フリーアナ 吉田明世 子ども乗せ自転車、後ろに娘を乗せられるのもあとわずか…娘の自転車デビューに揺れる親心

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現在、4才の女の子と1才の男の子のきょうだい育児に奮闘中のフリーアナウンサーの吉田明世さん。
上の写真は、子ども乗せ自転車の後部座席に座った娘さんが撮ったもの。自転車を一生懸命こぐ、吉田明世さんの背中と青空がまぶしい一枚です。
暑い季節の前に、誕生日を迎えたという娘さんへのプレゼントに自転車を選んだ吉田明世さん。娘さんの自転車デビューで、ちょっとセンチメンタルになってしまった親心を教えてくれました。
吉田明世さんの育児エッセイ第31回は「子ども乗せ自転車に、娘を乗せられるのもあとわずか!? 娘の自転車デビューに揺れる親心」です。
4才の誕生日プレゼントは、1人乗り用の自転車をセレクト!
暑い日々が訪れる前、まだ風がさわやかだった時季に4才の誕生日を迎えた娘。
誕生日プレゼントは、ちょっと早いかな、と思いながらも1人乗り用の自転車を送ることにしました。
初めてのmy自転車に、届く前からワクワクがとまらない娘。どうやら、自転車に乗る前に「ストライダー」でバランス感覚をつかんでおくと、比較的スムーズに乗れるようになるらしい、といううわさを聞き、娘は誕生日を迎えるまでの間、それまでしまい込んでいた「ストライダー」を引っ張り出して練習を重ねていました。
ようやく迎えた自転車デビューの日
誕生日当日に娘が発熱し、PCR検査でコロナにかかっていることがわかったり(トホホ)、そういえばひざ&ひじ当てを買ってない!とあわててネットで注文したり、なんだかんだで自転車デビューの日は、誕生日から1カ月ほど過ぎてからになってしまいました。親としても、子どもが自転車に乗るというのは、一大イベントだったりしますよね。
長期戦になる覚悟でいざ公園へ。一度転んで痛い思いをしてしまうと、娘の性格上、著しくやる気が低下すると思われるので、なるべく転ばせないようにと気をつけて、初めは私がハンドルを支えながらゆっくりと進ませます。
自転車特訓は長期戦を覚悟して、熱血指導をスタートしましたが…
「たくさんこいで!」
「下を見ないで!」
「前を見て!」
私の熱血講師ばりのアドバイスを華麗に聞き流し、ゆっくりと、進み出す娘の自転車。
いよいよ始まった、自転車の特訓。こりゃあ、日が暮れるのも覚悟だ。長期戦になるぞと気持ちを固めたその瞬間…あれ?1人で…乗れている。
私が手を貸したのは、ものの3分。娘は、ただただ前を見つめ、ひょうひょうと自転車をこいでいるではありませんか。しかも、なんだかハンドルも使いこなして、前から来る人をひょいと避けている。
いや待てよ、自転車の危ないところは、乗っているときではなく、止まる時なんだ!気を引き締めて並走しながら、いつ倒れても守れるような臨戦態勢の私。そんな心配をよそに、キキキーー。ブレーキでスムーズに停止。
あれれ…?初めて自転車に乗るときって、こんな感じだったっけ?ほら、ドラマのワンシーンにあるような、汗水たらして、といった感じがまったくないのだけれども。こんなにあっさりしてるものなんだっけ。
なんだか親のほうが空回りで、拍子抜けしてしまうほどあっけなく迎えた自転車デビューなのでありました。(やはり、「ストライダー」で練習したのがよかったのかもしれません)
自転車デビューに思いもよらないさびしさも
赤ちゃんのころは、やれ立っただの、やれ歩いただの、毎日目まぐるしく「初めてできた」に遭遇していましたが、4才にもなると、赤ちゃんのころほど、目に見える形で「これができるようになった!」ということが少なくなるからなのでしょうか(言葉の数や手先の動きなど、こまかい部分での成長は感じますが)。
だからこそ、初めて1人で自転車に乗れた、ということは、久しぶりに感じる「初めてできた」であり、親としてとても誇らしい反面、また少し、われわれから一歩離れてしまった。また一つ、手をかけることが減ってしまった。そんなふうに感じたのかもしれません。あぁ、自転車に乗れるようになることが、親としてこんなにもさびしい気持ちになるなんて思わなかったなぁ。
子ども乗せ自転車の後部座席に娘を乗せて、私が一生懸命自転車をこぐ日々も、そう長くは続かないのかもしれない。背中から大声で歌う娘の声を聞くのも、ずっとではないんだな。目まぐるしく過ぎる日々、あっという間に成長する子どもたち。今この瞬間の大切さに気づかされた自転車デビューとなりました。
そうして今日も息子と娘を子ども乗せ自転車に座席に乗せて、滝のような汗を流しながらペダルをこぎまくる母なのでした。
娘さんの自転車デビューにちょっぴりセンチメンタルになった親心を語ってくれた吉田明世さん。「わが子が自転車に乗れるようになるということが、親としてこんなにもセンチメンタルになるとは思いもよりませんでした」と話してくれました。吉田明世さんのきょうだい育児の日々はまだまだ続きます。次回もお楽しみに!
●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
吉田明世(よしだあきよ)
PROFILE
1988年生まれ。2018年5月に女の子を、2020年12月に男の子を出産した。TBSのアナウンサーを経て、19年にフリーとなり、東京FM「ONE MORNING」(月~金6時~9時)「THE TRAD」(月・火15時~16時55分)レギュラー。ほかにTV、イベント、コラム連載など幅広く活躍
中。保育士資格のほか、絵本専門士の資格も取得。