“いいお嫁さん”を無理して頑張らない、義実家の台所には入らない……クール化が進む!?令和の嫁事情
「たまひよ」アプリユーザーに「義実家に対して、やたらと『いい嫁』『いい婿』を頑張ってしまうことはありますか?」と、質問。「頑張っていない」は半数を超え、「頑張ってしまう」32%を上回りました。また「義実家での台所のお手伝い」では、約80%が「基本的には台所に入らない」と、回答。クールな令和の嫁事情が垣間見えてきました。二児の母で子育てアドバイザーの長島ともこさんに聞きました。
義実家に対して、やたらと「いい嫁」「いい婿」を頑張ってしまうことはありますか?
1位 頑張ってしまう 32%
2位 頑張っていない 27%
3位 頑張っていたけど、今はやめた 21%
4位 その必要はない 20%
「頑張っていない」「頑張っていたけど、今はやめた」を併せると48%という数字に。
「その必要はない」20%でも「いい嫁を頑張っても疲れるし、いつかバレるので、最初から自然体」(ほーほ)という、「頑張っていない」コメントが中心で、過半数のお嫁さん・お婿さんは無理に頑張らず自然体と推測できます。
それぞれのコメントを紹介します。
気まずくなるのが苦手なため……頑張ってしまう派
「嫁に入ったので、いろいろと気を遣うのは当たり前だと思っています」(おちびママ)
「義両親がとても良くしてくれるので、良い意味で頑張ってお返ししたくなります」(GU美)
「結婚前の顔合わせの時から気を遣って頑張っています。が、義母義父ともにあっさりしていて、時折肩透かしをくらう(笑) 気張らなくてもいいかもしれない……と思い始めているところです」(ひとみん)
という、良い意味で頑張ってしまう人は少数派でした。
やはり「気まずい空気を避けるため」として、ついつい頑張ってしまう人が多いようです。
夫と義実家の間に入って、頑張ってしまう派
「夫と義実家があまり仲良くないので、私が間に入って交流をもつように心がけています」(mwa)
「夫は気が利かなくて何もしない。母の日やお墓参りの時期は、私から義父母に連絡を取っています」(sho)
「義実家に帰ると、お義母さんがせわしく動いているのに、夫はデーンと座って何もしないのでイラッ。私自身も気が利かないタイプなので、『何かやることありますか?』と聞くけれど、お義母さんはデキる人なので恐縮してしまう」(ペンネ)
「義母が夫に話したいことは、夫ではなく私に連絡がきます。夫は面倒くさいと後回しにするので、私を通せば何とかなると思っているようで……」(みっけた)
子どものために、頑張ってしまう派
「義父は娘のお祝い事の度にお金を包んでくれるので、ついつい良い嫁をがんばってしまう」(まーる)
「本音を言えば、うんざりしていて縁を切りたいです。でも私と義両親の関係性と、子どもと祖父母の関係は無関係。私の感情で娘の可能性や愛される関係性を閉ざすのはおかしいと思うので、頑張っています」(なうさん)
長く続かないとわかっていたので、最初から頑張らない派
「頑張ると、それが当たり前と思われてしまうので、頑張らないことを頑張っています」(しょー)
「夫の連れ子2人のステップファミリーです。結婚が決まった当初から、酔っぱらった義父から毎回『息子(夫)が心配だった!ありがとう!』と、言われます。連れ子のひとりに軽度の障害があると気づいたのは私だし、支援学校への頻回な面談なども私がしているので、義両親からはめちゃくちゃ感謝されており、義実家では上げ膳据え膳です(笑)私も子どもの面倒をお願いしたり感謝はしているので、父の日、母の日、誕生日にはきちんとプレゼントを贈っています」(ぱぴこ)
「義母と同居をしている時は、ご飯を作るのは当番制、食器洗いはじゃんけんで、休日は一緒に出かけていました。今は同居解消したけれど、夫に内緒でランチするほど仲良しです」(のん)
「出産を機に余裕がなくなり」という意見多し。頑張っていたけどやめた派
