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妊娠に必要な健康な体づくりって?~プレコンセプションケア~【医師監修】

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忙しいからと疎かにしている食生活、なかなか行けない検診、3日でやめてしまう運動習慣。
そろそろ赤ちゃんを…と妊活をスタートする前に、2人の今の生活を見直してみませんか?
赤ちゃんの健やかな誕生や成長のために、今すぐできる5つの習慣について荒田尚子先生と佐藤雄一先生に教えてもらいました。

赤ちゃんのための「プレコンセプションケア」って?

妊活を始めるとき、未来の赤ちゃんの健康まで考えていますか?
近い将来、親になる2人の体が健康であることが、赤ちゃんの健やかな誕生や成長にはかかせません。
将来の妊娠を見据えた健康管理「プレコンセプションケア」について説明します。

赤ちゃんの将来まで考えた「プレコンセプションケア」が必要な理由

「プレコンセプションケアとは将来の妊娠のための健康管理のこと。妊娠前に、今までの食生活や生活習慣を見直し、健康診断やワクチン接種を積極的に受けることで、健康な赤ちゃんを産み、育ててもらう。WHOも提唱するこの考え方を日本でも広め、実践してもらうために、国立成育医療研究センター内に『プレコンセプションケアセンター』を開設しました。
それから約8年。個人的に『プレコンセプション』という概念は、年を追うごとに、少しずつ認知されている実感を得ていますが、もっと広く知ってほしい思いでいっぱいです。

新型コロナ感染症の拡大から、時代はwithコロナウィルスへと移行。働き方などライフスタイルが大きく変化したことで、以前より2人で話し合う時間や機会も増えたはずです。そんな今こそ、自分たちの生活習慣を見直す絶好のチャンス。プレコンセプションケアは、妊娠・出産がゴールではなく、赤ちゃんの将来の健康まで影響を与える長期的な取り組みです。妊娠前の早いうちから2人の生活習慣を改善することで、赤ちゃんの未来がきっと明るく変わります」(荒田先生)

プレコンセプションケアとは…

プレコンセプションケア
※WHO(世界保健機関)のサイトから引用・改変

プレコンセプションとは受胎の意味で、その前(プレ)の状態。つまり、プレコンセプションケアとは、妊娠前の女性やカップルの健康状態を向上させることです。
早いうちから生活習慣などを改善することで、妊娠・出産はもちろん、赤ちゃんの長期的な健康増進にも役立つと、WHO(世界保健機関)も提唱しています。

*画像クリックで拡大

※このチェックシートは、国立研究開発法人 国立成育医療研究センターの下で男女別に作成されたものです。できていない項目をチェックして改善を心がけましょう。

5つのプレコンアクションができる「プレコンノート」も

プレコンセプションのポイントを学びながら、5つの「プレコンAction」を起こす準備ができるプレコンノート(国立成育医療研究センター)
●WEBサイトからダウンロードができます ▶︎「プレコンノート」で検索を
【Action1】いまの自分を知ろう
【Action2】生活を整えよう
【Action3】検査やワクチンを受けよう
【Action4】かかりつけ医を持とう
【Action5】人生をデザインしよう

食事で妊娠しやすい体をつくるには?

毎日食べているものが血や筋肉をつくり、体を維持し、やがて生まれてくる赤ちゃんの体をつくります。自分たちはもちろん、未来の赤ちゃんが健康的に過ごせるかどうかは、あなたとパートナー、2人の毎日の食生活が決め手のひとつとなります。

あなたと赤ちゃんの体は、毎日食べているものと食べ方で作られています

「まず下記の統計グラフをご覧ください。20代女性の栄養状態は、戦後(1950年ごろ)の食糧不足時代より悪いのが見てとれます。これでは妊娠、出産というより、本人の健康状態が心配になるほど、危機的な状況です」と危惧するのは、『美しいカラダは産めるカラダ』を提唱する佐藤先生です。
栄養不足のままでは不妊や貧血、早産、流産など、さまざまなリスクを増大させるばかり。

