よだれや臭いに悩む、けど毎日洗うのは面倒…。枕カバーって、どのくらいの頻度で洗えばいいの?専門家に聞く
今回のテーマは、枕カバーの洗濯頻度についてです。なんとなく、他人に聞きやすい話ではないですよね。そこで、「たまひよ」アプリユーザーのみんなの声とともに、洗濯王子として正しい洗濯方法をさまざまなメディアで伝えている中村祐一さんに、適正な洗濯頻度について聞きました。
2〜3日に1回から1ヶ月に1回まで様々な回答が
最初にアンケート結果からご紹介します。
Q: 普段、枕カバーはどのくらいの頻度で洗濯しますか?
毎日 2%
2~3日に1回 16%
1週間に1回 33%
2~3週間に1回 24%
1ヶ月に1回 17%
枕カバーは使っていない 4%
その他 4%
1位 1週間に1回、2位 2~3週間に1回、3位 1ヶ月に1回という結果になりました。
では、洗濯頻度ごとの意見を紹介しましょう。
◆毎日洗濯派
「枕カバーを洗うのは大変なので、タオルを枕にかけて、それを毎日交換しています!」(さや)
◆2~3日に1回洗濯派
「今、妊娠後期なのですが、おなかが大きくて真横を向いてしか眠れません。そのためか、寝るとよだれがたれて枕が汚れてしまいます……。汚い話ですが、小さな悩みです」(うきたろ)
「着脱しやすいものにして、洗う頻度を下げないようにしています」(yuka)
「日々のお洗濯と同じ頻度で洗います!朝、パジャマと一緒に洗濯機へ」(めあり)
◆1週間に1回洗濯派
「もっと頻繁に洗いたい(笑)。特殊な形で乾きにくいカバーなので、もっと乾きやすくなる工夫などがあればいいのになと思っています」(ちゅうみ)
「汗をかきやすい時期は洗濯頻度を上げたり、バスタオルを巻いたりして清潔を保つようにしています」(豆ピヨちゃん)
◆2~3週間に1回洗濯派
「洗濯できなくても替えられるように、洗い替えを何枚か用意しています」(Luka)
「まめに洗いたいのに忘れてしまうことが悩みです」(やな)
◆1ヶ月に1回洗濯派
「タオルを敷いて、そのタオルだけは2〜3日に一度替えている」(数万円)
タオルを敷いているという人が意外にたくさんいました。
また、こんな悩みも寄せられました。
「夫の枕や枕カバーを洗いたいが、洗濯するときに夫がまだ寝ているので、なかなか洗濯できない…」(まよ)
「夫の枕が気づくとくさい。日に当てたり消臭スプレーをしたりすると数日は落ち着くけど、また臭くなってしまう」(ay)
「夫が髪を染めているのですが、枕がいつも黒くなって困ってる」(リンリンりんご)
大事なのは「洗う頻度ではなく、洗うときにきちんと汚れが落ちているか」と専門家
枕カバーは、直接顔に触れるものなので、気になりますね。いったい、どのくらいの頻度で洗うといいのでしょうか。洗濯の専門家・中村祐一さんにお聞きしました。
「肌着や下着、タオルなどと同様に、肌に直接触れるアイテムは身体から出る汚れを落として清潔に使うことが求められるアイテムになります。
こういった衛生が求められるアイテムは、使うたびに取り替えて洗うことが基準になります。
ただし、これは毎回取り替えて洗うことを強制したいわけではありません。『これを基準にして考えてください』ということです。
頻度を下げていくほど、衛生的に使いにくくなることを踏まえて、ご自身の生活の中でどうするのかを考えて欲しいのです。
僕自身は、毎日取り替えることはしていません。
そろそろ洗おうかなと思ったときに洗うと言った感じで、特に明確に日数を決めている訳ではありません。
そんなゆるさですが、カバーのニオイや汚れで困ることは、ほぼありません。
その大きな要因の一つには、やはり洗濯時にきちんと汚れを落とす洗い方をしているということがあげられますす。
肌に直接触れ、清潔に使うことが求められるアイテムは、身体から出る汚れを落として清潔に洗うために、以下の洗い方が基準になります。
・弱アルカリ性の洗剤を使用
・水温は40℃程度
・洗い時間は10~15分、すすぎ3回、脱水3分
・柔軟剤は不要
この基準から下がるほど、汚れが落ちにくくなり、清潔に使いにくくなります。皆さんの普段の洗濯と比べてどうでしょうか?
そして、この洗い方は基本的に白い綿の枕カバーを想定しています。
綿素材は、身体から出る汚れをきちんと吸わせ快適に使うための吸湿性があります。
また白であれば、汚れ具合がわかりやすいので洗う判断もしやすくなりますし、色落ちのことを考えなくていいと、洗濯で温水や洗浄力の強い弱アルカリの洗剤を使った処理もしやすいので、衛生も保ちやすくなります。
衛生が特に大事な、ホテルや病院の枕に白い綿のカバーが多いのもうなずけると思います。
洗う頻度のことばかり意識が行きがちですが、快適に清潔に使うためには色や素材について考えることも大切です。
汚れを落とすのに大事なのは、すぐに洗うことではなくて、洗うときにアイテムに合った洗い方できちんと洗浄力を出すことです。
汚れがきちんと落ちる洗い方をするのは、一見面倒くさそうに見えるかもしれませんが、実際は逆で、その後がかなり楽になります。
きちんと汚れが落とせる洗い方になっていれば、あわてて頻繁に洗わなくてもよくなるので、1週間くらいおいておいても別に大丈夫。
その結果、洗濯に追われなくなります。
『共働きでなかなか洗濯する時間がない』『つい洗うのを忘れてしまう』といった人にもメリットは大きいはずです。
また、同じ洗い方ができるアイテムがある程度まとまった段階で洗えば、洗濯の回数も増えません。
つけ置きや漂白など余計な手間も要らなくなります。
枕本体の洗濯については、ご家庭ではする必要はないと思います。枕本体の汚れをできる限り防ぐために、カバーがあるのですから。
空気の通りを良くして干すなどして、湿気をためないように気をつけていればいいでしょう。
枕を買うときには、洗うことを重視して「洗える枕」などを選ぶ人も多いかもしれません。
ですが、枕は洗うことを目的に選ぶのではなく、身体に負担が少なく、快適に眠れるかどうかで選ぶべきです。
もし枕本体をどうしても洗いたい場合には、ご家庭で無理やり洗濯するのではなく、枕の大切な機能を維持するためにプロにクリーニングを依頼しましょう」(中村祐一さん)
「◯日ごとに洗わなきゃ!」と思わなくてすむことはうれしいですね。まずはきちんと汚れを落とすことからですね。
(取材・文/メディア・ビュー 橋本真理子)
中村祐一さん
PROFILE
長野県伊那市のクリーニング会社「芳洗舎」3代目。「洗濯から、セカイを変える」という信念のもと、2006年から洗濯アドバイザーとなり、現在は「洗濯家」。「衣・食・住」における「衣文化」の革新に取り組む。「洗濯王子」の愛称で、テレビ・雑誌など各種メディアにも多数出演。オンラインで、プロから洗濯を学べる講座「ゼロから学ぶ洗濯」も運営。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2024年10月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数386人)
※記事の内容は2023年12月の情報であり、現在と異なる場合があります。