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3児の母インリン。子どものぜんそくに悩んだ壮絶な日々。「泣いて嫌がる長男に必死で吸入をし、薬を飲ませていたあのころ。絶対に戻りたくない」

更新

2000年代にその美貌とスタイルで一世を風靡(ふうび)したタレントのインリンさん。2009年に結婚したあと、2010年に長男、2013年に双子の長女・二男を出産し、現在は出身地である台湾で暮らしながら、日本での芸能活動を続けています。3児の母になったインリンさんですが、長男は小さなころから小児ぜんそくと診断され、眠れない夜を何度も過ごした経験があります。3歳差で生まれた双子の育児もしながら、長男のぜんそくと向き合った日々を振り返り、治療や大変だった日々のこと、そして現在の様子について聞きました。全2回インタビューの前編です。

赤ちゃんのころから、風邪をひくと長期間続く咳に悩まされ…

長男の幼稚園入園式にて。ぜんそくによる咳がひどくなっていた時期

インリンさんといえば、抜群のスタイルと美貌で話題を呼んだグラビアを思い出す方も多いでしょう。そんなインリンさんも現在49歳。相変わらずの美しさですが、私生活では3児の母として忙しい日々を送っています。子どもたちは中3の長男と小6になった男女の双子。中でも長男は小さなころから小児ぜんそくと診断され、咳(せき)の発作におびえ、眠れない日々を過ごし、生活環境に神経を使ってきたといいます。

「長男のぜんそくについて、最初に異変を感じたのは赤ちゃんのころ。長男は日本で生まれて、私も仕事を続けていたので、0歳のころから仕事があるときは保育園に預けていました。

よく言われるように、保育園では風邪や胃腸炎をもらってくることも多かったんですが、長男の場合、1度風邪をひくと咳がかなり長期間続いて、飲んだ母乳とかミルクを吐いてしまうことがすごく多くて。

私も初めての子育てなので、赤ちゃんがしょっちゅう咳(せ)き込んで嘔吐するなんて見たことがないし、すごく心配で、よく病院に連れて行っていました。病院では、最初『小さい子は気管支が弱いので、どうしても咳が長引いたりしちゃうんですよ』と言われていたんですが、本当にたびたび起こるので、アレルギー検査はしなかったものの、医師が症状を見て『これ以上咳がひどくならないように、吸入の治療をしましょうか』ということに。それで治療をスタートさせました。家でもスチーム吸入器を購入するなどして、長男の環境にはいろいろと気をつけていたんですが、症状はなかなか改善しなかったんです」(インリンさん)

赤ちゃんのころから頻繁に咳をしていたというインリンさんの長男。咳き込みすぎて、呼吸困難のようになることもあったそうです。

「ひどいときは息をするだけでも咳が出てしまって、咳き込みすぎると呼吸もうまくできないみたいで、苦しそうにしていました。3~4歳くらいになって言葉を話せるようになっていたころには、咳き込んでしまってなかなか話せないということもありましたね。

1つの文章を話すにも、咳き込みながらだからすごく時間かかるんです。ひと言話したらゴホンゴホン! ひと言話したらゴホンゴホンゴホン!!それの繰り返しで…。本人はしゃべりたくて一生懸命なのに、咳き込んで話せないようでした。

子どもがつらそうに咳をしている姿は、見ていて本当にかわいそう。すぐにでも咳を止めてあげたいのに、何もしてあげられないというのは、親として、とても心が痛みました」(インリンさん)

インリンさん一家は、長男が1歳のときに台湾へ移住しています。そのため、長男のぜんそく治療は、台湾で続けていました。日本でも台湾でもインリンさんが長男のぜんそくに向き合う日々は続き、長男が幼稚園の年長さんから小学校低学年にかけて、症状のピークを迎えたのです。

