自己判断はNG!赤ちゃんと幼児の薬の誤飲Q&A【薬剤師解説】
赤ちゃんや小さな子どもは、少し目を離した隙に危険なものを口に入れてしまうことがしばしばあります。薬も例外ではありません。
今回は、もしも子どもが誤飲してしまった場合、どのように対応すればいいのかをご紹介します。
子どもの誤飲Q&A
まずは、子どもが薬などを誤飲してしまった場合にどうすればいいのかを、Q&A形式でみていきましょう。
Q.子どもが薬を誤飲してしまったときはどうすればいいですか?
もしも、子どもが薬を誤飲してしまった場合は、まず何を誤飲したのかを特定しましょう。
誤飲した内容や量によっては、必ずしも吐くことが正解ではありません。窒息の危険はないかを確認し、何をどの程度飲んでしまったのかを把握してください。
飲み込んだものによって、自宅で経過をみて良いもの、緊急を要するものに分かれます。正確なトラブルの情報をいち早く医療スタッフへ伝達するように心がけてください。
Q.病院を受診するときに伝えるべきことは?
子どもの誤飲で病院を受診する際には、「いつ、何を、どのくらい」誤飲してしまったのかを正確に伝えてください。
飲み込んでしまった薬剤の名前や、子どもの状態、年齢は必ず伝えなければならない情報です。もし、パニックになってしまったら、飲み込んだ薬のシートや現物をそのまま持って受診してください。
何をどれくらい飲んでしまったか分からないときは、可能性がある薬の情報(お薬手帳や薬剤情報提供書など)を持って行きましょう。
また、子どもがぐったりしている、下痢をしている、呼吸がおかしいなど、いつもと違うことがあればそれらも伝えてください。スマートフォンで、誤飲当時の状況や子どもの様子を撮っておくのも良いでしょう。
子どもの誤飲を防ぐ! 薬の管理方法
子どもは、予想もしない行動をとることがあります。しっかり管理していたつもりでも、危険を招くことが考えられます。
しかし、誤飲は保護者がしっかり注意すれば予防できることもあります。ここでは、誤飲を防ぐためのいくつかのポイントをご紹介します。
薬は子どもの手の届かない場所に置く
小さな子どもでも、生後半年を過ぎたくらいから物を何でも掴み、口に入れようとします。
「薬や危険物などは少し高めの場所に置いたつもり」でも、踏み台などを使って子どもが取ってしまうこともあるでしょう。
そのため、踏み台や足場を使っても取れないような場所にしまうか、もし手が届いても鍵がかかっていて取り出せない状態にしておきましょう。
お菓子のケースや空き箱などの再利用はしない
お菓子の空き箱などに薬をしまっておくと、子どもがお菓子と間違えて食べてしまうことがあります。
誤解されるような行為は避け、薬などは子どもの気を引かないようなところにしまいましょう。
薬を飲んでいる姿を子どもに見られないようにする
子どもは、成長するにつれて大人のまねをしたがり、なんでも興味を持ってきます。そのため、服薬シーンを見せてしまうと、まねをするかもしれません。
子どもの興味や関心を引かないように、薬を飲んでいるところは見せないように気をつけましょう。
もしものときには冷静に対応しましょう
万が一、誤飲をしてしまったら、相談できる機関があります。
そのときは、手元に誤飲したものや薬剤の情報を用意し、誤飲したときの状況や子どもの様子、年齢・性別、体重などを速やかに伝えてください。
小児救急電話相談では、夜間や休日の子どもの急な病気や、対応に困った場合に医師や看護師のアドバイスを受けることができます。
小児救急電話相談:#8000
#8000を押すと、お住まいの都道府県の相談窓口に転送され、症状に応じた対処法や受診する病院の情報などの相談ができます。
また、日本中毒情報センターでは、中毒情報のプロフェッショナルが、家庭での誤飲や化学物質の中毒に関する相談に乗ってくれます。
日本中毒情報センター:
大阪:072-727-2499(365日24時間対応)
つくば:029-852-9999(365日午前9時〜午後21時対応)
実際に事故が発生している場合は、薬剤師などのアドバイスを受けることができます。
これらの相談機関があることを日頃から知っておき、いざというときに慌てずに、早急に対応できるように備えておきましょう。
参考URL:https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html
https://www.j-poison-ic.jp/
PROFILE
薬剤師 相田 彩
薬剤師。昭和薬科大学薬学科卒業。
総合リハビリテーション病院、精神科専門病院、調剤薬局に勤務するなかで、漢方薬が使用される症例の多さと、体質や症状に適した漢方を使用することの重要性を実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。
https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211332f2tmhy00010004