臨月の妊婦さんは注意!家事、お出かけ、トイレ…“してはいけないこと”Q&A【専門家】
妊娠36週からは“臨月”と呼ばれる時期に入ります。出産までいつもどおりの生活でいいのか、注意点は何なのか、助産師の今井 咲さんに聞きました。
“臨月”って何?
臨月とは、出産予定日まで約1カ月となる、妊娠10カ月(妊娠36週0日)以降のこと。臨月に入って1週間後の妊娠37週0日からは、いつ赤ちゃんが生まれてもいい“正期産(せいきさん)”の時期になります。
お産が近づくと子宮は最大限に大きくなり、臨月には1日20g前後のペースで赤ちゃんが大きくなるといわれています。また、お産に向けて赤ちゃんが骨盤のほうへと下がる準備を始めるため、おなかのふくらみの位置が下がったり、恥骨(ちこつ)や足のつけ根が痛くなったりと、ママの体に変化が現れることもあります。
妊娠経過が順調であれば、家に閉じこもっている必要はありませんが、臨月はいつお産が始まってもおかしくない時期。遠出は控え、外出時はいつでも産院へ連絡できるようにしておきましょう。
Q. 臨月の家事でしてはいけないことってある?
A. 気をつけたいのは、水仕事や涼しい場所での家事で手足が冷えないようにすること、同じ姿勢で立ちっぱなしにならないようにすることです。布団の上げ下ろしなどの腹圧がかかるものや、高い所に洗濯物を干すのも控え、パパなどにやってもらいましょう。
Q. 遠出はダメだけど、どこまでなら外出していいの?
A. 目安としては、1時間以内で自宅に戻ってこられる範囲だと安心です。万が一、何かあった場合に備えて、1時間以内にかかりつけの産院を受診できる場所にしておくといいでしょう。
自分がよく知っている場所であれば、1人で外出しても問題ありませんが、いつでも受診できるように母子健康手帳と診察券、健康保険証などは携帯しましょう。
Q. 便秘ぎみ。トイレで強くいきんでもいい?
A. 腹圧が強くかかる行為は控えたいところ。便秘の妊婦さんは、かかりつけの産院で便秘薬を処方してもらい、強くいきまなくても済むようにしましょう。排便時、脚台を置いて足を高くしたりすると排便しやすくなりますよ。
監修/今井 咲さん 取材・文/たまごクラブ編集部
「臨月になるとホッとして気がゆるみ、体重が一気に増えてしまう人も」と助産師の今井さん。出産まで体重コントロールに気をつけつつ、リラックスして赤ちゃんに会える日を待ちたいですね。
参考/『後期のたまごクラブ』2023年秋号「妊娠後期を安心に過ごすためのママと赤ちゃんの見通し&やることのすべて」
●記事の内容は2023年10月の情報で、現在と異なる場合があります。
『後期のたまごクラブ』2023年秋号には、臨月の過ごし方についても紹介している、巻頭大特集「妊娠後期を安心に過ごすためのママと赤ちゃんの見通し&やることのすべて」のほか、今井 咲助産師監修の「お産が始まったら!4つのルール」があります。