何かと気を遣うことが多い「子連れ外食」。みんなが気を付けているマイルールは?
外食に行きたいけれど、子連れだと気を遣うこともありますよね。「たまひよ」アプリユーザーに、子連れ外食についてアンケート調査。保育士経験もある大阪教育大学教授の小崎恭弘さんに子連れ外食のコツを聞きました。
子連れ外食の経験&マナーのマイルール
アンケートによると、約70%が子連れ外食の経験「あり」、30%が「なし」という結果になりました。
子連れで外食をする際に、気を付けているポイントを聞いてみました。
■事前にリサーチ
「事前に子ども用の椅子があるか、ベビーカー入店可か、離乳食持ち込みOKかなどをネットでリサーチし、何件か候補を上げてから行くようにしています」(棚からぼたもち)
■離乳食を持参
「子どもはまだお店で食べられる物は少ないので、子連れでも入りやすい店にだけ行っています。親が食べている間は待っていてもらわないといけないため、離乳食も持っていっています」(A)
■事前にメニューをチェック
「子どもが食べれるものがあるか、子連れでも浮かないか事前に調べています」(こまり)
■子どもと一緒でも安心なお店選び
「子どもが食事を取れるスペースがあるところに出かけています。子どもが汚さないように、タオルは必ず持参しています」(ゆん)
■カトラリー&飲み物を準備
「エプロン、箸、スプーン、フォーク、飲み物は必ず持ち歩いています」(ひろろ)
■ゴミは持ち帰る
「おしり拭き必須で、どこへ食べに行っても床は拭く。拭いたものは袋に入れて必ず持って帰る。店には一切置いて帰りません」(ボンボン)
■早めの時間帯に
「なるべく子どもが多くいそうな場所を選び、時間帯も早めにしています!」(のん。)
■おもちゃ持参
「子連れでも大丈夫なお店を選んでいます。おもちゃなどを持参し、待ち時間ぐずらないようにしています。泣くようであれば、外に出ます」(はっち)
子連れ外食を楽しむために準備するといいこととは?
たまには外食したいな…と思っていても、子どもがいると億劫になることも。そこで、外食を快適にするためのポイントを小崎恭弘さんに聞きました。
「アンケートの結果1/3程度の方が、外食ができていない様子がわかります。外食に限らず幼い子どもを連れて、外出したりお出かけすることはなかなかハードルが高いモノです。
なぜこんなにハードルが高いのでしょうか。いくつか理由があります。
1.子どもの健康状態や機嫌などが不安定で、親の思うタイミングで外出がしにくい。
2.子どもとの活動は想定外の状況や対応が求められ、様々な準備物が多く必要になる。
3.移動中や食事の場面などで子どもの様子によっては、周りの人やお店に何かしらの迷惑がかかるかもしれない。
もちろん他にも色々とあるとは思いますが、これらが大きいのではないでしょうか。夫婦2人の時は外出にしても外食にしても、自分たちのペースで、またその場の判断で自由に決めて、そして行動することができました。時間が空いたからということで、突然、弾丸旅行などに行くことも可能だったでしょう。
しかし子どもが生まれた途端に、その生活の中心は『子ども・赤ちゃん』となります。もちろん最も幼きそして弱き存在を守り育てるのが子育ての本質なので、そのこと自体は当然のことなのですが、それまでの生活との余りの違いに少し戸惑うこともあります。
子どもは可愛いしとても愛おしい。けれどそのお世話や対応ばかりで、1日が終わってしまったり、自分のやりたいことや少しの休息も全くない。幼ない子どもと共に生活をしていれば、時としてそのように感じることもあるのではないでしょうか。
そんな大切ではあるが大変な生活に、少しの変化やご褒美はやはり必要だと感じます。なにかとてもすごいモノや事ではなくてもいいので、少しの変化や楽しみは欲しいですよね。そんなささやかなものの一つが外食ではないでしょうか。
ぜひ良き気分転換や生活のアクセント、自分のご褒美や家族の思い出作りに、外食をうまく活用して欲しいと思います。そのためにもスムーズな外食ができたるために、いくつかポイントを押さえておいてみてはいかがでしょう」(小崎恭弘さん)
子連れ外食のポイントとは?
■子どもの体調・機嫌が最優先
子どもはお天気屋さんです。今泣いていたと思ったらすぐにニコニコ。当然反対もあります。大人の思うようには、決して動いてはくれません。けれどそれが子どもの姿です。だからまずは、子どもの体調や機嫌を大切に考えましょう。私も自分の子どもが幼いときに、外食や旅行の予定を立ててました。不思議なことにそのようなときに、子どもたちは機嫌が悪くなったり、熱を出したりしますね。それでも無理して行くと、体調がより悪くなったりして保育所の休みが長引いたりも。親が後悔することになりました。
■お店の情報を得よう
世の中にはたくさんのお店があります。当然それぞれ特徴やサービスが異なります。子どもと一緒の食事を歓迎してくれるところもあれば、そうではないところもあります。だからこれから行くお店や行きたいお店が、どのような状況かあるいはサービスがあるのかは、事前に知っておくと安心です。また子どもの年齢に応じて、場所やメニューやサービスを様々に提供してくれるところも増えてきたように思います。お店の方と良いコミュニケーションをとってお互いに気持ちよく過ごして欲しいです。
■周りと仲良くやりましょう
食事をするお店やまたそこにおられるお客さんも、様々な考え方を持っています。残念ですが、全ての方が子どもに対して好意的に見ているわけではないと思います。
しかし一定のマナーやルールを守っていれば、あまりに周りに対して卑下する必要もないと思います。周りの方に対して不快感を与えるようなことは、あまり良いとは思いませんが、お店や周りの人たちと仲良くできれば良いですね。
最初に一言伝えたり、パパやママがうまく交代しながら子どもの対応をしましょう。また子どもが走り回ったり、大きな声で叫んだりすることはいけないと、一般的なマナーとして子どもに伝えたいですね。
子連れ外食は、お店選びから準備するものまで本当に気を遣いますね。でも気の遣いすぎは疲れてしまいますから、マナーやルールを守っていれば、先生のアドバイスのようにあまり卑下する必要もないのだと思いました。
(取材・構成/メディア・ビュー 酒井範子)
小崎恭弘さん
PROFILE)
大阪教育大学附属天王寺小学校 校長。大阪教育大学教育学部教員養成課程家政教育講座教授。専門は「保育学」「児童福祉」「子育て支援」「父親支援」。ファザーリングジャパン顧問。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験をから「父親の育児支援」研究を始め、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等にて、父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修等で、講演会等を行うように。著書に『育児父さんの成長日誌』(朝日新聞社)、『パパぢから検定』(小学館)など。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2023年5月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです(有効回答数153人)
※記事の内容は2023年9月の情報で、現在と異なる場合があります。