「さらに、やせすぎの女性は妊娠しにくいだけでなく、低出生体重児(2500g未満)を出産する割合が高いことがわかっています。低出生体重児は将来的に、糖尿病など生活習慣病を発症しやすいこともわかってきました。
健康的に妊娠、出産、子育てを行うために、そして子どもが健康で生涯過ごせるように、今の自分たちの食生活を見直すことから始めましょう」

20代女性のエネルギー摂取量の変化

*画像クリックで拡大

成人女性の場合、1日に必要なエネルギー摂取量は1900~2000kcalですが、2010年以降、1600kcal以下に落ち込んでいる年も。これは戦後昭和の食料不足時代よりも栄養状態が悪く、危機的な状況です。
1日3食、栄養バランスを考えた食事を意識することが大切です。

体をつくる基本の栄養素、 動物性と植物性のタンパク質は1日3食バランスよく摂取

「骨や血管、内臓、皮膚、爪に至るまで、体づくりの材料となるのがタンパク質。妊活中は、タンパク質を意識した食事が、なにより重要です」(佐藤先生)
1日に肉と魚をそれぞれ約100g(手のひら大)、牛乳やヨーグルト約200㎖、豆腐約3分の1丁、卵1個を目安に食べると、動物性と植物性タンパク質の両方が摂取できます。

●タンパク質を多く含む食品:牛赤身肉、鶏むね肉、アジ、カツオ、卵、牛乳、豆腐、納豆、チーズなど

脳と体の動きを活性化させ、体内時計を整える。朝食は炭水化物を意識

「朝食には就寝中に消費したエネルギーを補い、脳と体を活性化させる役割があります。朝食を抜くと、集中力が低下するほか、体内時計のリズムも乱れてしまいます。また、朝食ではご飯やパンなどの炭水化物をしっかりとりましょう」(佐藤先生)
炭水化物は体内でブドウ糖に分解され、脳や神経組織などのエネルギー源としての役割を担っています。ただし、炭水化物の過剰摂取は肥満などの原因になるので、夕食では摂取を控えめに。

「いただきます」のあとは食物繊維からが鉄則。食べる順番で体が変わる

「血糖値が高い=血液中に糖が多い状態が続くと、妊娠体質を妨げるだけでなく、健康にもさまざまな影響を与えます。食事はご飯などの炭水化物から食べ始めると血糖値が急上昇するので、食物繊維から食べて、血糖値の上昇を緩やかにすることが大切です」(佐藤先生)

●食べる順番:
①食物繊維(野菜や海藻などのサブおかず)
②タンパク質(肉や魚などのメインおかず)
③炭水化物(ご飯やパンなどの主食)

白いものほど糖質が高い! 茶色いパンや玄米で、血糖値を適切にコントロール

「白米やパンなど、白く精製されたものほどGI値(糖質)が高く、過剰に摂取すると卵巣機能の低下を招く可能性があるといわれています」(佐藤先生)
先生によると、妊活中はGI値60以下の食材を選ぶのが目安だそう。ちなみに白米のGI値は100gあたり84に対し、玄米は55なので、白より茶色をセレクトするよう心がけて!

●低GI値の食品:全粒粉のパンやパスタ、オートミール、そばなど●高GI値の食品:食パン、もち、うどんなど

■妊活中から心がけたい食生活のチェックポイント
□タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素を意識してとる
□1日3食、さまざまな食材を取り入れる工夫を
□食べるときは、ゆっくりとよくかんで食べる
□夜遅い時間に食事をとらない、スナック菓子などを食べすぎない
□「○○だけを食べる」「□□は絶対食べない」など、極端な食事法やダイエットはNG

妊活中の栄養・食事のレシピを見る

卵子と精子の質を高める栄養と生活習慣とは?

