【医師監修】妊娠中に受けられる検査、妊娠中は行えない検査とは?
妊婦健診では、初期に血液検査をして病気の有無などを調べますが、妊娠中には受けられない検査もあります。出産後も引き続き、自分の健康状態を把握するための定期的な健康診断受診と、パートナーや家族にも同様の受診をおすすめします。ここでは、妊娠中に受けられる検査と産後にならないと受けられない検査を、産婦人科の先生に聞いてみました。
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お話を伺ったのは…
Q.先生教えて! 妊娠中は行えない検査はどんな検査ですか?
一方で、おなかの赤ちゃんへの影響を考え、妊娠中はX線検査やマンモグラフィ、CT検査などは行えません。婦人科では子宮体がん検査も行うことはできません。
Q.肝炎のほか、最近増加傾向の感染症ってなんですか?
「B型肝炎」「C型肝炎」「風疹」などの感染症や、最近増加傾向なのが「梅毒」などの性感染症ですね。パートナーも抗体の有無を検査しておきたいものです。
「肝炎」は、ウイルス検査をしてみると実はキャリアだったというケースは少なくありません。早期に発見して適切に治療すれば、重症化は避けられます。ママは妊婦健診で検査を受けられますが、もしパートナーや家族に肝炎ウイルス検査を受けていない人がいたら、ぜひ受検をすすめましょう。40才以上であれば自治体の検診や、職場によっては健康診断で肝炎ウイルス検査を受ける機会があります。地域の保健所でも年齢制限なく検査を受けることができます。
また、「風疹」は妊娠20週ごろまでに風疹のウイルスに初めて感染した場合、先天性風疹症候群といっておなかの赤ちゃんに難聴などの影響が表れる可能性があります。リスクがないかを調べるため、すべての妊婦さんに妊娠初期に風疹の抗体検査を行っています。とくに抗体価が低い場合、妊娠中は風疹のワクチンが接種できないため、感染しないよう人込みを避け、パートナーや家族に抗体検査を受けてもらいましょう。自治体によっては抗体検査の費用を補助してもらえる場合もあります。パートナーや家族も抗体価が低い場合は、ワクチンの接種で感染対策ができます。
「梅毒」はここ数年、爆発的に増加している性感染症です。妊娠中のママが感染していて、おなかの赤ちゃんにまで感染すると、赤ちゃんの目や耳、肝臓などに障がいが出る先天梅毒になる可能性があります。胎盤を通して胎児に感染するので、胎盤が完成する前に抗菌薬を服用して治せば、胎児への影響はほぼ心配ありません。また、妊娠中期以降に感染した場合も、赤ちゃんへの影響を軽減するために、抗菌薬で治療します。
妊娠初期の血液検査で、治療が必要となった場合はパートナーの検査、治療も必要です。また、そのときに妊婦さんに感染していないといっても、妊娠中の性交渉によって感染し、知らぬ間に赤ちゃんにうつる可能性もあります。できれば、ママの感染の有無にかかわらず、パートナーも抗体検査を受けておくと安心です。
(まとめ)検査の大切さ、日常生活で気をつけることとは?
自分の体を知ることは、赤ちゃんの健康を守るために大切なことです。妊婦健診の内容と結果をしっかり知っておきましょう。
妊婦健診は、自分の体、赤ちゃんの体を知る大切な機会。検査をする理由、自分の結果を把握することは、余計な心配をしなくてすむだけでなく、将来的な自身の健康にもつながります。
また、妊婦健診ではママが感染すると赤ちゃんにも感染し、影響の出る病気も調べています。感染症、性感染症は、ママだけではなくパートナーの問題でも。赤ちゃんを守るためにも、ママ同様に必要な検査を受ける方向で行動してもらいましょう。
可能であれば、妊婦健診に夫婦で一緒に行き、お互いに自分ごととして、行われている検査についてコミュニケーションがとれるといいですね。そして、検査結果でわからないことがあれば、うやむやにせずに医師に相談してみましょう。
「知って、肝炎プロジェクト」とは?
肝炎に関する知識や肝炎ウイルス検査の必要性をわかりやすく伝え、国民が肝炎への正しい知識を持ち、早期発見・早期治療に向けた行動を促すため発足した厚生労働省のプロジェクト。肝炎とは何か、そしてどのように感染するのか、どのような人に危険性があるのか、そしてどんな予防方法と治療法があるのかといった情報発信や肝炎対策を展開しています。
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