お笑い芸人・チャンカワイ。3歳で300ピースのパズルを完成させた長女は、IQ139でMENSA会員。実体験を重視した子育てのたまもの!?
年間250日以上のロケをこなし、今やロケ芸人としての地位を確立しつつあるチャンカワイさん。プライベートでは、婚活バスツアーのロケで知り合った一般女性と2015年に結婚し、8歳ともうすぐ6歳になる女の子のパパでもあります。全国各地へロケに出かける日々の中で、どのように娘さんたちと向き合っているのか、また、IQ139でMENSA(※)会員でもある上の娘さんの国立小学校受験についても聞きました。
全2回インタビューの前編です。
※MENSA(メンサ)/1946年にイギリスで創設された、全人口のうち上位2%のIQ(知能指数)の持ち主であれば、だれでも入れる国際グループ
僕の休みは家族の特別な日。子どもたちに「行ってみたい」の気持ちが芽生えたら即行動
――ロケ芸人さんとして忙しい日々の中で、娘さんたちと一緒にいられる時間はどのように過ごしていますか?
チャンカワイさん(以下敬称略) 僕は年間250日ぐらいロケに出てしまうので、子どもたちと一緒にいられる時間は限られています。だから、子どもたちの中では、“僕の仕事がない日=特別な日”という認識でいてくれているみたいです。わが家は、家族全員で共有カレンダーを作っていて、子どもそれぞれの学校や習い事などの予定も全部入れてあります。「この日はパパがお休みだし、みんなの予定もあいているからどこか行こうか」と、ママを中心にお出かけの計画を立てます。また、僕のロケ先に、家族が合流してくることもあります。
僕は仕事で、全国各地いろいろな場所にロケに行くのですが、「あ、ここは家族で今度来れるな」とか、「ここは、ママが喜びそうなところだな」などと思いながらロケ先を巡っているんです。だから、“ロケ=家族旅行のロケハン”みたいな感じですね(笑)
というのも、妻とはいつも、子どもたちをなるべくいろいろな場所に実際に連れて行ってあげたいねと話しているからなんです。僕自身がすごく感じているのですが、ロケ台本の情報で受けた印象と、実際に足を運んで体験した感想が、全然違うときがあるんですよ。だから、子どもたちに「ここに行ってみたい!」という気持ちが芽生えたら、「よし行こう!」となるんです。
――ロケ中は、娘さんたちとはどのようにコミュニケーションを取っていますか?
チャンカワイ 妻が、子どもたちの写真や動画をたくさん撮って送ってくれるんです。それに、スマホのテレビ電話があれば、どんなに遠くにいても子どもたちの顔を見たり、話をすることができるので、こういう時代に生まれてきてよかった〜なんてつくづく思いますね。
以前海外へ、地平線をずっと眺めていたら目がよくなるかを検証するロケに行っていて、その間は検証のためにスマホをいっさい使うことができなかったんです。たった1週間でしたけど、子どもたちとスマホでつながることができないのは、めちゃくちゃ寂しかったですね。
――娘さんたちはそれぞれ、どんな性格ですか?
チャンカワイ 活発な長女と、相手を見て動く二女、という感じです。ただ、二女があまりにも内にこもるタイプだったので、もう少しオープンになれるにはどうしたらいいか、長女と妻と僕で話し合ったことがあります。それで、僕たち3人で、あえて大きくリアクションを取ってみたり、ボディランゲージで喜びを表現すればもっと楽しくなるよということを伝えてみたんです。そうしたら、二女もだんだんと感情を表に出すようになってきて。運動会では選手宣誓をする人に選ばれたりと、ずいぶん成長したんだなとうれしくなりましたね。
決して押しつけるのではなくて、「それって楽しいかも」と二女に思ってもらうにはどうしたらいいかを考えて、“巻き込む”ということを3人で決めました。ただ、二女が「私はそうしたくない」と思ったら、強要はしないことも大事にしています。
3歳で300ピースのパズルを完成させていた長女。遊びが“知育”につながっていた!