「日々診察をしていると、若い女性の妊娠力が低くなっていることに気づきます。実年齢よりも体の中の老化が進んでいるのでは…と、考えざるを得ません」(佐藤先生)
卵巣機能や生殖機能などの衰えは、食生活や生活習慣による影響が大きいそうなので、一度、今の暮らしを総点検する必要があるようです。
「とくに、体内の活性酸素を増やし、体の老化スピードを加速させるのが、喫煙や飲酒、ストレスの3大悪です。そのほかに、糖質のとりすぎや摂取する油の種類なども体の老化を招く要因です」(佐藤先生)

若々しい体はもちろん、卵巣機能や生殖機能を衰えさせないために、意識したいことを教えてもらいました。
改善するなら、妊活中の今こそがチャンスです。

卵子の質がアップするビタミンDのパワーの源は、食事と日光を浴びること

「ビタミンDが卵子の質に関係し、受精卵の着床率を上げることが報告されていますが、逆にビタミン値が低いと卵巣年齢を測るAMH(抗ミュラー管ホルモン)値が低下するといわれています」(佐藤先生)
食事以外にも、毎日20分程度、日光を浴びると体内でもつくられます。

●ビタミンDを多く含む食品:イワシ(丸干し)、ブリ、紅鮭、干ししいたけなど。摂取の目安量は1日あたり5.5μg。紅鮭1切れ(80g)で25.6μg含まれています

女性ホルモンの生成や、精子の運動量に関わる亜鉛の摂取を意識的に!

「亜鉛は男性の精子をつくる上で欠かせない栄養素ですが、ふだんの食生活ではなかなか摂取しにくい食品なので、サプリメントの活用も一案です」(佐藤先生)
男性だけでなく、女性にとっても受精卵の細胞分裂や着床に関わるホルモンの合成をサポートする重要な栄養素。カップルで積極的な摂取を心がけましょう。

●亜鉛を多く含む食品:カキ、鶏レバー、豚レバー、煮干し、高野豆腐、卵、牛乳など

劣化やダメージを防ぐ抗酸化・抗糖化・抗炎症。3つの抗を意識して

「体の『酸化』や『糖化』や『炎症』は、卵巣機能の低下を招き、男性なら生殖細胞や生殖機能にダメージを与える可能性が高いので注意しましょう」(佐藤先生)
とくに、糖質の過剰摂取は、不安感やイライラ、体の冷えにつながるので要注意です。

抗酸化

喫煙や飲酒などは体の酸化を招き、卵巣機能が低下する要因に。大豆イソフラボンなどを含む、抗酸化食品を取り入れて。

抗炎症

亜麻仁油などオメガ3系脂肪酸は、不妊の原因にもなる子宮内膜症の発症を抑制し、無排卵リスクを軽減する報告も。

抗糖化

糖質が高い食品をとりすぎると、AGEs(体内の老化物質)が蓄積して老化が進行。卵子の劣化を招くことも。

アルコールとカフェインはほどほどに。ただし、喫煙は絶対にNG!

「アルコールやコーヒーなどのカフェイン飲料は、ストレス解消にもひと役を買っているので、ほどほどに摂取する分には問題ありません。
ただ、過剰なアルコール摂取は、男性の場合、精子の質や動きに影響を与えるので注意してください。そして、喫煙は血流障害を招くので、妊娠を望むなら、まず禁煙することが大事です」(佐藤先生)
ノンアルコールやノンカフェインの飲料を上手に活用するのも一案です。

砂糖入り清涼飲料水より、水や無調整の乳飲料が 排卵障害のリスクを下げます

「ほとんどの炭酸飲料や缶コーヒーなどの清涼飲料水には、砂糖が大量に入っています。糖分をとりすぎると血糖値が上がり、それによってホルモンバランスが乱れ、排卵障害の原因にもなるので注意してください」(佐藤先生)
WHOによると、1日の砂糖の摂取量は25gが目安といわれていますが、清涼飲料水のなかには500㎖に60g近い糖分が含まれているものも!できるだけ、水や無調整の乳飲料に替えることをおすすめします。

