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専門家に聞く!歯磨きが苦手な子どものためのむし歯予防テク

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仕上げ磨きをしたいけどなかなかさせてくれない、子どもが自分で歯を磨いてもすぐに終わらせてしまうからきちんと磨けているか心配...そんなお悩みはありませんか? 歯をきちんと磨くことはもちろん大切ですが、歯磨きが苦手な子にこそ、「キシリトール」という方法があります。でも、キシリトールっていったい何? 甘いのになぜ歯にいいの? 知っているようで知らないキシリトールについて、専門家に聞きました。

歯磨きが苦手な子どもにこそとってほしいキシリトール

お話を伺ったのは
日本歯科大学生命歯学部教授
羽村 章 先生

子どもの口は大人に比べて小さく、歯ぐきもデリケートです。生えて間もない歯は十分に硬くなっておらず、石灰化が完成するまでの数年間は、むし歯になりやすいことも知られています。

とはいえ、子どもがきちんと歯磨きをするのは難しく、ママ・パパが仕上げ磨きをするのもなかなか大変。子どもが嫌がらないよう、軽くやさしく仕上げ磨きをするなど工夫しても、拒否されることもよくあることです。そんなときは、仕上げ磨きをごく簡単に済ませ、歯磨きのごほうびに、キシリトールガムやキシリトールタブレットを食べさせてあげましょう。フィンランドではむし歯予防のために、食後の習慣として取り入れられているキシリトール。むし歯になりやすく、歯磨きの難しい子どもにこそおすすめです。

キシリトールとは、果実や野菜にも含まれている甘味料

そもそもキシリトールとは何なのでしょうか。キシリトールは、砂糖や水あめと同じ糖質の仲間、「糖アルコール」の一種で、1890年(ずいぶん昔ですね!)、ノーベル賞受賞者であるドイツの化学者エミール・フィッシャーが白樺の破片から取り出したのが始まり。樹木のほか、いちごやラズベリーなどの果物、カリフラワーやほうれん草などの野菜にも含まれていて、ヒトの体内にも存在するものなのです。

では、いちごを食べればいいの?というとそうではありません。いちごには100g(乾燥重量)当たり300mg程度のキシリトールが含まれていますが、むし歯予防には1日5~10g程度のキシリトールが必要とされています。いちごなら1日1kg以上(乾燥状態で)、普通にマーケットで購入するいちごなら、毎日10kg以上食べなければならない計算に(いちごの90%以上は水分)。しかも、いちごには、果糖やブドウ糖も含まれています。むし歯予防に役立てるなら、やはり、キシリトールタブレットやガムでとりましょう。

キシリトールがむし歯を防ぐ5つの理由

キシリトールがむし歯を防ぐ理由は5つあります。

1.酸を作らない
口の中に住んでいる細菌は、砂糖などをエネルギー源としてむし歯の原因となる酸を作りますが、砂糖と同じように甘味料でありながらキシリトールからは酸を作ることができません。

2.歯の石灰化を促し、歯を強くする
かむことで唾液(だえき)の分泌が促進されます。唾液は歯を強くする石灰化に役立ちます。さらにキシリトールをはじめとする糖アルコールは、唾液中のカルシウムを歯の中に運ぶ性質を持っているので、石灰化の効果を促します。

3.むし歯の原因・ミュータンス菌の活動を弱める
ミュータンス菌の多くはキシリトールを取り込みます。取り込まれたキシリトールはミュータンス菌のエネルギーには変換されずにそのまま排出されるので、ミュータンス菌は疲弊していきます。さらにミュータンス菌内のキシリトール(キシリトール5リン酸)は、ミュータンス菌の代謝を阻害し、徐々にその活動を低下させます。一方で、キシリトールを取り込まなかったミュータンス菌はむし歯を作る力が比較的弱いため、むし歯を作る力が強いミュータンス菌が減り、結果としてむし歯になりにくい環境になります。

4.歯垢(プラーク)がはがれやすく、つきにくくなる
キシリトールを取り込んだミュータンス菌は強い酸を作らないだけでなく、歯垢を水に溶けやすい性質にします。そのため、キシリトールを習慣的に摂取していると、歯垢が歯ブラシで容易にはがれてつきにくくなり、歯磨きの効果を高めます。

5.ミュータンス菌の伝播を防ぐ
生まれたての赤ちゃんの口の中にはミュータンス菌はいません。ミュータンス菌は硬い物の表面で増えるので、歯が生えると口の中に定着します。子どもの世話をしている人の口の中にミュータンス菌が多いと、ミュータンス菌が唾液を介して子どもに伝播。逆に、世話をする人がキシリトールを常用していると、ミュータンス菌は伝播しにくくなり、子どもの口の中はむし歯になりにくい環境になります。

「ごはんを食べたらキシリトールタブレット」を習慣に!

キシリトールにもさまざまな種類がありますが、子どもには、サイズが小さくて口の中で溶けやすいタブレットがおすすめ。キシリトール先進国フィンランドでは生後5カ月から与えることがすすめられていますが、誤飲には気をつけたいもの。大人が見守りながら、歯が生え始める少し前からとるのが理想です。できれば、赤ちゃんがおなかにいるときから、ママ・パパやまわりの人がキシリトールをとっていればさらに効果的です。

とる目安は、1日3~5回、5~10g程度。子どもには、毎食後のデザートや歯磨きのあとのごほうびおやつとして、キシリトールをあげてはいかがでしょうか。むし歯予防のためには、できるだけ長時間にわたってキシリトールをとることがすすめられるので、ガムであれば5分ほどかみ、タブレットはかまずにゆっくり溶かしましょう。

記事の一部協力/テクノポートデンタルクリニック院長 倉治ななえ先生

保育園で!? フィンランドのキシリトール事情もチェック!>


知っておきたいことがいっぱい
\100年生きる時代だから/「子どもの歯とお口問題をちゃんと考える会」サイトはこちら>

子どものために、知っておいたほうが絶対いい! むし歯とキシリトールについて こちらもチェック!

協力/株式会社ロッテ

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