「台湾に来て、幼稚園に入ってからも、毎週のように風邪や胃腸炎をもらってくるし、風邪をひくと咳が長びくということは変わりませんでした。そこで、採血をして、アレルギー検査をしてみたんです。そしたら、食べ物にはほとんど反応してなかったんですが、ダニとハウスダストの数値だけがものすごく高くて、びっくりしました。

医師からきっとこの2つが原因なんでしょうと言われて、アドバイスをもらい、空気清浄機を設置したり、部屋の布製のカーテンを全部撤去して掃除がしやすいブラインドにしてみたりと徹底的に環境を整えたのですが…。残念ながら、長男の症状が劇的に改善することはありませんでした。

少しよくなったかな?と思っても、治りきる前にまた悪化して…というのを繰り返すんです。とくに、夜は咳がひどくなりがちで、夜中ずっと咳をしているから、2人して睡眠不足の日が続きました。

しかも、咳をしすぎると吐いてしまうこともよくあり、袋やタオルを常に準備して嘔吐に備えていましたが、小さい子の場合、備えていても間に合わなかったりもするので夜中に吐しゃ物を片づけなくちゃいけない。長男が3歳以降は、下の双子が生まれていたのでその子たちのお世話もあったし、もちろん夫も手伝ってはくれていたんですが、今思うと 壮絶な生活だったなって思います」(インリンさん)

吸入や通院を泣いて嫌がる長男。それでも「やらなければ」という思いで…

長男の吸入治療の様子。吸入薬に慣れるまで、とても大変だったそう

アレルギー疾患であるぜんそくの治療の基本は、薬を使って行う症状のコントロールを毎日続けていくこと。発作を抑えるためには、症状が落ち着いている時期にも治療を継続することが有効といわれていますが、長期にわたることなので、親も子も根気が必要です。とくに小さな子は、治療と言われてもわけがわからず、嫌がることも多いでしょう。インリンさんも苦労したといいます。

「長男が処方されていたのは、ぜんそくの発作が起きないようにするために使う、毎日のメンテナンス用の長期管理薬と、発作が起きたときに緊急で使う発作時治療薬です。

ただ、メンテナンスで毎日使う長期管理薬はステロイドと聞き、最初、親としては少し不安があって…。症状を落ち着かせるためには使うべきという気持ちと、強い薬を小さな子どもに使って本当に大丈夫なのか、使い続けても大丈夫なのかという気持ちのせめぎ合いでした。そういう思いがあったので、実は最初は毎日きちっと使うのは控えていたんです。

でも、台湾の病院でそのことを厳しく叱られました。『親のあなたが治療する努力をしないで、どうするの!ステロイドだからと怖がって治療しないと、大人になってもぜんそくの症状が続く可能性があるんだよ!』って。医師にそう言われて、これは子どもが苦しまないために必要なことなんだとハッとして、そこからは、医師の言うとおり、毎朝しっかりと長期治療薬を続けることにしました。

私も咳ぜんそくが出ることがあるので使ったことがあるんですが、スプレータイプの吸入薬ってちゃんと薬を吸えているのかよくわからなくて難しいんですよね。子どもには吸入補助具(スペーサー)も一緒に処方されていたので、口に当てて普通に呼吸すれば薬を吸えるはずなんですけど、長男も最初は怖かったんでしょうね。大泣きする長男に無理やり吸入しているような感じでした。泣いている長男に『お願い、吸って! 吸って!』みたいな感じで声をかけて、私も必死でした。

ちなみに、長男が通っていた病院は、アレルギー治療の専門医がいる病院で、ぜんそくの子のほかにもアトピー性皮膚炎やアレルギー持ちの子がたくさん通っていたんですね。当時は病院で3~4時間待つなんてこともよくあって、大人でもどうやって時間をつぶそうかと大変なのに、子どもが3時間も静かにして待たなくちゃいけないってとても苦痛なことですよね。

吸入を嫌がって泣いているとこっちも苦しい気持ちになるけれど、『今、治さないと本人はずっと苦しいままなんだ』思って、心を鬼にして吸入をさせていました」(インリンさん)