男性も必要? 葉酸の上手なとり方を知ろう

葉酸は妊娠から授乳期まで女性に必要な栄養素だと、なんとなくわかっているけれど、詳しいことまでよくわからない…。そんな人のために、今回は上手な葉酸のとり方を知っておくと便利。
女性だけじゃなく、男性にも必要な栄養素だということが見えてきます。

必要性がわかっていても、まだまだ摂取量が不足しがちな栄養素です

葉酸はビタミンB群の一つで、受精卵の細胞分裂や成長、DNAの形成に不可欠な栄養素です。
妊娠、出産、授乳期の葉酸摂取の必要性は、広く認知されてきていますが、それでもまだ摂取量が不足していると、佐藤先生は言います。

「とくに妊娠前から妊娠初期に葉酸が不足していると、胎児の『神経管閉鎖障害』という先天異常のリスクが高まります。妊娠がわかってからの摂取では遅いので、妊活中の今から葉酸を積極的に摂取する習慣が必要です」。
さらに、最近の研究では、男性の精子生成においても葉酸が重要な栄養素だとわかってきたそうです。
「葉酸は食生活での摂取に加え、妊活中から授乳期の女性に対して、サプリメントでの摂取を厚生労働省も推奨しているので、ぜひ習慣にしてください」。

厚生労働省が推奨! 妊活中の摂取量は1日あたり食事から240μg+サプリメント400μg

厚生労働省の食事摂取基準では1日あたり、食品から240μg(アボカド約1.5個分)が推奨摂取量です。
それに加え、妊活中の女性はサプリメントなどから400μgの摂取を推奨。
「妊娠初期でも、胎児の発育には葉酸が必要なので、今から十分な摂取を心がけましょう」(佐藤先生)

●葉酸を多く含む食品:ブロッコリー、芽キャベツ、ほうれん草、アボカド、さつまいも、枝豆、干ししいたけ、焼きのり、キヌア、せん茶、抹茶など

葉酸には「天然葉酸」と「合成葉酸(モノグルタミン酸型)」の2つを理解して摂取を

葉酸には食材に含まれる天然葉酸(食事性葉酸)と、サプリメントなどに含まれている「合成葉酸(モノグルタミン酸型葉酸)」の2種類があります。

「食材からとる天然葉酸には摂取の上限量がありませんが、モノグルタミン酸型葉酸は、1日の上限量が900〜1000μgとされているので注意が必要です」(佐藤先生)
また、天然葉酸が含まれた食材は、ゆでるなどの調理工程で、水に溶け出して葉酸量が減ってしまうので、電子レンジ調理などを活用するといいでしょう。

葉酸単体だけじゃダメ!葉酸の代謝をアップさせる 5つの栄養素に注目!

「葉酸だけを意識的に摂取しても、単体では十分に作用しません。葉酸の働きをサポートするビタミン類や亜鉛と一緒に摂取するようにしましょう」(佐藤先生)

葉酸の吸収と代謝には、下記の5つの栄養素を同時に摂取すると、体内でうまく働くそうです。
妊娠中期から後期には、通常量の2倍以上が必要になるという葉酸。妊活中の今からしっかり摂取するのははもちろん、5つの栄養素と一緒にとる習慣を身につけましょう。

■葉酸の代謝をアップ! 葉酸の働きをサポートする5つの栄養素
□ビタミンB2…エネルギー代謝に関わる栄養素で、葉酸の代謝にも欠かせない
□ビタミンB6…葉酸をはじめ、タンパク質の代謝にも深く関わる栄養素
□ビタミンB12…代謝過程の最終段階で、葉酸の再生成にかかわる酵素をサポート
□ビタミンC…生体内で活性化された葉酸を維持するために欠かせない栄養素
□亜鉛…葉酸を体内に取り込むために必要な酵素の働きをサポート

必要なのは女性だけじゃない! 2人のコンディションを整える葉酸はサプリメントを上手に活用

「最近の研究では、葉酸は男性のコンディションにもよい影響を与えることがわかってきました。女性はもちろん、妊活中は2人で積極的に、食事とサプリメントで葉酸を摂取することを心がけましょう」(佐藤先生)

各社から発売されているサプリメントは、葉酸をメインにふだんの食生活で不足しがちな栄養素をプラスしたものが主流です。2人で一緒に始めれば、飲み忘れることもなく、長続きすることでしょう。

2人の体重管理と健康管理を総チェック!