――長女がIQ139でMENSA会員ということが知られていますが、どのようなきっかけでIQの高さを知ったのですか?
チャンカワイ きっかけは、たまたま受けた知能検査なんです。コロナ下でのロケ仕事のために、僕がほぼ毎日のようにPCR検査をしていた時期があったんですね。それで、なるべく家族も感染しないように、長女にも幼稚園に行くのを控えてもらっていたんです。長女が通っている幼稚園が任意登校というのもあったので。
自宅待機のタイミングが年長になってすぐだったこともあり、待機をやめていざ幼稚園に通い始めたら、なかなかまわりの友だちとなじめなくて・・・。妻がそれを心配して、住んでいる自治体の相談窓口に相談に行ったんですね。
そこで、行動観察や知能検査などをすすめられたので長女も受けてみたんです。すると、コミュニケーション能力がわかる行動観察は一般的な数値だったのですが、知能だけがIQ139と飛び抜けて高かったんです。
そこで施設の方が、「MENSA会員になれますよ」と教えてくれて。MENSAに問い合わせをしてみたら、「入れますよ!」というのですんなり入会。僕たち夫婦も、「入れるもんなら、お願いします」「MENSA入れた、すごいねー」という感じでした。でも後から聞いたら、MENSAに入れるのはIQ130以上で、それに該当する人は本当にわずかな人数みたいですね。
――それまで、長女の様子でIQが高いことを気づくことはありましたか?
チャンカワイ それまではまったく気づいていなかったんですよ。ただ、IQが高いことを知ってから、今までの行動で「なるほど!」と思うことがあったんです。小さいころから、パズルがすごく好きだったのですが、3〜4歳のころでも300ピースぐらいのこまかいパズルを普通にやっているんですよ。しかも、だいたいの人はまわりから仕上げていくじゃないですか。そうじゃなくて、いきなり真ん中に置いたり、端に置いたり、場所がバラバラなのに正確に置いていくんですよ。
ちょうどコロナ下ということもあって、ほかのお子さんたちとコミュニケーションを取っていないのもあったと思うんですが、僕たちにとっては初めての子どもなので、それが当たり前じゃないことがわからなかったんですね。だから、二女の成長に合わせて気づいたこともありました。「この年齢だと、アンパンマンのパズルぐらいしかできないものなんだ!」とそこで気づきましたね。
――長女が小さいころは、パズル以外にどんな遊びをしていましたか?
チャンカワイ ブロックや『ピタゴラスイッチ』のように遊べるおもちゃなどを、本人が好きだから与えていました。それがもしかしたら、IQの高さにつながる空間認識能力をはぐくむことにつながっていたのかもしれません。
僕は、娘が生まれたときにおもちゃインストラクターの資格を取得したのですが、これらのおもちゃは単なる“おもちゃ”ではなくて、知育に役に立つものなんだということを、娘を通して実感したんです。まさに、自分が勉強した知識と実体験が結びついた瞬間でした。
長女は、遊びのほかにも、本当にたくさんの習い事をしてきました。スイミングやスケートなどすごくのめり込む習い事もあれば、なかには全然興味を示さなかったものもたくさん。ただ、ほかのママやパパと話していて感じたのは、習い事をやらせてみた数は、うちが飛び抜けて多かったですね。
わが家は、習い事の無料体験をハンターのようにかぎつけるところがあって(笑)。東京に住んでいるからかもしれませんが、無料体験の数が半端ないんですよ。気になる無料体験を片っ端から試していたので、スケジュールはパンパンでした。そして無料体験時期が終わると、本人たちに「やりたいか、やらないか」を決めさせています。
二女も、お姉ちゃんがやっていると「自分もやりたい!」となるので、スイミングなど一緒に通っているものもあります。そのときにも、きちんとやりたいかどうかの意思確認は必ずしています。
ゲームも動画視聴も、親子で共有すれば視野や世界が広がる
――小学校受験にも挑戦して、長女は国立の小学校に通っているそうです。受験を経験してみて、どうでしたか?
