赤ちゃんの五感の発達とコミュニケーション【小児科医監修】
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「おなかの中にいる赤ちゃんには、どう働きかければいい?」「生まれてきた赤ちゃんに、何をしてあげればいい?」
おなかの中の赤ちゃんのことはよくわからないですし、出産後も赤ちゃんとの関わり方を不安に思うのは、自然なことです。
そこで、産前産後の赤ちゃんとのコミュニケーションについて、小児科医の榊原洋一先生にお話を伺いました。
おなかの赤ちゃんの「五感」はどう育つ?
耳は聞こえていて、触れると反応を示すことも
赤ちゃんの五感が胎内でいつどのように発達するのか、正確なことはあまり解明されていません。ただ、実験などからわかっていることがいくつかあります。
たとえば、おなかの赤ちゃんに声をかけるとその方向に体を動かすことから、音は聞こえていると考えられます。胎内ではこもったような音で聞こえているはずですが、生まれるまでに聴覚はかなり完成された状態になるといわれています。
超音波検査では、おなかを押すと赤ちゃんの動きが変化したり、自分の体をさわっている様子が見られます。これらは一種の「触覚」と考えられます。ただ、ものにさわって冷たいとか、表面がザラザラしているといった感覚は、生まれてから経験によって学んでいくものです。
生まれたときから好き嫌いがある?
胎児は生まれるまでママの羊水を飲んでいます。味の経験はないはずですが、舌の感覚はあり、舌の表面がその経験を覚えているのです。
赤ちゃんは生まれたときから味の好き嫌いが決まっていて、甘いものは好き、苦い・酸っぱいものは嫌いなど同じ反応を示します。嫌いなものは生後すぐから顔をしかめて拒絶しますが、母乳は受け入れます。これは、羊水と初乳(産後1週間頃までの初期の母乳)の味が似ているからではないかともいわれています。
妊娠中から赤ちゃんとのコミュニケーションを
このように、赤ちゃんは胎内でもさまざまなことを感じる機能が進化しています。おなかにさわったり声をかけたりすると、反応を示してくれることも。親子の絆を実感するためにも、妊娠中から赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しんでみましょう。
生まれてすぐの赤ちゃんに、やるべきことは3つ
おなかの中にいるときは酸素も栄養もママからもらっていた赤ちゃん。でも、生まれてからは、自分で呼吸をしたり、エネルギーを作ったりしなければいけません。
生まれてすぐの赤ちゃんは、外の世界に適応するために必死に生きています。この時期の赤ちゃんに必要なことは、とてもシンプル。
1 栄養補給
2 体温を保つための保温
3 清潔な状態を保つ
大切なのはこの3つです。「オムツを替えようね」「おなかがすいたのね、よしよし」といったお世話を中心とした関わりや声かけが、赤ちゃんにとってはいちばんうれしいコミュニケーションなのです。
生後2〜3カ月からはどう関わればいい?
ママやパパにできることは、体験を豊かにしてあげること
オムツ替えや寝かしつけなどのお世話はどの家庭でもそう変わるものではありません。ただ、与える玩具や絵本、声かけなどは家庭によって異なり、その分赤ちゃんの興味や関心も違ってきます。ママやパパの関わり方で赤ちゃんの経験値が変わってくる、それが子育てのおもしろいところなのです。ママやパパが赤ちゃんにどんなものを与えたいかを考え、経験を豊かにしてあげることがお子さんのよりよい発達や個性の芽生えにつながります。
おもちゃや音楽で親子の愛着関係も深まる
赤ちゃんの経験値を増やすために、どんなことを心がければいいのでしょうか。それは、例えば歌を聞かせたり、真っ赤なおもちゃなど家の中にない色を見せたり、さまざまな感触を確かめられる道具を与えたりすることです。つまり、赤ちゃんが自分からは触れられない体験を用意してあげることです。
歌やおもちゃによって喜ぶ姿を目の当たりにすることで、ママやパパ自身も赤ちゃんとの絆を実感できるので、子育てへの自信や楽しみにもつながるでしょう。
月齢に合った遊びで経験の幅を広げる〈こどもちゃれんじbaby〉
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監修: 榊原洋一先生
Profile
東京大学医学部卒。お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター教授を経て、同名誉教授。チャイルドリサーチネット所長・発達障害研究の第一人者であり、現在も子どもの発達に関する診察、診断、診療を行う。「子どもの発達障害 誤診の危機」(ポプラ社)など、発達障害に関する著書多数。
文/井上裕子(Cue’s Inc.)
取材協力/こどもちゃれんじ