「近い将来の妊娠・出産に備えるために、適正体重を保ちながら、適度な筋力を備えることが大切です。見た目にこだわって自己流ダイエットを繰り返したり、必要以上に食べて太るのは、どちらも妊娠中や出産時のリスクが高まります」と佐藤先生。

さらに、妊活をスタートするにあたっては、健康状態を調べる「健診」、特定の病気を早期発見するための「検診」、妊娠前に受けておきたい「予防接種」をパートナーとともに受けておくことが重要だとも強調します。

「妊娠前の健康状態を向上させる、プレコンセプションを今一度チェックし、自分たちの体の状態を知ることが重要です。忙しいなんて理由になりません。健康な体があってこその妊娠、出産です」(佐藤先生)

女性のやせすぎや筋肉不足は、出産時のリスクが増大。子どもの健康まで脅かします

「女性のやせすぎは、低出生体重児が生まれるリスクが高まり、さらに、生まれた子の将来の健康まで脅かします」と、警鐘を鳴らす佐藤先生。

見た目のスリムさよりも、子どもの将来の健康まで考えた適正な体重管理が必要です。注目すべき点は体重の数字ではなく、体重に対する脂肪の割合(体脂肪率)や推定骨量、そして筋肉量。
「体組成計つきの体重計でチェックすると、管理しやすいでしょう」(佐藤先生)

妊娠してからでは遅い! 妊活中の今こそ受けておきたい検診と予防接種はこれ!

「妊娠を望むなら、まず自分たちの体の状態を知ることが大切です。カップルで、医療機関での検診や予防接種をすませておくことをおすすめします」(佐藤先生)
妊娠前の今、受けておきたい検診と予防接種の一覧は下記の表のとおり。
なかでも、乳がんや子宮頸がんなどは若年層でも増加傾向にあるので、早めに検診しておくと安心です。

■<男女共通>妊娠前に受けておくべき予防接種(抗体検査と予防接種)
□麻疹(はしか)
□風疹(ふうしん)
□水痘(水ぼうそう)
□流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
□百日ぜき
□B型肝炎
□インフルエンザ

■<男性>妊娠前に受けておくべき検診
□精液検査(精子の数や運動率)
□精巣超音波検査
□クラミジアや淋菌などの性感染症検査
□B型肝炎・C型肝炎
□梅毒検査
□HIV検査
□歯科(ムシ歯治療)

■<女性>妊娠前に受けておくべき検診
□内科検診(体組成、血圧、尿、血液、心電図、胸部レントゲンなど)
□子宮頸がん検診
□性感染症検査(肝炎、梅毒、HIV、クラミジア、淋菌など)
□乳がん検診(マンモグラフィー)
□トキソプラズマ
□先天性サイトメガロウイルス感染症
□甲状腺機能
□膠原病
□歯科(ムシ歯治療)

男性のやせすぎは、精子の数や運動量などに影響を及ぼす可能性が!

「海外の研究によると、やせすぎの男性は精子の数が少なく、その運動率も低下しているという報告があります」(佐藤先生)
とくに筋肉量が少ないやせ型男性は、血行不良にも陥りやすく、その結果、生殖機能に影響を与えてしまうそうです。タンパク質を意識した規則正しい食生活と、筋トレなどの運動を心がけることが必要です。
なかなか太ることができない男性も、筋肉量を増やすことで健康な体づくりがめざせます。

30〜50代の男性は要注意! 胎児への感染を防ぐためにも、風疹の予防接種を!

