「小4の算数を教えるのは難しい!」「つい感情的に叱ってしまう…」子どもに勉強を教える秘訣はこの2つ!【専門家アドバイス】
家庭で我が子に勉強を教えていますか?
「勉強は苦手…」という人もいるでしょうし、仕事やその他のことで忙しくて時間が取れない人もいるでしょう。また、高学年になってくると、内容的に難しくなるという悩みも。
子どもにどういうふうに勉強を教えたらいいのか、そもそも、家庭で勉強を教えた方がいいのか、子どものやる気を引き出す塾プラスティーの塾長・八尾直輝さんにアドバイスをいただきました。
子どものことを考えるあまり、ハードルが上がってしまう自宅学習
子どもに勉強を教える際に悩んでいることについて、「たまひよ」アプリユーザーに聞きました。
「勉強が得意じゃないから教えてあげられない・・・」(みゅー)
「小4の算数を教えるのが難しくなってきた」(とぉちん)
「我が子は先生の言うことは聞くが、親には反発して感情的になることが多く、教える時は少し大変です」(もぐみー)
「自分の子どもだと、できない時に感情的に叱ってしまいそう」(もちもち丸)
「ふざけることが多い。真面目にしないし、まだ1年生で、帰ってきて寝てしまうから困っています」(しーさん)
「父母間で教え方の違いがある時に困る」(しゅしゅ)
「昔と習い方が違うので、教科書を見てから、それに沿って教えなくてはいけないのが大変」(ちぃ)
「つい、『なんでこんなこともわからないの?』と言ってしまいそうになること。小さい子にわかりやすく説明するって難しい!」(みゆふぁ)
「先回りしてヒントを出しすぎたり、答えを教えたりしてしまわないか。また大人目線だけでなく、ちゃんと子ども目線に立ってわかりやすく教えることができているか迷います」(まる)
「教えることにのめり込んでしまうこと。子どもの自主性をうまく引き出したいのに…」(mana.me)
「子どもが考える時間、待てるかどうか。親が答えをすぐ教えてしまいそうです」(さくさく)
「その子の良いところを伸ばせるような教え方ができるか不安」(tin)
みんな手探りで、子どもの自宅学習に向きあっていることがうかがえますね。
親だからこそ、言いすぎたり、焦ったりすることもあるでしょう。そこで、日頃から子どもに勉強を教えている専門家におすすめの方法を聞いてみましょう。
「勉強のやり方」を教える塾プラスティーの塾長の八尾直輝さんに伺いました。
自宅学習で親ができること
子どもに勉強を教えるのは難しいですよね。親は良かれと思ってやっているのに、子どもはふざけたり、反抗したり、眠いと言ってみたり…。(笑)
「親の心、子知らず」とはよく言ったものです。思い起こせば、私も親の言うことを聞かない子どもでした。むしろ親の揚げ足取りのために理屈をこねたり、かなり前の親の発言を持ち出して、矛盾を指摘したり…。面倒な子どもだったなと、親になった今は猛烈に反省しています。
しかし、自己弁護をするわけではないですが、このくらいの年齢の子どもが親に従わないのは、むしろ正常です。小学校高学年くらいになって、なんでも親の言うことを聞くほうが心配かもしれません。
反抗するのは、これから社会に出ていくための準備です。子どもなりに一生懸命なのですから、ある程度「遊ばせる」くらいがちょうど良いと考えましょう。
それでは親は何をすべきなのかについて説明しましょう。
親の役割は「仲間」と「壁」の2つです。
■子どもと「仲間」になって一緒に学んでみる
「仲間」とは、子どもと同じ目線で学ぶことです。上手に教えられればベストなのかもしれませんが、それは相当難しいものです。たとえ理解できている内容であったとしても、それを「教える」のは別のスキルだからです。(理解できることを、もし、みんなが上手に教えることができたら、塾講師は廃業してしまいます。笑)
ですから、「教えることが苦手」と感じる方は、「仲間」モードにシフトチェンジして、一緒に勉強してしまいましょう。内容は簡単でも、そこから学べることはたくさんあるはずです。
試しに辞書で「犬」を調べてみてください。知っていると思っていた言葉に、実は様々な意味があることに気付くはずです。学ぶなかで気になったことや気付いたこと、気になったことがあれば、どんどん言葉に出してみましょう。
「なんで、りんごは青森の名産なんだろうね」「この動物、面白そうだからYouTubeで見てみようか」など、学ぶ姿勢を子どもに見せることはとても価値のあることです。
父母で教え方が違うのも、仲間モードであれば問題なく受け入れられるはずです。
もともと考え方や学び方に正解はないのですから、「お父さんとお母さんで考え方が違って面白いね」と、親からどんどんさらけ出していきましょう。
子どもが新しい考えを披露したときは大チャンス。「すげー」「どうやって考えたの?」「思いつかなかったよ」などなど、「仲間目線」でリアクションすると、効果は絶大です。
■子どもが決めたことを守れそうにないときの「壁」になる
一方で、「壁」とは、譲ってはいけないラインを示し、譲らないことです。
ルールを破ったときは例外を認めずに対応するのです。決めた時間に勉強していなかったら、タブレットの使用時間を制限するなど、あらかじめルールを決めてその通りに対応しましょう。
言うのは簡単ですが、継続が難しいもの。ですから、「壁」となるようなるルールはシンプルなものにします。
「20時から30分勉強する」「自分で考えてから答えを見る」など、「行動した・行動していない」ことが明確にわかるものにして、あらかじめ見える場所に書いて貼っておきましょう。
ルールは事前に決めることが大切です。「後出しじゃんけん」は絶対にダメです。
事前に子どもと話し合い、ルールを一緒に決めておくことが子どもの納得感を作り出します。
それでも子どもが文句を言うことはあるでしょう。そこは親が「壁」になって、譲ってはいけません。事前にルールを決めているので、感情的にならずに対応できるはずです。
「ちゃんと教えよう」と思うから、いろいろと悩んでしまうのでしょうね。シンプルに親としてやるべき役割を意識したいと思いました。
(取材/文・橋本真理子)
八尾直輝さん
PROFILE)
勉強のやり方を教える塾「プラスティー」を創業、現在は取締役・塾長として、会社の経営、塾の運営全般に関わっている。共著に『小学生から自学力がつく!』(すばる舎)や『子どものやる気を引き出すゲーミフィケーション勉強法』(講談社)がある。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2023年2月の情報で、現在と異なる場合があります。