乳幼児の【寝かしつけの悩み】TOP3に寝かしつけ専門家が回答
今回のテーマは「寝かしつけの悩み」です。
子どもが自分1人でスムーズに寝られるようになるまで、子どもの寝かしつけの悩みはつきないですね。
「たまひよ」アプリユーザーに聞いた、寝かしつけの悩みの中でも多かったものの解決策を、乳幼児睡眠コンサルタントのねんねママ(和氣春花)さんに伺いました。
「なんで赤ちゃんはあんなにギャン泣きするのだろう…」
最初に、みんなの悩みからご紹介します。
「生後5ヶ月頃、抱っこしても何してもギャン泣きの時期があり、昼夜問わず1時間以上泣き続けてのけぞる我が子をなだめて、落ち着くまで抱っこしていた…」(ビーグルズ)
「背中スイッチが発動してしまうのと、横抱きの抱っこじゃないと泣いてしまうので大変。いまだに3時間で起きてしまい、授乳しないと泣き続けることが大変」(くろ)
「赤ちゃんがギャン泣きして、なかなか寝てくれなかったのでツラかった」(パン)
「寝かしつけても30分後にはギャン泣きの繰り返し。疲れて枕に向かって叫んだことも。
だから日中だろうと関係なく、子どもが寝たら一緒に寝て少しでも睡眠時間を確保しました。家事ができないことが前提で、大雑把でもやった自分を褒め、夫にも協力してもらい自分の体力の負担を減らしてます」(むっ)
「母乳をあげながらソファーに座って寝る日が続く。ベッドに置くと泣きスイッチが入って最初からやり直しなことが辛い」(あーやん)
「布団に降ろした途端に泣き叫ぶので辛い」(かえる)
「どんなに自分の体調が悪くても、寝かしつけないといけない。先日はイライラしすぎて思わず『うるさい』と言ってしまった…」(さゆり)
「自分が眠い時に限って寝かしつけがうまくいかず、心の余裕がないのでイライラしてしまった」(なめろう)
みなさんの声を聞いてみると、特に多かったのが以下の3つ。
・ギャン泣きしだすと、何をしても寝てくれない
・抱っこや授乳で寝かしつけても、布団におろしたり、離れると起きてしまう
・寝かしつけがうまくいかずに、イライラする
この3つに対して、乳幼児睡眠コンサルタントのねんねママにアドバイスいただきました。
赤ちゃんが眠れないのにはワケがある
とてもよくわかります。私自身2人の子を育てていますが、特に1人目のときは完全にお手上げ状態(でも逃げられない…)で、毎日夜も昼もずっと抱っこ。手首にはテーピング、目からはいつも涙が流れていた記憶があります。
赤ちゃんは言葉で訴えてくれないので、こちらも何をしてほしいのか、何をすれば泣き止むのかが理解できず、つらいですよね。
ですが、寝かしつけの悩みは手順を追っていけば解決可能です。
ここでは、みなさんの声から多かった3つのお悩みの視点から、解決方法を解説していきます。
① ギャン泣きしだすと、何をしても寝てくれない
もしかするとそのギャン泣きの原因は「疲れすぎ」かもしれません。
赤ちゃんは大人が思うよりも長く起きていられません。新生児〜1ヶ月のお子さんなら連続で起きられる時間の目安は1時間程度、2〜3ヶ月なら1時間半程度です。月齢が高くなるごとに少しずつ長くなっていきますが、6ヶ月で2〜3時間程度、9ヶ月で3〜4時間程度が目安です。
「思ったより短い」「うちの子、ぜんぜんもっと長く起きている」という方も多いのではないでしょうか?
