無駄なサプリを飲んでいませんか?正しい「サプリメント」選びと注意点【薬剤師が解説】
「ママになっても、いつだって美しく健康でいたい!」
でも、育児や家事に追われて美容と健康の維持が難しいと感じる人も多いのではないでしょうか。
そこで、手軽に美容と健康をサポートできる「サプリメント」の正しい選び方や注意点についてお伝えします。
サプリメントとは?
健康維持に役立つサプリメントは、「医薬品」とは異なり「健康食品」として扱われます。
主にからだに必要な栄養素を補う「ベースサプリメント」、美容と健康をサポートする「ヘルスサプリメント」、そして健康の向上にアプローチする「オプショナルサプリメント」の3種類に分類されます。(※1)
規則正しい時間に栄養バランスのとれた食事を摂ることが基本ですが、 日常の食事だけでは不足しがちな栄養素を補うには、サプリメントを活用するのも有効です。
本当に必要なサプリメントの選び方
ここでは、多くのなかから自分に必要なサプリメントを選ぶ際のポイントを4つお伝えします。
●自分にとって不足している栄養素を知る
食事だけでは不足しがちな栄養素は、サプリメントで補うことも有効です。
たとえば、普段の食事でフルーツや生野菜をあまり食べない人はビタミン系を、貧血気味の人は鉄分のサプリメントを服用することで、不足しがちな栄養素を補えます。
●成分や目的をチェックする
サプリメントの購入はパッケージの表側の情報だけで決めずに、裏側の成分や目的、企業名などもしっかり確認しましょう。
通販などで容易に手に入れられるため、違法な成分が含まれている場合もあります。企業名や製品名がきちんと公開されている商品を、価格も含め検討してみましょう。迷ったときは、医師や薬剤師に相談するのが安心です。
● 継続して服用可能かを検討する
サプリメントは不足しがちな栄養素を補うため、継続的に適切な量を服用する必要があります。服用しやすい形状か、継続して購入できそうな価格かなどを確認することが大事です。
ただし、サプリメントの服用でからだに異常が出た場合は、直ちに利用を中止し、医師に相談してください。
●服用可のサプリメントであるか確認する
服用前に、そのサプリメントが自分のからだに適しているか必ず確認しましょう。一部のサプリメントは、妊娠中や授乳中、持病のある人には適さない場合があります。
間違った服用方法は、健康に悪影響を与える可能性があるため注意が必要です。
自分の食事バランスをチェック
食事バランスが偏っていないか、不安に思うことはありませんか? 食事バランスを整えることは、健康的な生活をおくるうえで非常に重要です。
以下は、農林水産省が提供している「食事バランスガイド」の大人用と子ども用のチェックシートです。
農林水産省は「「食事バランスガイド」を使って料理グループごとに分類することで、どんな食品を食べたのか、また、どんな働きのある栄養を、どれだけ摂取できているのかを、消費者自身で知ることができます」としています。(※2)
まずは、自分の食事バランスをチェックしてみましょう。
【食事バランスガイド】
・大人用:https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/pdf/check_book.pdf
・子ども用:https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/sheet/clg1.html
食事や栄養バランスをチェックできるサイトやアプリにはさまざまな種類がありますので、使いやすいものを活用してくださいね。
共働きや子育て、家事などで一生懸命のなか、栄養バランスが完璧な食事を作るのはなかなか大変です。以下におすすめのサプリメントを紹介しますので、ぜひ活用してみてください。
薬剤師が選ぶ【目的別】おすすめのサプリメント
【栄養サポート】
ネイチャーメイド スーパーマルチビタミン&ミネラル(大塚製薬)
仕事や子育てで忙しく毎日バランスのいい食事を用意するのが難しいママには、数種類のビタミン成分を1錠にバランスよく配合した「スーパーマルチビタミン&ミネラル」がおすすめです。1日の服用目安が1錠でお手軽なうえ、たっぷり120錠入りの内容量で、コスパも良好です。
【美肌サポート】
ビタミンCパルミテート(伊藤忠商事)
紫外線が降り注ぐなか子どもと公園で遊ぶのは、肌へのダメージが心配。そんなママには、シミやそばかすを抑え、肌荒れや風邪、疲労にも効果的な「ビタミンCパルミテート」がおすすめです。
一般的なビタミンCは水溶性で1日に数回服用する必要がありますが、このサプリメントは、脂溶性のビタミンC誘導体です。
そのため、長時間体内にとどまり、効果が持続しやすい特徴があります。サッと溶けるレモン味の粒タイプなので、錠剤が苦手な人でも簡単に服用できます。
【ダイエットサポート】
ニュースリム(DHC)
ウエストが気になり始めたけれど、運動する時間を確保するのが難しいママには、「ニュースリム」がおすすめです。
肥満のもととなる糖、脂肪、塩分や水分の吸収を抑えて効率的にダイエットをサポートする働きがあります。また、肌荒れや口内炎などに効くビタミンB1、B2、B6も配合されているので、ダイエットだけでなく美容にも役立つサプリメントです。
【睡眠サポート】
睡眠サポート & 疲労感ケア(FANCL)
寝起きから疲れを感じてしまうママには、「睡眠&疲労感ケア」がおすすめです。このサプリメントは、翌日に疲れを持ち越さないために、睡眠の質を高め、起床時の疲労感を軽減することが報告されています。ぐっすり眠って、元気に1日をスタートしましょう。
サプリメントの服用で気をつけることは?
ここでは、サプリメント服用時に気をつけるポイントを紹介します。
●薬を服用している場合は、自己判断でのサプリメントの服用は避ける
サプリメントと薬の併用は、意図しない副作用を引き起こす可能性があるため、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
● 使用量の目安に注意する
成分によっては、アレルギーや薬剤性の肝障害などを引き起こすリスクがあります。また、期待して過剰摂取するのは正しい効果を得られない可能性もあるため、気をつけましょう。
●最適な服用タイミングを把握する
<水溶性ビタミン:ビタミンB群、ビタミンC>
水溶性ビタミンのビタミンB群やCは、食後の消化・吸収時に服用することで、成分の吸収率が高まります。そのため、1日2〜3回、食後に服用することが推奨されています。(※3)
<脂溶性ビタミン:ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK>
脂溶性ビタミンのビタミンAやD、E、Kは、食事由来の油分が成分の吸収率をアップさせるため、油分を含んだ食事の後に服用することが効果的です。これらの栄養素は体内に蓄積されやすいため、1日1回服用するといいでしょう。(※4)
<アミノ酸>
アミノ酸には、筋肉を強化したり疲れを回復させたり、良質な睡眠をもたらしたりするなど、さまざまな効果があります。
目的に応じて適切なタイミングで服用するのが効果的です。筋肉の強化や疲労回復には、筋肉を修復している運動後が最適です。良質な睡眠を手に入れたい人は、就寝の30分~1時間前にアミノ酸を服用することをおすすめします。(※5)
サプリメントをうまく取り入れて、健康や美容にアプローチしてみましょう!
忙しいママ・パパでもサプリメントなら手軽に取り入れることができます。ぜひ、今回の情報を参考にサプリメント選びのポイントを押さえて、自分に合った健康管理を実践してみてはいかがでしょうか。
<参考文献>
※1 公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」
※2 農林水産省「実践食育ナビ」
※3,4 田中消化器科クリニック「No.078 サプリメントの飲み方」
※5 日本理化学薬品株式会社「効果的なアミノ酸の摂取方法」
おすすめ動画
PROFILE
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211332f2tmhy00010026
●Medical Health CH:https://www.youtube.com/channel/UC7XLi90xVGs_NnKhowC0G2w