赤ちゃんのサインを見逃さないで! 離乳食を始める5つのポイント【管理栄養士】


生後5~6カ月ごろから始めるのが基本とされている「離乳食」。とはいえ、赤ちゃんの食欲や成長・発達の度合いは一人ひとり違うため、5~6カ月のうちの“いつ”離乳食を始めればいいのか、迷ってしまうところです。
ひよこクラブで行った、インターネットのアンケート調査(※)で「赤ちゃんが5~6カ月ごろに、離乳食で悩んだことや困ったこと」を聞いたところ、「離乳食をスタートする時期」と答えた人が47.2%と最も多くを占めました。離乳食の開始は、早ければいいというものではありませんし、遅すぎてもよくありません。もっとも適した離乳食のスタート時期を見極めるためには、赤ちゃんのどんな様子に注意を払えばいいのか、また、どんな準備をしておけばいいのか、管理栄養士の太田百合子先生に聞きました。
※0カ月~1才11カ月の赤ちゃんを持つママ335人のインターネット調査の結果(2020年12月実施)からまとめたものです。
赤ちゃんの様子から判断して、離乳食をスタートしよう
かつては、食物(しょくもつ)アレルギーを心配して、離乳食のスタートを遅らせる傾向もありましたが、2019年に改訂された厚生労働省からの「授乳・離乳の支援ガイド」では、「特定の食物の摂取開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はない」と明記されています。
したがって、離乳食のスタート時期は、赤ちゃんの成長・発達の度合いをよく観察した上で、判断することが大切です。以下のサインのうち、いくつかの様子が見られるようになったら、離乳食を始めてOKと判断することができます。早速、チェックしてみましょう。
大人が食事する様子に興味を示す
ママやパパが食事をしている様子をじっと見たり、食べたそうに口を動かしたりしていたら、食べ物に興味を持ったサインです。
授乳のリズムが整っている
授乳の間隔は母乳で3~4時間、ミルクで4~5時間くらいになっているのが目安。日中の授乳回数や生活リズムを徐々に規則的にして、離乳食をスタートしましょう。
唾液の量が増えている
唾液(だえき)の量は個人差が大きいものですが、ママ・パパから見て、以前より唾液の量が増えていると感じたら、それでOK。
唇にスプーンを当てても嫌がらない
唇にスプーンを当てたとき、舌で押し返さないのはサインの一つ。でも、離乳食を始めてから、押し返さなくなる子もいるので、必須条件ではありません。
5秒くらいおすわりができる
離乳食を始めてもいい体の発達条件は、首が完全にすわっていること。おすわりは、大人が支えずに、5秒くらいできればOK。
離乳食をスムーズにスタートするために、0~4カ月ごろにやっておくといいこと
まだ離乳食を始める時期ではない0~4カ月のうちから、ママ・パパが以下の点を心がけることで、離乳食のスタートがスムーズになります。
【Point 1 】生活にメリハリをつける
3~4カ月ごろには早起き・早寝を意識し始め、日中はお散歩するなど、生活にメリハリをつけ、おなかがすくリズムをつくります。「泣いたらすぐ授乳」ではなく、授乳間隔が空くように意識して。
【Point 2】唇を使う遊びをたくさんさせる
唇は食べ物を感じる大事なセンサー。指しゃぶりをしたり、おもちゃを口に入れたりしたら、「汚い」などとやめさせずに、見守って。遊びを通して、唇の感度をアップさせましょう。
※小さいおもちゃやパーツは誤飲の恐れがあるため、口に入れないように注意しましょう。
【Point 3】大人が食事する様子を見せる
食べ物を食べる姿を積極的に見せることが、赤ちゃんの食への興味を引き出します。ママやパパが食事をする様子を見ることで、赤ちゃんに「食べることは楽しいこと」だと伝わります。
【Point 4】離乳食を作る・食べさせる準備をする
離乳食を作るための調理しやすい道具、赤ちゃんに離乳食を食べさせやすい食器やスプーン、赤ちゃんを座らせるベビーラックや椅子などを準備しておきましょう。
監修/太田百合子先生 撮影/野中麻実子 取材・文/ひよこクラブ編集部
「離乳食を始めてOKのサイン」を目安に赤ちゃんの様子をよく観察して、最適な時期に離乳食を始めたいものです。また、5~6カ月でスムーズに離乳食をスタートするためにも、0~4カ月のうちからできることを、少しずつ始めておくことも大切です。
『ひよこクラブ』2022年3月号には、初めての離乳食をどのように食べさせるか、離乳食の初めのひと口をどうやって作るかを徹底的に解説した「新米ママ&パパでももう迷わない! 離乳食 初めのひと口 食べさせ方・作り方」特集があります。
参考/『ひよこクラブ』2022年3月号「離乳食 初めのひと口 食べさせ方・作り方」
※掲載している情報は2022年2月現在のものです。