医師・助産師直伝「お産の“痛い”・“怖い”」はイメトレ・体づくり・呼吸法の3点セットで乗り越えられる!
お産の痛い、怖いといういイメージを乗り越えるために、妊娠中からしておきたいのはイメトレ・体づくり・呼吸法の3つ。具体的にはどんな方法が有効か、芥川バースクリニック・院長の芥川先生と助産師の鳥越さんに聞きました!
お産のイメトレをしてみる
しくみや流れを理解しておけば、不安や恐怖は和らぎます。お産本番に生かすには中途半端なイメージトレーニングではなく、徹底的にリアルを追求するのがコツ。医師や助産師に聞いたり、妊娠雑誌「たまごクラブ」の記事を読んだりして、おなかの赤ちゃんはお産のときにどんな動きをして、どのくらいの時間で出てくるのかを想像してみるといいでしょう。
イメトレ1 赤ちゃんが通る骨盤の大きさをイメージしてみよう
赤ちゃんの頭の大きさは平均32~33cmくらい。お産のときは自分の頭を縮めて、回りながらママの骨盤を下りていきます。骨盤は、自分の両手で作った丸くらいの大きさ。その中を赤ちゃんが通ることをイメージしてみましょう。
イメトレ2 子宮口が開く様子をイメージする
赤ちゃんの出口である子宮口が、陣痛が強まるとともに徐々に開き、頭が通れる大きさ(全開大)まで広がると、赤ちゃんは出ることができます。その様子は、つぼみから少しずつ咲く花のイメージと重なるところも。開花する様子を写真や動画を見るなどして、ぜひイメトレの参考にしてみて。
分娩力を高める体づくりをする
妊娠中は心も体もダイナミックに変化する時期。ホルモンの影響もあり、妊娠前に比べて骨盤まわりがゆるみ、ズレやすくなる一方で、実は整いやすくなる時期でもあります。出産にむけて正しくストレッチや筋トレをして必要な柔軟性や筋力をつけておきましょう。とくに寝ながらや、両手両足をついた姿勢で行うと体重が分散され、比較的ラクに行えます。歩くなどの基本的な運動だけでも。毎日の積み重ねが自信にもつながります。
呼吸法をマスターしておく
深い呼吸を続けると脳内にβ–エンドルフィンというホルモンが出て、痛みを緩和してくれる作用が。
「ただし、人は想定外の痛みを感じると、どう対応していいかわからず、普段は無意識にしている呼吸さえできなくなります。『深呼吸して』と言われていることはわかるのに、それができずに、さらにあせる。その悪循環で過呼吸になり、赤ちゃんに酸素がいかない危険な状態にもなりえます。だから、深い呼吸を妊娠中から練習しておくことが大切なんです」(鳥越さん)。
深い呼吸をすると少ない回数で酸素をたくさん取り込めるので、お産のときの体力温存にも役立ちます。
深い呼吸の練習をしてみよう!
①まずは大きくなため息をつく感じで、首と肩の筋肉をゆるめます。
②首をゆっくり回します。左右両方に気持ちよく回しましょう。
③肩を回してほぐします。前と後ろ、両方にグルグルと回して。
④いすに座るか、あぐらの体勢になり、少し体を丸めます。おなかに手を当て息を“口から3秒吐く→鼻から3秒吸う”を繰り返します。吸う時はおなかが大きくふくらむのを意識して。慣れてきたら、秒数を増やします。
息を吐くときはティッシュを用意し、ゆっくり揺らすように細く長く息を吐きます。体中の空気を吐ききるイメージ。
お産の“痛い”“怖い”を乗り越える方法はいかがでしたか? 事前にきちんと準備しておけば、お産中にパニックになる要因を減らすことができます。それにより痛みや恐怖を紛らわせることができるので、妊娠中から準備をしておきましょう。(文・たまごクラブ)
■監修・医療法人社団 寿修会 芥川バースクリニック