「元気で気の利いた嫁であろうとお義母さんの前では頑張っていましたが、妊娠して色々と融通が利かなくなったタイミングですぱっと辞めました!素の自分を知ってもらえた方が楽でした」(かなゆう)
「新婚の頃は、義実家にお泊りしたら早起きして朝ごはんの支度を手伝っていましたが、子どもが生まれてからはそっちのお世話が優先となり、できなくなりました」(みー)
「新婚の頃は、夫に『うちの嫁はできがいい』と、思われたくてついつい頑張りすぎました。義実家ではかなり気を遣っていたので、帰宅後は疲労がドーン。『行きたくないなー』という思いがどんどん強くなっていた時期に、妊娠・出産。お手伝いをする余裕がなくなり、やめました」(あんこもち)
そんな必要はなかったのでやめました派
「義母がいつも私の味方で、何でも許してくれるので素の自分でいられます。最初は頑張っていたけれど、そんなことをする必要はありませんでした」(あやな)
「新婚の頃はかなり気を遣っていましたが、今はなんでも話せる仲です。嬉しい時は嬉しいと言うし、嫌な事もはっきり言います。義母もそんな感じなので、今の関係が居心地良いです」(yuri)
「義母が姑にかなり苦労したそうで『お嫁さんが来てくれたら絶対に仲良くしたい』と言ってくれたので、頑張るというか自然に私も何か義母のためにしたいと思うようになりました」(可憐)
「義実家は本当におおらかで優しい。良い嫁ぶって頑張っていましたが、私が何度失敗しても優しく見守ってくれるので、頑張ることをやめました」(かわさき)
「義実家は頭が良いので、最初は賢そうな話し方を心がけていましたが、疲れるし多分ボロが出ているんだろうなぁと察して猫をかぶるのをやめたら、むしろ仲良くなれました(笑)」(あおあお)
やはり“あるある”です。イラっとしたのでやめました派
「新婚の頃は気に入られたくて頑張っていましたが、何かと義姉と比べられるようになり、やめました」(えい)
「義母はかまってちゃんです。義母が入院した時には『歩行器で歩いた』『自力でトイレへ行けた』『うんちが出せた』などの細かな報告が私にきました。『よかったですね』『すごいですね』と、私に褒めてほしいんです。でも私は暇じゃないし、義母の親じゃないし。『連絡多すぎ』と、指摘させてもらったけれど、その後もこっちの都合を考えず電話がきました。どうやら私ならわかってもらえると思っているようで……。私に甘えているのでしょうが、もう気を遣うのはやめようと思いました」(しろうさぎ)
「誕生日プレゼントはやめました。子どもの誕生日に何もなかったので」(ちょこた)
「同じ市内の義母には、母の日などプレゼントを贈っていましたが、子どもたちに全然会いにこないし連絡してもスルー……。私の実家は子どもたちに色々と買ってくれるのになぁと、モヤッたのでやめました」(まちゃ)
義実家の台所事情からも垣間見られる「必要以上に気を遣わない嫁」スタイル
さらに、「帰省などで、義実家を訪問した際、台所仕事を手伝いますか?」という、アンケート結果では、驚くべき数字となりました。
1位 基本的に台所には入らないが、配膳や片付けなどは手伝う 56%
2位 まったく手伝わない 23.5%
3位 基本的には台所に入って手伝う 12%
4位 その他 8.5%
「基本的には台所に入らない」「まったく手伝わない」はあせて79.5%に。
ちなみに「その他」8.5%は、「義実家へ行ったことがない」「同居」でした。
社交辞令は昔の話?トップは「義母(義父)が『ゆっくりしてて』と言うから」
「まったく手伝わない」「基本的には台所には入らない」と答えた方に伺います。その理由を教えてください。
1位 義母(義父)が「ゆっくりしてて」と言うから 41.2%
2位 台所は義母(義父)の聖域だから 19.1%
3位 台所の使い勝手や義親の好みの味がわからないから 14.5%
4位 その他 9.9%
