身長・体重のグラフ」と「低出生体重児向け子育てQ&A」が掲載されています。
「修正月齢のグラフ」は、出産予定日より早く産まれた赤ちゃんが実際に生まれた日ではなく、出産 予定日を基準に発育・発達状況の目安を確認することができるグラフです。また、「低出生体重児向け子育てQ&A」は、小さく生まれた赤ちゃんのママやパパによくある子育ての不安や悩みに対して、専門家が回答しています。
紙の母子手帳にはないアプリならではの便利さがあります。上手に活用して不安な日々の支えにしてみるのもよいでしょう。
 https://www.boshi-techo.com/service/

「退院後の赤ちゃんの体で心配だったこと」体験談

早産児や低出生体重児で生まれた赤ちゃんがNICUを卒業し、自宅に帰ったあと、ママやパパはどんなことが心配だったのか…そして今、すくすく育ったあとの様子を聞きました。

●小さすぎて大きくなれるのか心配に
手のひらに乗るくらいの大きさで生まれ、NICUで6カ月間過ごしました。退院時もまだとても小さく、大きくなれるのか心配に。でも、よく飲みよく食べてくれ、3才過ぎごろから周囲の子に見劣りするほど小さいという印象はなくなり、今もとても元気に育っています。(5才8カ月男の子、出生体重:905g、在胎週数26週3日)
●今も経過観察を継続中です
 退院後も経過観察が必要で、最初は3カ月ごと、今は半年ごとに診てもらっていますが、発育に問題があるか判断できるのは3才ごろだそう。今も小さいけれど、1カ月でこの程度大きくなっていればいいというラインはクリアしているし、最近はよく食べ、よく動きます。(1才8カ月女の子、出生体重:1587g、在胎週数35週3日)
●なかなか歩かないのが心配で相談
発育・発達はゆっくりめ。とくになかなか歩かないのが心配で、フォローアップ外来で相談したところ、歩く時期は個人差が大きいから見守ってとのことでした。2才近くになって歩いたときはうれしかったです。3才になって、正期産の子に成長が追いついたと言われました。(3才4カ月男の子、出生体重:1310g 在胎週数:33週0日)

赤ちゃんのお世話が始まると、日々、ちょっとした心配事がでてきます。低出生体重児や早産児で生まれた赤ちゃんだと、なおのこといろいろなことが心配になりますね。ママが慣れてくると気にならなくなることも多いですが、慣れるまでは、心配事は早めにかかりつけ医に相談するといいですね。(取材・文/東 裕美、ひよこクラブ編集部)

監修/板橋家頭夫先生
昭和大学病院病院長。専門は、小児科学、新生児学。極低出生体重児の成長・栄養管理に詳しく、低出生体重児・早産児の生活習慣病リスクを研究。赤ちゃんや家族の幸せをモットーに診療をされています。

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