片づかないイライラとさよなら♪子どもがおもちゃを片づける習慣づくり
【9カ月ころ~】一番身近な道具「おもちゃ」の片づけ開始
子どもにとっておもちゃはいちばん身近な遊び道具です。自分で片づける習慣をつけていくことは、自立へ向けた最初の一歩といえるかもしれません。
しかし、子どもは何度か言葉で言っただけでは、片づけられるようにはなりません。子どもの成長に合わせた促し方で、根気よく導いてあげることが大切です!
今回は、月齢ごとにおすすめの声かけや工夫を紹介してみたいと思います。
9カ月くらいになると指先が発達して、大人のまねをしたくなる時期です。赤ちゃんがおもちゃをポイと入れられる箱「おもちゃのおうち」を用意して、「おもちゃさんバイバイ」「またね」としまっていきましょう。
ママやパパがしまうのを見せるうちに、まねをして赤ちゃんもポイとしまってくれたら、「ありがとうね」「おもちゃさんもおうちでネンネね」と喜んであげます。しまってくれなくても、ママやパパの声がけで片づけの習慣をつけていくとよいでしょう。
【1才3カ月ころ~】根気よく行動と言葉で伝える時期
好奇心はますます旺盛、遊びは大胆になり、おもちゃの片づけは悩みの種ですね。まだ遊んだおもちゃを片づけるということの理解ができませんから、大人の生活のルールを根気よく行動と言葉で伝えていく時期です。しかるより、楽しく片づけに興味を持ってもらうかかわり方をしていきましょう。
「おもちゃのおうちに入れてあげようか」「○〇ちゃんも一緒に片づけてくれるとママはうれしいな」など、言葉をかけながら片づけていきますが、大切なのは、ママやパパが全部を片づけないこと。
「ブロックと車、どっちがいい?」「そうか、車さんは〇〇ちゃんが車庫に入れてね」と、子どもが片づける物を選べるように残しましょう。選ぶのは子どもの満足感を満たし、片づけへ興味を向けます。
それができたら「おもちゃさん喜んでいるよ」「ありがとう!」など、少しオーバー気味に喜びましょう。毎日がその繰り返しですが、子どもの手で片づけができた物が少しずつ多くなるよう、根気よく声をかけていくことが大事です。
【2才ころ~】遊びコーナーの見直しをしましょう
子どもが自分で片づけをしやすくなるように、遊びコーナーを見直してみましょう。おもちゃは、積み木、ままごと、ぬいぐるみ、乗り物、クレヨンなど、それぞれ入れる箱、置く場所を決めて、子どもが自分でできるようにします。分けると片づけやすいこともありますが、片づいた達成感がすぐに得られやすいので、次の意欲につながります。
持続力はないのですが、その気になると楽しくできるのが2才児です。「いちばん先におもちゃのおうちに帰すのはだれにする?」「魔法をかけるよ。おもちゃよ、おもちゃ、おうちに入れ~」と声色を使って言うなど、遊び感覚で片づがけできるようにしたいですね。
ママやパパが一緒にやることが子どもの片づけを後押ししていきますから、片づけが習慣になるには根気が必要です。忙しくてゆっくりとかかわれないときは、この箱だけは子どもに、と片づけてもらう物を決めるとよいでしょう。
片づけができたら、「きれいに片づけたね、ママうれしいよ」「〇〇ちゃん、お兄さんだね」と認めてあげることを忘れずに。時には子どもと一緒におもちゃや絵本の壊れた部分を直して、“大事に使うとおもちゃや絵本が喜ぶ”という経験もさせましょう。
菅野先生の幼児教室では……
教室では先生がさっさとおもちゃを片づけることは決してしません。1人でも片づけを始めたら「〇〇ちゃんありがとう。先生うれしいな」と、まだ遊んでいる子にも聞こえるように言って片づけに興味を向けていきます。
「このかごはブロックね。こっちのかごは車を入れて」など、おもちゃを分類しながら片づけを促し、「片づけるとお部屋がきれいになって気持ちがいいね」と確認して、次の活動に移ります。
片づけは次の行動へ移る「けじめ」のようなもの。子どもたちにもそれが伝わるようにしていきましょう。

菅野満喜子 先生
台所のある幼児教室「こんぺいと」代表
幼稚園教諭、出版社を経て「グループこんぺいと」を設立。東京都世田谷区等々力に「台所のある幼児教室」を設け、子ども料理の指導、遊び・しつけ・子どもの食育など講演・執筆など、幼児と保護者・保育者対象に仕事をする。CSTV食育番組「おやこでクッキング」監修。 グループこんぺいと編著「あそびからはじめる食育」(メイト)「食育なんでもQ&Aセレクト41」(黎明書房)「すぐちょこシアター」(学陽書房)「怒らないしつけのコツ」(学陽書房)他多数。
※この記事は「たまひよコラム」で過去に公開されたものです。