子どもの寝かしつけはいつまで必要?ひとり寝デビューのタイミングは?【専門家】
赤ちゃんのころは当たり前のように行っていた寝かしつけ。子どもが大きくなるにつれて、いったい何歳くらいまで寝かしつけはするものなのかと悩むママも。そこで寝かしつけについて、口コミサイト「ウィメンズパーク」のママたちの声を紹介するとともに、寝かしつけ卒業のタイミングについて、青山学院大学コミュニティ人間科学部教授で発達心理学を専門にしている菅野幸恵さんにアドバイスをいただきました。
寝かしつけは何歳までしていた?
――まずは、ママたちに寝かしつけ卒業エピソードについて紹介します。
■祖母に促され小学1年生で卒業
「小学1年生の時です。もっとゆっくりでもよかったなーと思っています。祖母に、小学生になったら、1人で寝られるようにしなきゃと言われたのがきっかけでしたが、そんなに焦らなくてもよかったのかなと。はじめは寂しかったのか、ぬいぐるみのような抱き枕をかかえていました」
■低学年まで寝かしつけ
「低学年まではよく寝室から呼ばれていました。寒い時期は足元を温めるとてきめんに寝てくれました。最近、光の目覚ましを買ったのですが、入眠モードにすると夕焼け色のライトがつき、だんだん消えていきます。これをつけてから即寝落ちするように。おかげで9時半以降は自分の時間が確保できるようになりました」
■小学2年生までは寝かしつけをしていたかも
「トントンとかはしないけど、その日にあった事を話してくれるなど何気ない会話をしていました。今思えばいい時間だったなぁ、もう二度と隣で横になるなんてことないだろうと。子どもと一緒に寝てしまうと困る時は、耳につけるタイプの小さいアラームを使っていました」
■末子は4年生まで寝かしつけ
「長子は小4で1人部屋を作ったので、それから1人で寝るように。末子は小1で1人部屋を作ったのですが、小4までは私の隣で寝ていました。小4までは、寝る前に本を読み聞かせ、その後、寝つくまで横にいました。幸せな時間でした」
■怖がりなので4年生の今も一緒に寝ています
「きょうだいで寝ている時はよかったんですが、今年から上の子が中学生になり1人で寝るように。そうすると、下の子が1人で寝るのは怖いというので、寝るまで一緒にいることに。22時までには寝るように布団に入りますが、早く寝る時もあれば30分くらいかかる時もあります」
■小6まで一緒に寝ていました
「それまでも騙し騙しでしたが、6年生の時にさすがにそろそろ卒業かと思ったのですが、転校することになり、元の木阿弥(もとのもくあみ)となりました。親の都合なのでむげにもできず…。卒業のタイミングは忘れたと言うか、気がついたら1人で寝ていました。って、遅い?!」
■個室が出来れば1人で寝てくれることを期待!
「小2の娘が一緒に寝て欲しいというので、寝かしつけはまだしています。子どもと一緒に21時に寝て、22時位に夫に起こしてもらっています。4年生くらいになれば、自分で寝てくれるんじゃないかなーと期待していますが、怖がりな娘なので…。一緒に寝て欲しいと言われれば、いつまでも寝てしまうと思います」
■先に寝室に行ってもらうようになってから、1人で眠れるように
「小2です。リビング横の部屋が寝室ですが、怖がりなので寝つきも悪く、1人で寝られませんでした。私は洗い物を終わらせてから寝たいので、先に布団に行ってもらうことがあります。そしたらある日、あっさり15分くらいで寝つき、『もしかしたら1人で寝られるかも?』と言い出しました。そこから1人で寝る日が増えていきました』
■ぬいぐるみに寝かしつけを託しました
「娘は寝かしつけが必要で、寝るまで手を繋いでいないと無理でした。とはいえ、やはりずっとはしんどいので、『ぬいぐるみ』に頼みました。お気に入りのぬいぐるみを渡して、『この子と一緒に寝てやってくれない? 今度はあなたがぬいぐるみを寝かしつけてあげる番』みたいな。そのあと何体か増やしていきました。ぬいぐるみに囲まれて寝ていると安心らしいです」
子どものタイミングに任せて、望む限りは寝かしつけを楽しんで
青山学院大学コミュニティ人間科学部 教授の菅野幸恵さんに、寝かしつけについてアドバイスいただきました。
「『寝かしつけ』とは子どもが寝つくようにすることですが、そもそも『寝かしつけ』は誰のためにあるのでしょうか。子どもが主体となっているようで、実は大人の都合になっていないか気をつけたいものです。
最近は『ネントレ』なんて言葉もあるようですが、人間の身体は日中十分な活動をすれば、夜には眠りのホルモンが分泌されて眠るようになっています。『なかなか寝ない』『寝かしつけに時間がかかる』ということは十分眠くなっていない可能性があります。眠りのホルモンの分泌には、日中屋外での適度な運動や規則的な食事摂取などが関係していると言われています。十分身体を動かしてきちんと食事をとっていれば、寝かしつけなんて必要ないくらい、あっという間に寝てしまいます。寝つきが悪い場合は、生活リズムを見直してみるとよいかもしれません。
そして、『寝かしつけ』を卒業するタイミングについてですが、それは、子どもが決めるものです。何歳までに卒業しなければならないということはありません。
ママたちの感想をみるとみなさん、お子さんに合わせて寝かしつけをされているようですし、その時間を楽しんでいる方もいてとてもいいなと思いました。昼間はひとりで大丈夫なのに、もう大きいのにと思っても、夜寝る時になると不安になる子どももいます。いつかはひとりで寝るようになります。お子さんが望む限りは、お子さんとのコミュニケーションの時間として考えていただけたらと思います。
それでも、もし早くひとりで寝てほしいなと思う時には、実践されているママもいらっしゃいましたが、一緒に寝てくれるぬいぐるみなど手触りのいいものを用意するのも一案です。ママやパパが一緒でなくてもその代わりのようなものがあればひとりで過ごせるようになるでしょう」
(お話/菅野幸恵さん)
いつかはひとりで寝られるようになるので、寝かしつけの時間を楽しむというのも1案ですね。
(文/酒井範子)
※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」(2022年1月末まで)の投稿を再編集したものです。
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
菅野幸恵さん
PROFILE)
青山学院大学コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間学科教授。専門は、発達心理学で研究テーマは、乳幼児期の親子関係、地域コミュニティでの子育てについて。著書に『あたりまえの親子関係に気づくエピソード65』(新曜社)がある。
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