「赤ちゃんの温泉デビュー」失敗しないダンドリを旅行のプロが伝授
秋の行楽シーズン、紅葉の見ごろも近づいてくると、家族旅行に行きたくなりますね。「温泉につかって、授乳や抱っこで凝りかたまった体をほぐした~い!」と切望しているママも多いのでは?
実は、アクティブに観光を楽しむのが難しい赤ちゃん期のころこそ、お部屋でゆったりと過ごす温泉旅行がうってつけなんです。赤ちゃんと一緒に初めての温泉旅行を楽しむためのコツを、旅行ジャーナリストの村田和子さんに伺いました。
客室選びがママ・パパの満足度を大きく左右する!
「赤ちゃんとの温泉旅行の場合、近場を選んで交通費を抑えて、そのぶん、宿泊先や客室にコストをかけたほうがいいでしょう。必然的に客室で過ごす時間が長くなるので、“眺望がいい”など、ママ・パパが非日常感を味わえる空間を選ぶのが大切。また、ほかの客室より割高なことも多いですが、温泉つきの客室もおすすめです。まわりの人に気兼ねすることなく好きな時間に入浴を楽しめるので、赤ちゃん中心の普段どおりの生活をしつつも、ママ・パパの満足度が高い旅になります」(村田さん・以下同)
赤ちゃんの温泉デビューは首すわり後からOK!
「赤ちゃんの温泉への入浴は、首がすわり、生活リズムが整ってきたらOK。温泉施設では、公衆浴場に関する条例により、細菌検査等の衛生管理が義務づけられていますが、源泉かけ流しで浴槽が小さいほうが、よりお湯が新鮮です。なので、赤ちゃんが低月齢のころは客室内の温泉が安心。大浴場での入浴は、おすわりが安定する7カ月ごろからが、大人も赤ちゃんも楽しめます。大浴場でママやパパが1人で赤ちゃんを温泉に入れるのが大変!というときは、貸し切り家族ぶろを予約しておくといいですよ」
温泉の泉質、pH値、温度も確認しましょう!
「赤ちゃんの肌はデリケートなので、温泉に入れるときは、泉質やお湯の温度などにも注意が必要です。泉質は、予約のときに宿泊先に問い合わせをすると安心。泉質と合わせて確認したいのが、pH(ペーハー)値。酸性や強酸性の温泉は刺激が強いので避けましょう。お湯の温度は38~40度くらいが目安。ママ・パパの感覚で熱くないなら大丈夫です。つかる時間は長くても5分以内に。半身浴でも十分に温まるので、肩までつかるのは少しの時間でOKです」
最近はベビーバスやバスチェア、ベビー用洗浄料などを浴室に用意するなど、赤ちゃん向けのサービスを充実させている宿もたくさん。多くの宿はネットで予約でき、設備やアメニティー、貸し出し備品などもウェブサイトでチェックできますが、村田さんは「赤ちゃん連れ特有の気になる事柄は直接電話で確認することをおすすめします」とのこと。電話の対応で宿泊先のホスピタリティを確認しておくと、より安心して赤ちゃんの温泉デビューに臨めますね。(撮影/野中麻実子 取材・文/ひよこクラブ編集部)
■監修/村田和子さん
旅行ジャーナリスト。All About旅ガイド。WEB、新聞、雑誌、TVなどで幅広く旅の情報提供を行う。子どもの心身の成長をはぐくむ“旅育”をテーマにした本『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』(日本実業出版社)を出版。
■参考:『ひよこクラブ』2018年9月号「赤ちゃんと“まったり”温泉旅に行こう!」