話題の「子ども食堂」はママたちの息抜き&ネットワークの場でもあるのです!
「こども食堂」って知っていますか?経済的理由や、親が仕事で忙しいなどの理由から子どもの「孤食」が問題となり、それを地域で解決しようと全国で自発的に始まってきた活動です。
地元のボランティアスタッフが子どもたちに食事を提供し、子育てをサポートする「子ども食堂」は、いまや全国的に広がりを見せ、京都府や北九州市など、自治体が運営に参加する地域も増えてきました。
TVなどでも話題になっているので、いったいどんなところか気になっていた人もいるのでは?2013年春にオープンし、3年間活動を続けている東京都の「要町あさやけ食堂」にお邪魔してきました。
パン屋さんのご主人が始めた子ども食堂
「要町あさやけ食堂」は、東京・池袋から地下鉄で一駅の要町にあります。駅を出て5分ほど歩くと、住宅街の一角に2階建ての木造家屋が見えてきます。ここは「池袋あさやけベーカリー」というパン屋さんで、店主の山田和夫さんの自宅でもあります。山田さんは亡き妻が始めたパン屋を引き継ぎながら、自宅の寝室以外を開放し、この食堂を始めました。
毎月第1・第3水曜日の17:30~19:30に開催される子ども食堂には、乳児から中学・高校生まで幅広い年代の子どもたちが集まります。最も多いのは、3~5歳の未就学児で、毎回20組以上の親子が訪れるそうです。時間になると、子どもたちは「こんにちは!」と元気よく挨拶し、笑顔で家の中に入ってきます。
山田さんは「ここに絶対来ないといけない、なんてことはない。ファミリーレストランにも行ったっていい。子ども食堂を数ある選択肢のひとつとして使ってほしい」と話します。
栄養バランスの良い夜ご飯が300円で食べられる
20人ほどのボランティアスタッフが毎回食堂のご飯を作っており、1食300円で提供しています。
自宅のキッチンで調理しているため、アレルギー食品については自己管理でお願いしていますが、卵と小麦は使用していません。栄養バランスも考慮され、野菜は無農薬のものを近所の八百屋さんが持ってきてくれることも多いのだとか。この日のメニューは、次の6品でした。
・サンマのトマト煮
・ラタトゥユ
・きゅうりと厚あげの中華炒め
・ジャガイモと豆のみそ汁
・きゅうりの漬物
・スイカ
野菜中心で、みそ汁の中にも具がたっぷり入っていました。これだけのメニューをワーキングママが仕事の後に作ろうとすると、なかなか大変です。時々、こうして栄養たっぷりのご飯を食べられるのはありがたいですね。
野菜やサンマなど、子どもたちはあまり好きではないかな?と思ったけれど、みんなおいしそうに、行儀よくモリモリと食べていました。もちろん、ママも同じ金額で同じ料理を一緒に食べることができます。
食事のあとはママ同士で悩み相談や情報共有
食事の後は遊びの時間です。2階の遊び部屋にはたくさんのオモチャや絵本が用意されています。1階で食事を終えた子どもたちは、元気いっぱいに階段を掛け上がって行きます。東京では特に、マンション住まいの家庭も多いので、家の中の階段は珍しいのかもしれません。
子どもたちが遊ぶ様子を見守りながら、ママたちの女子会が始まります。「子どもを預けられるこんな場所を見つけたよ」だったり、「この保育園は評判がいいよ」など、あちこちで情報共有している様子が見られました。
また、「聞いてよ! 週末パパとケンカしてさぁ~」と話すママもいれば、「この子の夜泣きがひどくて、なかなか寝てくれなくて……」と先輩ママに相談している、乳児を抱えた新米ママもいて、子ども食堂はママたちにとっても貴重なネットワークになっていることを実感しました。
今日は夜ご飯を作るのをお休みしたいな、同じ悩みを抱えるママと話したいなと思った時はぜひ、お近くの子ども食堂を訪ねてみてください。(文・尾越まり恵)
☆要町あさやけ子ども食堂☆
〒171-0043 東京都豊島区要町1丁目39-4
TEL:03-3957-4270
http://www.asayake-kodomoshokudo.com/
子ども食堂ネットワーク
http://kodomoshokudou-network.com/index.html
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。