むし歯予防先進国・フィンランドに住む人の94%が使ったもの
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「むし歯予防先進国」といわれるフィンランドで94%の人が使ったのがキシリトールです。日本でも、「子どもの虫歯予防にキシリトールがいい」というのは、多くのママの共通認識だけど...そこまでとは! キシリトールを日々の習慣にするのがいかに大切か、「むし歯予防先進国」フィンランドで行われたアンケート調査の結果が教えてくれました。
子どもにキシリトールを食べさせている親は7割!
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アンケートは昨年、フィンランドに住む15歳から69歳までの人1000人、フィンランドの歯科医100人を対象に行われました。まず、驚かされるのが、フィンランドに住む人の94%がこれまでにキシリトールをとったことがあると答えていることです。
そのうち、キシリトールを歯の健康習慣としている人は50%。とくに、18歳以下の子どもを持つ親のほぼ70%が子どもにキシリトールをとるようすすめていました。
それは、「1日2回の歯みがき」に次ぐ習慣で、「フッ素の活用」や「定期的な健診」「フロスや歯間ブラシの使用」よりも上回るものでした。
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今でこそ、「むし歯予防先進国」として有名なフィンランドですが、かつては、日本と同じように子どものむし歯がとても多かったそうです。そこで、1970年代に入り国を上げて予防に取り組み、時を同じくしてキシリトールの研究が進みます。フィンランドが世界のキシリトール研究の主要国となり、キシリトールの使用はフィンランドの最新医療ガイドラインに組み込まれるまでになったそうです。
実際、アンケートでは歯科医の94%の歯科医が患者にキシリトールをすすめているという結果もあって、キシリトールがすっかり根付いているようです。
キシリトールがむし歯を予防するメカニズム
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そもそも、どうしてキシリトールはむし歯予防に役立つのでしょうか。むし歯は、口の中にいるミュータンス菌などの原因菌が酸をつくりだし、その酸が歯を溶かしてしまう病気です。
キシリトールは自然の甘味料ですが、砂糖などと違って、キシリトールからむし歯の原因となる「酸」ができません。また、ミュータンス菌の活動を弱めたり、歯垢(しこう・プラーク)がはがれやすく、つきにくくしたりといった効果も。
さらには、キシリトールの甘みが刺激になったり、ガムタイプをかんだりすることで唾液(だえき)の分泌が促進。唾液は歯の表面のエナメル質を修復する石灰化をすすめ、さらに唾液中のカルシウムを歯の中に運んで歯を強くしてくれます。
こうしたキシリトールのメリットについても、フィンランドの人たちはとてもよく理解していました。キシリトールをとる理由について聞いたところ、いちばん多かったのが「酸をつくらない」で、「プラーク(歯垢)の質を変え、歯に付着しにくくする」と答えた人も24%いました。そしてなにより、3割近くの人が、シンプルに「習慣」と答えているのが、すごいですよね。
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キシリトールを子どものころから食後の習慣に
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そのほか、子どもを持つ親が「キシリトールをとる習慣で大事だと思っていること」では、「毎食後とる」が77%の回答。また、72%が「甘味料キシリトール100%のものをとる」、69%が「1回に5分以上口の中に入れる」と答えていて、これらはぜひ、見習いたいところ。
また、小さいうちからタブレットタイプを使うようすすめられているそうで、なんと、生後5カ月から与えることが推奨されているとか。確かに、サイズが小さく、口の中で溶けていくタブレットタイプは子どもも食べやすいですよね。もちろん、誤飲を防ぐため、大人が見守ってあげることが大前提です。
フィンランドの人たちを参考に、1日3~5回、食事のあとやおやつのタイミングで、5~10g程度を子どもたちにあげるのはいかがでしょうか。「食後にキシリトール」「おやつにキシリトール」が当たり前になれば、いつのまにか習慣になります。歯は生涯にわたってつきあっていくもの。早くから身についた「キシリトール習慣」は、その子の一生の財産になっていくはず!
※アンケートは、Hakuhodo Report『Xylitol survey: Consumers and Dentists (Finland)』Maritta Palvas 31.1.2020より
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協力/株式会社ロッテ