いよいよ入園!「子どもが病気のときは?」「園に慣れる?」「保育の質は?」入園直前の不安解消マニュアル
今春、保育園や幼稚園にお子さんが入園される皆さま、おめでとうございます!
我が子の晴れ晴れとした姿を見ることは喜ばしいですね。でも、新たな環境に不安を持つ方もいるのではないでしょうか。
今回は、保育園や幼稚園に抱いている心配事について、「たまひよ」アプリユーザーに聞いた不安を紹介するとともに、保育ジャーナリストの普光院亜紀さんに、園への心配事を解消するヒントを聞きました。
我が子の病気、人間関係、両立、保育の質など心配事は山積み
最初に、「保育園・幼稚園入園に際して、心配なことはありますか?」という質問への「たまひよ」アプリユーザーの回答から、いくつかの声を紹介します。
「入園したら風邪などの感染症にかかることが予想されますが、職場が遠方なので、お迎えの要請にすぐ対応できないのが心配です」(ぱんまん)
「ママ友との関係(そもそもママ友ができる?)や、子どもが病気をもらってくることが心配」(R)
「今、保育園や幼稚園へ行っていないので、お友だちが1人もいません。児童館へも何回か通いましたが、気の合うママはおらず、気の合うママ友ができるのか不安です」(みによん)
「夫婦ともに、保育園や幼稚園が嫌いな子ども時代だったので、我が子も保育園に慣れるまで時間がかかりそうと思っています。また、朝の準備が慌ただしくなりそうで、ちゃんと保育園や仕事に間に合うかが不安…」(おもち)
「保育士による虐待がニュースで問題になっていたり、親戚の子どもが保育園で虐待を受けたことも聞いたので心配しています。ただ、保育園見学では見抜けないし、入ってみないとわからないものですよね…」(そり)
園には徐々に、親子のペースで慣れていくもの。気になることはぜひ相談してみてと専門家
心配なこととしてあげられたのは、「子どもの病気」「子どもや親が園に慣れるか」「ママ友ができるか」「仕事との両立ができるか」のほか、虐待・性被害・保育の質などを心配する人が増えたように感じます。そこで保育園事情にくわしい普光院亜紀さんに聞きました。
――子どもの病気の際の対応や、急なお迎えの要請を心配する方が多くいましたが、知っておくといいことはありますか?
「園には通常、病児が休むスペースがあり、保護者が来るまでは診ていてくれます。お迎えに行くまで時間がかかるときはあらかじめ伝えておくとよいでしょう。ただし、園との信頼関係を大切にして、なるべく早く行く努力は忘れないようにしましょう。
保育園でも幼稚園でも、入園当初は立て続けに感染症にかかる場合が多いでしょう。でも、免疫がついてくると休まなくなるので、『免疫貯金』と思って耐えましょう。
仕事を休みにくい人は、復帰前から病児保育に登録したり、病児シッターサービスを探したりしておくとよいでしょう」
――ママ友ができるかどうか、心配する方も多かったです。
「保護者同士のお付き合いは、あったほうが何かと安心ですが、焦る必要はないと思います。園の行事などで顔を合わせる機会があるはずですので、声をかけてみては?気が合う・合わないを気にしないで、『子どもや園のことを話せればいいや』くらいに思っていたほうが、気楽にお付き合いができると思います」
――子どもが保育園に慣れるかどうかについての心配についてはいかがですか?
「入園後は慣らし保育があるので、親子のペースで慣れていけるはずです。親が不安を感じていると子どもに伝わってしまうこともあるので、保育者を信じて預けましょう。泣いてしまっても、親がその場を立ち去るとお友だちやおもちゃに気を取られて泣き止むお子さんも多いものです」
――保育の質を見極めるポイントや悩み事があった場合の対応について教えてください。
「保育の内容については、不適切保育の報道があるたびに不安になりますね。
園選びで、施設長や保育者の人柄をしっかり見ることが大切です。子どもに接する姿勢がおだやかで、子どもを尊重している様子があれば、おおむね大丈夫ではないでしょうか。
大きな声で号令をかけて子どもを動かしているような園は、教育的に見えるかもしれませんが、子どもに対する当たりが厳しいこともあります。
心配であれば、『しつけ』について聞いてみると、園の考え方がわかります。園での『しつけ』は、子どもが園で楽しく生活しながら生活習慣を身につけられるように保育することだと思います。大人に従わないからと厳しく叱ったり罰を与えたりしないと『しつけ』ができないと考えている園は、リスクがあるかもしれません。
入園後に不安を感じるようなことがある場合には、保育者もしくは主任・施設長に相談してみてください。保護者の指摘を受けて保育が修正される場合も少なくありません」
(お話/普光院亜紀さん)
保育園や幼稚園へ子どもを通わせている親にとって、我が子の病気のときの対応は、何年も前から一番に挙げられる心配事。そして、そのほかの心配事も、最初からすべてがうまくいくわけではないので、事前の準備はしつつ、焦らず少しゆったりとかまえたほうがストレスを抱え込まずにすみそうですね。
(取材/文・橋本真理子)
普光院亜紀さん
PROFILE
働く親のネットワーク「保育園を考える親の会」アドバイザー、保育ジャーナリスト、大学講師。保育園や仕事と子育ての両立についての著述・講演活動などをしている。著書『後悔しない保育園・こども園の選び方』(ひとなる書房)ほか多数。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2024年3月の情報で、現在と異なる場合があります。