陣痛、破水…お産が始まった!?産院の「すぐ来て」に慌てない“移動のダンドリ”とは?
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お産が始まって、産院から「来てください」と言われたら、意外とあわててしまい、どう行動すべきか迷ってしまう人も多いよう。今回は、「来てください」と言われてから、産院へ向かうまでの、移動に関することをまとめました。もし、どのタイミングで産院へ連絡すべきかわからないなど、心配なことがあれば、健診時に医師にしっかりと確認をしておくことが大切です。助産師の岸由佳利さんに詳しく解説していただきます。
産院に来てくださいと言われたら…
「本格的なお産の始まりは、『陣痛間隔が10分になった(初産)』or『破水があった』場合。おしるしや、前駆陣痛(ぜんくじんつう)はまだお産の予兆にすぎません。本格的なお産の始まりから、産院へ連絡して向かうまでのことを詳しく解説します」(岸さん・以下同)
1.移動手段を確保
「事前に登録した陣痛タクシーを呼んだり、家族に車を出してもらったり、まず移動手段を確保します。24時間、いつでもすぐに産院へ向かえるよう、移動手段を決めておきましょう」
2.持ち物を準備
「最低限、下記の物はすぐに持ち出せる状態にしておきます。破水の場合、急いで産院へ向かうため、入院バッグはあとから持ってきてもらってもOK。バッグの置き場は家族に伝えておきましょう」
<最低限の持ち物>
・健康保険証
・母子健康手帳
・診察券
・印鑑
・お財布
・必要書類
・家の鍵
・携帯電話
3.コンタクトははずそう!
「普段コンタクトの人は、眼鏡にしておくと安心です。また、移動中にお産が進むこともあるので、アクセサリーははずしておきましょう。妊娠後期に入ったら、ジェルネイルやマニキュアはオフして、結婚指輪ははずしておくのが鉄則です」
車やタクシーを待っている間にできること
家族が車を準備している間や、タクシーの迎車を待っているときは、どのように過ごしたらいいのでしょうか? 陣痛と破水の場合、それぞれチェックしましょう。
陣痛の人
「食べられるときに食べるなど、体力の温存も大切です。『陣痛がきたら動く』と産院から指示があるかもしれませんが、お産では体力を使います。まだ陣痛が強くないうちに食べられるものを食べて、体力を温存することも大切です」
破水の人
「腰にバスタオルを巻き、なるべく動かないようにします。羊水(ようすい)の量は卵膜(らんまく)の破れた位置が、上の方か下の方かによって変わります。座っていても、横になっていても、羊水が出てしまうこともあるので、できるだけ動かないようにしましょう」
移動は車がおすすめです
「産院へ向かう際の交通手段として、公共交通機関は使わないようにしましょう。移動には家族の運転する車か、タクシーを使うと◎。1人でいるときにお産が始まったとしても、自分で運転して産院へ向かうことは、危険ですのでしないでください」
◎自家用車・タクシー・陣痛タクシー
「自家用車の場合、最短ルートや、渋滞を考慮した所要時間などは事前に確認を。妊婦さんの運転はNGです。またタクシーは、当日迎車に時間がかかる場合もあるので、妊娠中に3社以上登録を。陣痛タクシーでない一般のタクシーは、シートを汚さないよう、タオルを用意しましょう」
△徒歩
「破水がなく、徒歩5分以内で、陣痛がまだ弱い場合、徒歩で来院してもOKという産院もあります」
×電車・バス
「公共交通機関は、思わぬトラブルが多いので、基本的にはNG。近くても、タクシーが◎です」
お産が始まったときにパニックになってしまう人は、基本的に準備不足が原因です。いつお産が始まるかわからないので、当日になってあわてることのないように、しっかりと準備をしてくださいね。
『たまごクラブ』2018年12月号の特集「入院までの『このとき、こうする』一気見せガイド」では、いざというときどうしたらいいか詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。(文・たまごクラブ編集部)
■監修:東京フェリシアレディースクリニック
助産師 岸由佳利さん
■参考:『たまごクラブ』2018年12月号 「入院までの『このとき、こうする』一気見せガイド」
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