スポ少「保護者は協力しあい、やれる人がやればいい」は夢物語では?【子育てアドバイザーに聞く】
「『親は当番制ではなく、やれる人がやればいい』という、スポ少に入団したけど、夢物語でした」という声が口コミサイト「ウィメンズパーク」に届きました。スポ少やPTAなど、保護者のボランティアで成り立つ組織であるあるの『当番制』。悩ましい声が届くとともに、子育てアドバイザーの長島さんに聞きました。
「親の当番なし。付き添いなどはやれる人がやる」が魅力で入団したけれど
投稿主さんは共働きで、お子さんが低学年のときからスポ少に通っています。
「そのスポ少はママ友から誘われました。当時、下の子は赤ちゃんで、共働きということもあり『役などが少ないところを探している』と、話したら『うちは比較的新しいチームで、やれる人がやるというシステムで当番制ではない。みんなお互い様だから大丈夫』と、言われて入りました。
私も夫も参加できる時は参加していましたが、高学年の保護者が試合や練習試合をどんどんいれるようになり、土日は朝から日没までという日が増えました。
それに毎回付き添える保護者は少なく、高学年の保護者に負担が大きかったことは確かです。影で参加の少ない保護者の悪口を言っていることが発覚し、いろいろあって来年から当番制となりました。
『やれる人が、やれることをする』は、夢物語でした」
と、いう投稿主さんに、かなりクールな声が届きます。
「曖昧がトラブルを生む」「当番制は合理的」と、クールな声続々
「夢物語ですか、確かにそうだと思います。やれる人がやると言いながら、何もしない人がいることも事実です。
影口は褒められたことではありませんが、任せっきりもどうなの? と、思ってしまいます」
「曖昧がトラブルを生むんですよね。ある程度のルールと役割分担を決めた方が本来は楽なんです。
あと当番制って、嫌いな保護者を避けるって理由もあるそうです。いろいろと合理的なんです」
「練習や遠征をガンガンいれる熱いスポ少と、 かなりゆるいスポ少と両方の経験があります。
前者のスポ少は、投稿主さんみたいな意見をよく耳にしました。実際、親の負担を理由に辞めていく親子もいました。
私も懲りて下の子は後者のゆるいスポ少に入れたのですが、試合に勝てません(笑) 1回戦敗退の常連です。
『ちっとも上達しない』『お遊びチームは時間の無駄』を理由に、移籍する親子が多かったです。
とくに高学年の親になると、子どもの頑張りを応援したくなるんです。投稿主さんも高学年の保護者になったら、わかると思います」
「ボランティアの場合はそうなるって想像できると思うのですが。
私は会社が運営するクラブにしました。お金はかかるけど専門教育を受けたコーチが仕事として教えるので、私の負担は送迎ぐらいです」
「みなさん、ありがとうございます。実は私、高学年の保護者たちが陰口を言っている姿を、偶然にも見てしまいました(先方は気づいていません)。
すごい負のオーラでした。我が家の名前はあがっていなかったけど、こんなにも不満を貯めていたのかと、ショックでした。
人数が少ないので辞めることは難しく、我が家はこれ以上の協力は難しく、八方ふさがりです。
とりあえず当番はがんばりたいと思います。ありがとうございました」
と、投稿主さんは〆ました。
「当番は確かに大変だけど、メリットもたくさんある」と、専門家
スポ少を躊躇する原因のひとつが「親が大変」というイメージです。2人の母でもある子育てアドバイザーの長島ともこさんに聞きました。
「スポーツを通じて青少年の健全育成を目的とする社会教育団体として知られるスポ少=スポーツ少年団。
野球、サッカー、バスケットボール、バレーボールなどさまざま競技がありますが、一般的に保護者が主体となって運営を行うため、PTAなどと同様に持ち回りで役員をこなしたり、練習の時に見守る当番制を設けたりなど、チームを運営するためには保護者の協力が必要不可欠です。
これだけ聞くと『スポーツ少年団って、大変そうだなぁ』と思いがちですが、活動に関わることで普段つながりのない人と交流の輪が広がったり、みんなで協力してチームを盛り上げていく仲間意識や達成感を味わえたりなどのメリットもあります。
相談者さんのお子さんが所属するスポーツ少年団は、来年から当番制になったとのこと。いろいろ思うところがあると思いますが、まずは一度、体験してみることをおすすめします。相談者さんが当番を担当されるなら、下の子をパパに預けられる日を希望しましょう。実際に当番を担当することで、わが子の様子のみならず、チーム全体の雰囲気を感じ取ることができると思います。
わが子を含め、子どもたちが楽しく取り組んでいるようなら、子どもたちのためにどのような運営が望ましいのか、その方法を保護者みんなで考えていくことが大切だと思います。不安なことやわからないことは役員さんに聞く『こうしたらいいのでは』と思うことがあれば、遠慮せず提案してみるなど、主体的に関わりたいですね。
いろいろ思い悩むのが面倒! と思うなら、少々お金はかかっても保護者の負担が少ないクラブチームに移籍するのも一案です。スポーツを楽しむのは子ども自身です。子どもの『やりたい!』という気持ちを最優先しながら、思う存分スポーツを楽しむ環境を整えてあげることが、親の役割なのではないでしょうか」
長島ともこ
フリーライター、エディター、認定子育てアドバイザー。教育、育児、妊娠&出産を中心に幅広い分野で取材、執筆、企画ディレクション等を行う。PTA活動にも数多く携わり、その経験をもとに、書籍『PTA広報誌づくりがウソのように楽しくラクになる本』『卒対を楽しくラクに乗り切る本』(厚有出版)を出版。All About子育て・PTA情報ガイド。大学生と中学生の母。
https://www.tomokonagashima.com/
文/和兎 尊美
※文中のコメントは「ウィメンズパーク」の投稿を再編集したものです。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。