親も子も大変だったという治療。インリンさんは「長男の性格も関係したのかも」といいます。

「長男はなかなか頑固な子で、今思い返すと、3人の中でいちばん手がかかりました。自分がやりたいと思ったこと以外はしてくれないので、『こうしたほうがいいよ』って言っても、なかなか言うことを聞いてくれなかったんです。

だから、ぜんそくの発作が起きて薬を飲ませようとしても、嫌だ嫌だと泣いて暴れるし、でも私としてはどうしても飲んでほしいし。かといって、押さえつけて飲ませようとすると、すぐに吐いちゃう。暴れるから咳も出るし、嘔吐もするし、本当にどうしたらいいんだって、追い詰められましたね。

子どもだから、薬が症状をよくしてくれるものだって、理解できないんですよね。長男のためを思っての治療なのに、嫌がってできないというのは、結構きつかったです。

そういえば、病院もすごい怖がっていました。赤ちゃんのころは抱っこで連れて行けていたんですが、歩けるようになってからは、嫌がるのを引きずるような形で連れて行くことになったり。着いてからも脱走しようとするから叱ると、ギャーってすごい声で泣き出してしまい…。長男は泣き声も本当に大きくて、すごい泣き方をする子だったので、病院では本当にヒヤヒヤしていました。

今でも長男と冗談で言うんです。『もうあのころには戻りたくないね』って。そのくらい大変な時期でした」(インリンさん)

また、長男のぜんそくのこともあり、小さなころはあまり遠出しなかったともいいます。

「いつも咳をしている長男でしたが、こちらでは対応しきれないような症状が出ることがあって。症状が起きると、1~2時間で終わるわけではなく、何日か続くんです。その症状が落ち着くのが明日なのか明後日(あさって)なのかわからない。もちろん常備薬は家にもあったし、もし発作が出たら、ああしてこうしてっていう医師からの指示もあったんですけど、劇的によくなるわけでもない。最終的にどんどんひどくなって、結局病院にかかる、みたいなことがよくあったんです。

その日も子どもたちを連れて遊びに行こうと準備していたら、長男がすごく咳き込み始めてしまい、どうしようもなくなって…。お出かけは中止して、病院に連れて行くことになりました。長男の場合、ひどい症状が出てしまうと、すぐには収まらないんですよね。そうなったときは毎回、本当にあせっていました。熱が出たら解熱薬を飲んで熱を下げるみたいに、薬を飲んでもすぐに効くものではないですからね…。

出かける前なら病院に連れて行けるけれど、遠出してから症状が出るのが怖くて。だから、長男が小さいころは遠出をして遊びに出かけることはなるべく控えていました」(インリンさん)

お話/インリンさん  取材・文/藤本有美、たまひよONLINE編集部

▼続きを読む<関連記事>後編

初めての育児。ただでさえ、赤ちゃんのお世話にあたふたしてしまうところ、心配な症状が続くと、気が気ではありませんね。子どもがつらそうにしている様子は、見ているだけで親もつらく、何とかしてあげたいのになかなかうまくいかなくてあせる気持ちはよくわかります。それが何年も続くのは、インリンさんも長男くんもとてもつらかっただろうと思います。後半では、その後の長男くんの様子や双子のお子さんのアレルギーについても話を聞きます。

インリンさん(いんりん)

PROFILE
1976年2月15日生まれ。台湾・台北市に生まれ、10歳のときに家族で日本に移住。1995年にデビュー後、グラビア活動で一世を風靡。タレントとして、テレビ・雑誌などで広く活躍をした。2009年に結婚後、2010年に長男、2013年に双子の長女・二男を出産。現在は、出身地である台湾で3児の母として暮らしながら、不定期に芸能活動を続けている。

インリンさんのInstagram

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インリンさんのAmeblo

インリンさんのYouTube

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●掲載している情報は2025年11月現在のものです。

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