「女性は妊娠20週以前に風疹にかかると胎児が感染し、難聴や白内障、先天性心疾患などのリスクが高まります。妊娠中は風疹の予防接種が受けられないので、パートナーと自分のワクチン接種履歴を確認しましょう」(佐藤先生)
ワクチン接種は生涯で2回必要で、2000年4月2日以降に生まれた人は2回接種を受けていますが、それ以前に生まれた人は接種していない、または2回めの接種率が低い可能性があるのでかならず確認を!

妊娠しやすい体づくりについての記事を読む

妊娠しやすさの目安にもなるBMI値を把握して、適正体重をキープしましょう

BMI(Body Mass Index)とは体格指数のことで、体重と身長のバランスから肥満度を測る国際的な基準です。
「BMI値は22前後をキープすることが目安です。また、妊娠や出産で必要なのは適正な筋肉量。筋肉を鍛えることで成長ホルモンの分泌を促し、同時に性機能も高まるという研究結果もあるほどです。
日ごろから適度な運動を心がけ、男女ともに筋肉量を増やして、健康的な体型を維持しましょう」(佐藤先生)

●BMIの算出法と数値の見方
BMI=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}

※体重75㎏、身長1.6m(160㎝)の人の肥満指数(BMI)は75÷{1.6×1.6}=29.3(BMI)

BMI値30以上の太りすぎは、妊娠中の妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病のリスクが

「日本肥満学会によると、BMI値が25以上は肥満に該当し、女性の場合、出産時に帝王切開になったり、早産になるリスクが高まります。さらにBMI値が30以上になると、排卵障害が多いこともわかっています」(佐藤先生)
ほかにも、妊娠中に妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などにかかりやすいのは、BMI値25以上の女性に多いそう。妊活中の今のうちに食事内容を見直し、適度な運動を習慣にするなどで、適正なBMI値に近づけましょう。

BMI(肥満指数)による肥満判定基準
BMI(肥満指数)による肥満判定基準

日常に運動習慣を取り入れよう

「健康な体づくりのために、運動習慣は欠かせません。できれば、食後すぐに軽い有酸素運動を行うと、血糖値の上昇を抑え、太りにくい体になります。運動後には疲労回復効果のあるビタミンCを摂取するといいでしょう」と佐藤先生。

また、筋力アップを狙うなら、スクワットなどの無酸素運動がおすすめだそうです。
「人の筋肉の約7割は下半身にあるので、下半身を鍛えることで、効率的に筋肉量を増やすことができます」。2人で一緒に、さっそく今日から始めてみませんか。

ハードな運動はNG! ウォーキングなどの有酸素運動で基礎代謝のよい体づくりを

「近い将来に訪れる妊娠、出産、そして子育てのためにも、健康な体を維持することはとても大切です。なかなか運動できないという人なら、まずはウォーキングなど軽めの運動から始めてみましょう」(佐藤先生)

筋肉に負荷をかけるジョギングなどハードな運動より、有酸素運動のウォーキングはとても効果的だそう。
1日20〜30分を目標に歩くことを続けるだけで、持久力もアップし、ストレス解消にも役立ちます。

朝晩の習慣にしやすいストレッチやヨガなどを2人一緒にスタート!

「適度な運動を習慣に…といっても、なかなか実践できない人が多いですよね。それなら2人で一緒にできるストレッチやヨガなどを朝の起床後や就寝前の習慣として取り入れてはいかがでしょう」(佐藤先生)

何もしないと筋肉量は減るばかり。深呼吸をしながら、体に適度な負荷をかける有酸素運動のヨガ。また、筋肉の緊張状態をほぐして、体の柔軟性を高めるストレッチやスクワットなどを取り入れて、筋肉量の増加をめざしましょう。

監修/荒田尚子先生
監修/佐藤雄一先生
撮影/大森忠明 スタイリスト/シダテルミ ヘア・メイク/榊美奈子 モデル/谷内咲季
構成・文/飯田由美(BEAM)

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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