○○円以上購入で送料無料【御手洗直子のコマダム日記 #181】
一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。
「つっこみが止まらないコマダム日記」#181
今回は通販の送料にまつわるお話です。
送料無料、私の好きな言葉です。
Amazon(※条件付き)やヨドバシなどの便利でありがたいサービスを利用していると送料は無料であるという錯覚に陥ることがある。違う。愚かな。送料は無料ではなくその分誰かが負担しているのだ。それは商品を販売している企業であるかもしれないし、運送会社であるかもしれないし、ひっそり送料分が含まれた価格を支払っている自分かもしれない。そう理屈ではわかっていても『送料無料』と書かれているとそっちの方へなびいてしまうのである。愚かな。弱い人間なのだ。私は。
さて、そんな通販生活に慣れてしまうと送料が有料だった場合、高いな。と思ってしまう。
例えば500円のお菓子を買って送料が500円だと高いと思ってしまう。これで高いと思わない人はたぶん石油王とかなんとかコインで儲けた人なんだと思う。よくわかんないけど。そんなわけでおそらく多数の人がそうであるようにお菓子をいっぱい買って送料を薄めようとする。500円のお菓子を10個買えば商品代金5000円に対して送料500円になるわけである。アッタマイー。たぶん良くはない。でもそれしか方法が無かったんだ。わかってくれ。
そんでお菓子が10個届く。5個くらいは自分で食べるが、せっかくなので友達に配ったりする。これお取り寄せで買ったやつなんだけど、おいしかったから食べて~とか言いながら配る。はちゃめちゃに企業の思う壺なのである。ちなみに8000円以上送料無料と書いてあれば8000円分買う消費者である。おそらく送料を払った方が安い。
そんな中、先日某有名店のかき氷を通販した。昔通販しておいしかったのでまた食べたくなったのだ。3300円のセットを買って、箱代210円+ドライアイス代630円+送料1150円である。3300円の商品を買ってその他代が1990円である。経費は無料ではないのだ。だってクール便だぞ。と100回唱えてもキツい。キツいけど食べたいので歯を食いしばってポチッた。歯をくいしばるな。食べに行ければ良いのだがとんでもなく遠方なので通販するしか術が無いのである。食べに行けば数万円だ…それが1990円で食べられると思えば安いものだ。しかしーー。という葛藤を友人に話したところ『水だぜ?!』と言われた。暴言にもほどがある。かき氷はとてもおいしかった。
という事情がありいもけんぴを10袋頼んだのだ。しょうがなかったんだ。いもけんぴ代5000円(送料500円)である。(おわり)
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子X(旧twitter):@mitarainaoko