長く起きすぎていると、赤ちゃんは疲れすぎてパニックになってしまいます。そうなると「眠い! なのに、うまく寝られない!」とギャン泣きすることに。
先ほどの時間を意識して、なるべく疲れすぎないようにこまめに昼寝を取り入れることで、ギャン泣きして寝てくれないのを防ぐことにつながります。
もしすでに疲れすぎてしまってギャン泣きしているなら、外に出たり風にあたったりして、気分転換しつつ、とにかく手厚く抱っこや授乳で寝かしつけるのが近道でしょう。そして、次からは「これだけ起きているとパニックになるのか」と考えて、寝かしつけのタイミングを意識してみてくださいね。
② 抱っこや授乳で寝かしつけても、布団におろしたり、離れると起きてしまう
環境が変わった時(抱っこで寝たのにおろされた/授乳で寝たのにおろされた等)に反応して起きるのは本能です。
もし私たち大人が、寝室で寝たはずなのに。そーっとそーっとお風呂場に運ばれていたらどう思うでしょうか? あれ?!と気づいて「ちょっとちょっと! なにやってくれてるの! 寝室に戻してよ!」と抗議するのではないでしょうか?
赤ちゃんも同じなのです。
抱っこや授乳で気持ちよく眠ったはずなのに、気づいたら布団やベッドに下ろそうとされている…「ちょっとちょっと! なにしてくれてるの! 元の状態(抱っこ/授乳)に戻してよ!」そう言っているのです。
そうはいっても、ずっと抱っこし続けたり、授乳し続けたりではこちらの身体がもたないですよね。
そこでまずは、布団(ベッド)が正しい寝床であることを教えることから始めてみてください。ここで寝るのが正しくて、寝る=抱っこ(授乳)ではないんだよ、と伝えていきましょう。
伝え方としては、「口頭(ジェスチャー含め)で説明」「まずは布団(ベッド)において数分見守る」という2つのことをしてみていただければと思います。
最初から当たり前のように「さぁ、ねんねだよ〜」と抱き上げるのではなく、まずは寝床に入って寝ようとしてみて、ギャン泣きしてしまって寝られなければ少し抱っこ→おろしてまた数分様子を見る…と繰り返してみて、最初からおりて寝る練習をしてみることをおすすめします。
はじめから布団(ベッド)で寝られるようになれば、環境が変わらないので刺激で起きてしまうことは減らしていけますよ。
③ 寝かしつけがうまくいかずに、イライラする
「いくらゆらゆらしても寝てくれない」
「やっと寝たと思ったら起きちゃった」
そんな思いで、泣いている赤ちゃんを眺めながらこちらが泣きたい気分になる…そんな経験を私自身もしてきました。
でも「うまく寝てくれない」のにはなにかしら原因があることがほとんどです。
その原因は大きく分けて「生活リズム」「環境」「寝かしつけの癖」の3つに分かれます。
「生活リズム」は最初に①で解説したように「昼寝が足りない」「疲れすぎ」などの要因がないかを見直してみてください。
「環境」は暑かったり寒かったり、なにか眠りの妨げになるような、光っているものがないかなどを見直してみてください。
そして「寝かしつけの癖」については、②で解説したように「親が◯◯しないと寝られない」というのを少しずつ減らしていき、自分で寝る力をつける練習してみることです。場合によっては、ねんねトレーニングをすることで短期間で解決できることもあります(ねんねトレーニングはしなくてはいけないものではありませんが)。
この「自分で寝る力」がつくと、寝かしつけの必要がなくなり、ストレスから解放されますよ!
子どもが「自分で寝る力」をつけられれば、寝かしつけの悩みはかなり低減されそうですね。
(取材/文・メディア・ビュー 橋本真理子)
ねんねママ(和氣春花)さん
PROFILE
乳幼児睡眠コンサルタント。株式会社mominess代表。慶應義塾大学卒業。自身が夜泣きに悩んだ経験から国内外の乳幼児睡眠に関する資格を取得。0〜3歳モンテッソーリ教師資格保持。YouTube「寝かしつけ専門学校ねんねママチャンネル」やInstagramなどで発信を続け、2022年現在、SNSの総フォロワーは10万人超。運営する「寝かしつけ強化クラス」では月間200問以上の睡眠に関する質問回答を行っている。著書に『すぐ寝る、よく寝る 赤ちゃんの本』(青春出版社)がある。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2023年6月の情報であり、現在と異なる場合があります。