チャンカワイ 小学校受験は、家族全員で頑張りましたね。そのために、それぞれの役割を決めました。長女は勉強を頑張って、ママはそのサポートを頑張る。パパは、長女とママが頑張るための教材を買うためにロケに稼ぎに行って、二女は1人遊びを頑張るというように。
受験校選びも、車でいろいろな小学校に連れて行って「ここの小学校は、こういう学校らしいよ」と伝えたりして、本人に行きたい学校を決めさせました。国立はくじもあるので、それもきちんと伝えました。
僕は、三重県名張市という田舎育ちなので、そもそも国立小学校の存在を知らなかったんですが、妻の父が国立小学校出身で、国立の小学校ではどんな勉強ができるのかを教えてくれました。そんなこともあって、妻は長女を国立の小学校に入れたいなと思っていたみたいですね。
――長女はIQが高いということが、学校の学習面でも生かされることはあるんですか?
チャンカワイ 空間認識能力が勉強面で発揮されるのは、もう少し学年が上がってきてからのようです。
ただ、空間認識能力は、年齢とともに能力が落ちてきてしまうらしいんです。それで今は、IQを維持するために専用の塾に通っています。そこで勉強することは、学校の勉強とは全然違うものなんですよ。数字が羅列してあるような問題をやっているのですが、僕にとっては「何じゃこれ!」という感じで、まったくわからない問題ばかりです。
――チャンさんのお宅では、娘さんたちにゲームをやらせていますか?
チャンカワイ 僕は、大歓迎派ですね。その代わり、一緒に楽しむことが大切です。ゲームをするのって、子どもたち同士で遊ぶコミュニケーションの1つとして大事じゃないですか。僕たちも小さいころ、そうやってゲームでコミュニケーションを取ったし、その合間に話すことも大切だったし。
ただ、大人は自分たちの時間を確保するために、子どもにゲームをさせたり動画を見せることが後ろめたいんだと思うんですよね。親がスマホなどで別のことをしていると、子どもはゲームや動画を通じて自分1人だけの世界になってしまいますよね。でも、親も子どもと同じ世界を共有することができたら、また違う発見があるんじゃないかと思うんです。
たとえばわが家の場合は、妻も僕も、子どもたちと一緒にアニメを観て楽しみますよ。それでこの前、観ていたアニメの中で「うずしお」が出てきたようで、「パパ、海がグルグルってするところって、ほんとうにあるの?見てみたい」と言ってきました。そこから、「あれはなんで波がグルグルになるの?」「神様のしわざじゃない?」「鳴門ってところに行けば、船に乗って近くで見れるよ!」というふうに家族で会話が弾んで、実際に鳴門までうずしおを見に行ってみたんです。実際にうずしおを目にした子どもたちは、目をキラキラさせて大興奮でした。
お話・写真提供/チャンカワイさん 取材・文/内田あり(都恋堂)、たまひよONLINE編集部
忙しい日々の中でも、家族との時間や会話を大切にしているチャンカワイさん。娘さんたちから芽生えた「行ってみたい!」「見てみたい!」をしっかりキャッチして、自分の休日には家族を連れて出かけるようにしているそう。そのために、仕事のロケに行った場所でも、常にアンテナを張っているようです。
後編では、結婚に至った出会いや子どもたちへの声かけについて聞いてみました。
チャンカワイさん
PROFILE
1980年、三重県生まれ。2000年、えとう窓口とお笑いコンビ・Wエンジンを結成。大好きなグルメを中心に年間250日以上のロケを行う、芸歴24年たたき上げロケリポーター!!
2015年に一般女性と結婚、現在は女の子2人のパパに。ベビーマッサージインストラクターやベビーヨガインストラクター、おもちゃインストラクターなどの資格を持つ。
●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2024年10月の情報で、現在と異なる場合があります。