5位 赤ちゃんのお世話があるから 9.2%
6位 手伝う必要はないと考えているから 4.6%
7位 過去に台所のお手伝いをして嫌な体験があったから 1.5%
「ほぼ何も手伝っていません。配膳や片付けも『やらなくて大丈夫』と、言われます。建前で言っているようには思えず、とても優しい義両親です」(ぽか)
「お客様対応をされるので、あえて踏み込まないようにしています」(あわ)
「義母と義姉2人で仕切っており、嫁の私が入り込む余地がない」(さや)
義実家での台所事情からも「必要以上に気を遣わない」嫁スタイルが増えているようです。しかしコメントを見ると、
「義母は自分の子(夫)には何も言わないのに、私にだけ小声で『○○してね』『○○まだだから、お願いね』と、言ってきます。ムカつくので大きい声で夫に『お義母さんが○○してだってー』と、言っています(笑)」(かれまり)
「台所を手伝おうとしたら『ゆっくりしていて』と、言われたので甘えたら後日、ご近所さんから『アンタ、台所にすら立たないんだって?』と、嫌味を言われて愕然。以来、絶対に手伝いません(笑)」(イズミ)
「義母はかなり綺麗好きで、自分でやらないと気が済まないタイプです。私が洗ったお皿をまた義母が洗う様子を見て一切やめました」(まいちん)
嫁姑って難しい……と、感じるエピソードも届きました。
二児の母で子育てアドバイザーの長島ともこさんに聞きました。
「自然体もいいけれど、ちょっとした気遣いが良好な関係を生む」と、長島さん
「アンケート結果とコメントから、令和の嫁は、義実家との関わりにおいて必要以上に“いい嫁”を無理して頑張らない、台所には積極的に入らないというスタイルが確立しつつあることがわかります。
無理をしない理由としては『いい嫁を演じても疲れるだけ』『頑張ってもいずれバレる』、台所に入らない理由としては、『義母がゆっくりしててと言う』『台所は義母の聖域』『台所の使い方がわからない』など、ドライな回答が印象的です。
『義実家に行くとき、エプロン持参は当たり前』『食事の支度は義理の母に頼まれる前に手伝う姿勢を見せる』といった、ひと昔前の“嫁としての鉄板マナー”は、絶対的なものではなくなってきているようです。最近流行の対面キッチンの場合、相当広くないと2、3人が入るのは難しいという台所事情も、少なからず影響しているのかもしれませんね。
もちろん、『頑張る』『台所に入る』嫁も依然として存在します。『義両親がとても良くしてくれるので』『子どもと祖父母の関係を守るため』などの前向きな理由にまじって『夫が頼りないから』という、冷静かつ自虐的なコメントがあるのも、令和ならでは。
いずれにしても、令和の嫁は『建前ではなく自然体でいたい』という意識が強いようです。当たり前ですが、義実家との関係は、離婚しない限り延々と続きます。張り切って頑張ると長続きしないので、『このおかず、すごくおいしいですね!子どもも喜んでいます!』など喜びや感謝の気持ちを伝える、帰宅後お礼の電話を忘れないなど、ちょっとした気遣いを忘れないよう心がけましょう」
長島ともこ
フリーライター、エディター、認定子育てアドバイザー。教育、育児、妊娠&出産を中心に幅広い分野で取材、執筆、企画ディレクション等を行う。PTA活動にも数多く携わり、その経験をもとに、書籍『PTA広報誌づくりがウソのように楽しくラクになる本』『卒対を楽しくラクに乗り切る本』(厚有出版)を出版。All About子育て・PTA情報ガイド。大学生と中学生の母。
取材・文/和兎 尊美、たまひよONLINE編集部
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2024年3月、4月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数234人)
※記事の内容は2024年6月の情報で、現在と異なる場合があります。