お笑い芸人・チャンカワイ。「子育ての絶対的エースはママ」。パパとして役に立ちたくて、子どものための5つの資格を取得!
年間250日以上のロケをこなし、今やロケ芸人としての地位を確立しつつあるチャンカワイさん。プライベートでは、婚活バスツアーのロケで知り合った一般女性と2015年に結婚し、8歳ともうすぐ6歳になる女の子のパパでもあります。今回は、結婚につながったなれそめや、子どもたちの出産時の話、長女誕生時に取得したという資格について聞きました。
全2回インタビューの後編です。
ロケの婚活バスツアーで出会って、3カ月後にはプロポーズ!
――結婚につながった出会いについて教えてください。
チャンカワイ 僕が34歳のときに、結婚したいけどまだ独り身だということで、番組の企画で婚活バスツアーに参加しました。そのときに、女性の参加者の中に妻がいたんです。男女17人対17人で、僕は「1番さん」、妻は「5番さん」でした。
その婚活ツアー中の食事タイムで、ずっとカメラが回った状態で参加していたこともあり、周囲の席の人が僕に対して変なことばかり言って、ふざけていたんです。僕が真面目に話そうとしたら「芸人のクセに」と言われたりもして。僕としては、「また余計なことを〜。真剣に婚活したいのに・・・」と思っていました。
そのあとにトイレに行ったら、なんと5番さんが待っていてくれて、「さっきは、皆さんを止められなくてすみませんでした」と謝ってくれて。なんて、優しい人なんだろうと思ったんです。僕のことをチャンカワイではなくて、“川合正悟”としてちゃんと見てくれているようで、うれしかったです。
バスツアーでは、いろいろな場所に立ち寄りながら婚活をするのですが、その1つが茶畑でした。その茶畑は、2人の距離がグッと近づいた思い出の地です。それから無事にカップルが成立して、3カ月後にはプロポーズをしました。お互いに結婚を意識していたし、地に足がついていた感じでしたね。
――結婚後の生活はどうでしたか?
チャンカワイ 結婚してからは、2人の年齢のこともあり、妊活をすることになりました。妻は40歳間近だったので、すごくあせりもあったと思いますし、僕も妻に負担をかけて申し訳ないなという気持ちでいました。
だから、子授けの神社巡りも自然と多くなりました。その当時からロケ芸人だったので、全国の子授け神社などを調べて、よく2人で行っていましたね。毎月のように回っては、神様に気持ちを聞いてもらっていました。これはいいリフレッシュになるので、妊活中のご夫婦にはおすすめです。
病院に通い始めていろいろとあったのですが、1年ちょっとで無事に長女を身ごもることができました。それからは、妻にはできるだけ自宅にいてもらって、とにかく無理せずに過ごしてもらいました。
――奥さまはお仕事をされていますか?
チャンカワイ 妻は、妊活に入るときに仕事を辞めたのですが、長女が生まれてからは、子どもを見ながらできる仕事はないかと探していて、保育園でパートとして勤めながら保育士の資格取得に向けて勉強していました。妻はとても働き者でアクティブなところがありますし、子どもに対する知識もつけたいということで、その仕事を選んだようです。仕事をしながら勉強して、保育士の資格もとって、そのぐらいのタイミングで二女を妊娠しました。
今は専業主婦として、2人を一生懸命に育ててくれていますね。
考える力を身につけてほしいので、怒るときもほめるときも“クエスチョン”で投げかける
――娘さんたちの出産時で、印象的なエピソードはありますか?
チャンカワイ 長女のときには出産の立ち会いはかないませんでした。二女のときには、出産予定日の前後5日間だけ休みを取らせてもらっていて、ちょうどいいタイミングで生まれてきてくれたんです。
二女が生まれて少し心配だったのが、お姉ちゃんとのことでした。上の子が下の子に嫉妬すると話で聞いていたので、姉妹を会わせるタイミングを夫婦で見計らっていたんです。それで、二女の出産のときや入院中は、友だちの保育士さんに長女を見てもらってサポートしてもらいました。
出産して母子ともに無事退院するというときが、長女が二女に初めて会うタイミングでした。親としてはちょっと緊張していて、二女は僕が抱っこ、ママはあくまでも長女ファーストにしようと決めていたんです。そうしたら会った瞬間、長女がいきおいよく走ってきて、いきなり二女のほっぺにチュッとしてくれたんですよ。そのときに、「なんだ、親はこんなに心配したけど、妹に会えるのを楽しみに待ってたんだ!」と思いました。
育児においても、きょうだいが2歳差ということで、小さいころは大変だと聞いていました。それで、長女ファーストにしようというルールを夫婦の中で決めたんです。長女に「君がリーダーだよ」ということと、「3人で二女を守るんだよ」と伝えました。長女に、きちんとポジションを与えるという感覚ですね。
そういうこともあってか、今ではめちゃくちゃ仲よしの姉妹です。お姉ちゃんはお姉ちゃんぶれるときはそうするし、でも妹も、いろいろなことが自分でできるようになってきたし、すごくいいバランスのいい姉妹関係だと思います。ちゃんとけんかもしますけどね。
――きょうだいけんかをしたときは、どうしていますか?
チャンカワイ 僕はむちゃくちゃ怒ります。パパは“怒る係”と決めているので、しっかり怒るようにしているんです。むちゃくちゃ怒って、最後は2人でギュッとさせて、僕も2人をギュッとして終わります。
そのときに、「ダメでしょ」ではなくて、「なぜ、このけんかが起こったのか」というのを考えさせるため、2人に話し合いをさせます。何でぶつかったのか、どこで気持ちのすれ違いが起こったのか、その原因を2人に見つけさせますね。
どんなときも、僕は“クエスチョン”で投げかけます。それは、ほめるときもそうです。「すごい、できたね!何でできたと思う?」と伝えると、これこれこうだからと、自分なりに伝えようとしてきます。
こういう声かけを小さいころからしてきたかいあってか、子どもたちも「何となく」という返事はしないですね。「何となくやってみた」ではなくて、自分の頭で考えて「こうしたいから、やってみた」というように納得して行動しているみたいです。
パパとして子育てのために何か役に立ちたいと、子ども関連の資格も取得!
――ベビーマッサージやおもちゃインストラクター、子ども救命救急法国際資格などの資格を取ったのは、何かきっかけがあったんですか?
チャンカワイ 僕がなかなか家にいられないから、子育てで少しでも役に立ちたいと思っていたんです。そうしたら妻が、「こんな資格を取ることができるから、取ってみたら?」とすすめてくれたんです。それで、ベビーマッサージやおもちゃインストラクター、子ども救命救急法国際資格などの資格を取得しました。
ただ、長女は肌がすごく弱くて、オイルを使うことがほとんどできなかったので、ベビーマッサージを実際にやってあげることはかないませんでした(笑)。でもいつか、「パパは自分のためにベビーマッサージの資格を取ってくれたんだ」と思ってくれるだけで十分だと思っています。
子ども救命救急法国際資格を取得したのは、長女が妻とじゃれ合っているときに、頭と顔がぶつかってしまって、長女の口の中が切れてしまったことがきっかけです。舌からけっこう出血が続いて、なかなか止まらなかったんです。そのときは、「血が止まらない、どうしよう」と思って救急車を呼び対処してもらいました。
この出来事があって、「自分では何もできないな」と実感しました。パパとして、この子を守ってあげなきゃと思っていたのに、実際には「何もできない!」だったんですね。それで、応急処置のしかたなどを教えてもらえるということで、子ども救命救急法国際資格の資格を取ることにしたんです。
――パパとして、子育てする上で心がけていることはありますか?
チャンカワイ 娘たちを守りたい、妻のことを守りたいと思っていましたけど、そんな簡単に守れるもんじゃなかったと、だんだんわかってきました。であれば、どれだけ寄り添って、一緒に頑張っている姿を見せることが結果的に、家族を守ることにつながったらいいなと思っています。
娘が転んだりして大泣きしているときに、パパの役割ってけっこう少なくて・・・。転んで泣いてしまったら、「ママ〜」となりますよね。そういうとき、パパとしてどうするかだと思うんです。ばんそうこうをそっと渡すとか、抱っこ中におふろにお湯を入れておくとか、それが大事かなと思います。
パパの役割を考えたときに、ママの次って思うことで、サポートしやすいポジションでいられるかなと思います。むだに意気込むだけで何もできなかったと痛感することが、とにかく多すぎて。
妻は、娘たちのことになると、自分のことは5の次、6の次になってしまうぐらい、とにかく頑張ってくれているんです。それに応えたいという思いもありますし、一緒に頑張りたいなとも。ママが絶対的な子育てエースなのだとしたら、そのための軍資金を仕事で頑張って稼ぐのが、僕の役割。それをわかってくれているから、ロケのたびにまめにテレビ電話をつないで、子どもたちの様子を伝えてくれているんだと思います。それが、僕にとってはエネルギーチャージになっています。
子どもたちの前で資格の勉強をすることが、何かの起爆剤になってくれたら
――お仕事では、今後どのような活動をしていきたいですか?
チャンカワイ せっかくロケ芸人として、いろいろな場所に行かせてもらっているので、そのことが、アウトプットとインプット、どちらにもなるといいなと思っています。仕事でインプットできた情報を家族にアウトプットしたり、家族の中でインプットしたものを仕事でアウトプットしてみたり。
実は最近、日本遺産検定2級の資格を取ったんです。この検定は、日本遺産それぞれの文化とか歴史を語れるように勉強するものなんです。たとえば、三重県には海女の文化がありますが、どういう歴史から女性がもぐるようになったのか、今はどんなふうに人々に愛されているかなどを伝えることができるようになります。
日本遺産っていくつぐらいあるのかなと思ったら、104もあるのですが、僕はそのうちの90ぐらいは行っていたんですよ。自分はこんなにたくさん、日本遺産を見ていたんだ!とびっくりして、これは勉強しておいたほうがいいなと思いましたね。
あとは、親が頑張って勉強している姿を、子どもたちに見せたほうがいいよというのを、先輩のパパやママに聞いたことがあったんですね。それで、リビングであえて勉強している姿を見せると、「パパが勉強してる!」と子どもたちも言うんです。こうやって資格を取ったりテストを受けていることが、世間的にも、家族にも、何かの起爆剤になったらいいかなと思っています。
お話・写真提供/チャンカワイさん 取材・文/内田あり(都恋堂)、たまひよONLINE編集部
婚活ツアーで出会った妻とは、今では子育てを一緒にする同志に。ママが子育ての絶対的なエースであれば、パパはサポート役に回ることで、ちょうどいいバランスで保たれているというチャンカワイさん。娘さんや奥さまをしっかりサポートできるように、仕事で軍資金を稼いだり、さまざまな資格を取得したり、程よい距離感を保ったりしているようです。親として、見習いたいポイントがたくさんあるのではないでしょうか。
チャンカワイさん
PROFILE
1980年、三重県生まれ。2000年、えとう窓口とお笑いコンビ・Wエンジンを結成。大好きなグルメを中心に年間250日以上のロケを行う、芸歴24年たたき上げロケリポーター!!
2015年に一般女性と結婚、現在は女の子2人のパパに。「ベビーマッサージインストラクター」や「ベビーヨガインストラクター」、「おもちゃインストラクター」などの資格を持つ。
●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2024年10月の情報で、現在と異なる場合があります。