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保育園の選び方 賢い情報収集法を伝授

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都市部の保育園入園は狭き門。待機児童数は増え続け、保育園を選べる状況じゃないといわれるけれど、親としては安心できる場所に大切な我が子を預けたいもの。保育園の選び方では何が大切なのか、そしてそのための情報収集はどうしたらいいのか、基本からじっくりと解説します。

最近の保育園選びの実情は?

2016年10月時点の、全国の待機児童数は47738名。国は解決に向けてさまざまな取り組みをしています。昨年度は認可保育園の「入園予約制」が生まれ、10月以降育休が最長2年になるという動きも。
けれども待機児童問題はなかなか解消されません。「保育園を考える親の会」が調べた結果では、2016年の「認可保育園に申込をしたが入園できなかった児童数」は待機児童数の4.6倍いたことがわかりました(主に首都圏の市区を対象とした年次調査。『100都市保育力充実度チェック』として発表)。
さらに急な待機児童対策が、現在、「保育の質」を揺るがしていることも指摘されています。定員超え受け入れ、保育士不足とそれに伴う配置基準の緩和、面積基準の緩和、園庭のない保育園の増加など問題は山積しています。自治体に隠れて給付費分以上の園児を受入れ、「給食が極端に少なかった」と問題になった地方裁量型認定こども園もありました。
今はどこも余裕がなく、認可保育園でも安心とはいえないのが悲しい現実。最後に頼りになるのは親のカンです。ぜひ正しい最新情報を入手して、賢い見極めをしたいですね。

保育園はいつからいつまでに探せばいい?

保育園探しを「いつから」と考える前に、我が子を「いつから」入園させたいと思っているかを先に考えましょう。保育が必要な子どもが認可保育園に入園を希望すると、定員に空きがあれば翌月の1日から入園が可能です。
ただ、都市部などではほとんど定員に空きがないため、空きの出やすい4月入園をねらって、職場復帰をしようとする人が多いのが実状です。
なぜ、4月に空きができるのでしょうか? それは、年齢の低いうちは保育に手がかかるので、定員が少ないためです。たとえば、東京都にある区立保育園の定員を見てみましょう。
0歳児 12人
1歳児 14人
2歳児 14人
3〜5歳児 17人
0歳児が全員進級しても1歳児クラスに2人分の枠が、また3歳児クラスには3人分の枠ができるわけですね。
1歳での入園の競争率が高いので、最近は0歳の4月に入園を希望する人が増えています。ただし、0歳児を受け入れていない園もありますし、月齢制限を定めている園もありますので、入園希望の4月1日時点でその月齢に達しているかの確認は必要です。

4月入園を目指す場合の保活スケジュール(自治体によるので必ず確認を)

●夏休み前〜9月
情報収集期間です。まずは通える場所にどんな保育園があるか、まずは通える場所にどんな保育園があるか、自治体の発行している利用案内(「入園のしおり」など)でチェックします。窓口でももらえますが、自治体のサイトでダウンロードできる場合が多いでしょう。自治体が補助金を出している認可外保育園も掲載されているのが普通です。
認可・認可外を問わずに見学をして、第1希望、第2希望の園に入れなかった場合の預け先も検討しておきます。

●10〜12月
ほとんどの自治体で、保育の必要性の認定と入園の申請をあわせてできるようになっています。入園申請書類が10〜11月頃に配布され、申請は11〜12月頃に締め切られます。

●2〜3月
選考結果の発表。入園内定の通知がきたあと、園から入園前面談(説明会のところもある)などの連絡がきます。通園グッズなどの準備は説明を聞いてからのほうがよいでしょう。不承諾通知が届いたら、ほかの預け先を探したり、育休期間を延長するなどの次の一手を。

もう迷わない! 保育園の選び方のポイント

保活中のママにとってはまず、保育園に入ることが最優先事項。でも子どもにとって保育園は1日の大半を過ごす場所であり、どこでもいいとわけにはいきません。まずは我が子の年齢やママの働き方から、我が家はどんな保育園を選ぶべきか、その条件を整理しましょう。

●利便性
毎日の送迎がある以上、通園があまり負担になりすぎない場所を選ぶことは大切。たくさんの保育園グッズを持って徒歩や自転車で通勤できるか、雨の日の送迎はどうするかなどを考慮し、通える範囲内にどんな園があるか、ピックアップ!

●保育時間
仕事によっては、休日や夜間に預ける必要があるでしょう。保育時間や休日保育の有無は園によって異なるので、まず勤務時間+通勤時間をカバーする保育時間かどうかをチェックします。延長保育があっても、定員や対象年齢の制限があるところが多いので利用できるかどうかも確かめて。

●受入れ月齢・年齢
産休明けから受け入れる園が増えていますが、「5カ月から」「1歳から」という園もあります。また小規模保育や保育ママ(家庭的保育)は3歳未満児対象ですので、3歳以降の連携施設があるか、連携施設がない場合は受け入れ先となる認可保育園・認定こども園・預かり保育が充実した幼稚園があるかなどの確認も。

●保育のこだわり
設備や給食、行事、持ち物、保育方針などが我が家の希望にそっているかを確認。子どもの心と発育への見解、1日をどのように過ごすのか、アレルギーへの対応など、保育全体に対する園の考え方に共感できるかどうかが重要。

●予算
認可外保育園では所得が考慮されないので、保育料が高い場合があります。まずは家計からいくら保育料を払えるかを試算。候補の預け先が基本保育料のほかにいくらかかるか、延長保育料や体操服など園で指定があるものの予算、二重保育が必要な場合はその料金も試算します。

条件を整理したら、いよいよ本格的に情報収集です。情報収集の手段は、大きく分けて「インターネットでの情報収集」「自治体窓口での情報収集」「実際に園に行って見学」「地域のクチコミ」の4つに分かれます。

インターネットで何をどう検索する?

情報の入手は早め早めがキモ。まずは住んでいる自治体保育課のホームページで保育園情報をチェックし、保育園入園申請書関連書類をダウンロードします。多くの自治体で保育園の定員や年齢ごとの空き状況についても公開しています。あわせて認定こども園や認可外保育園や幼稚園の預かり保育についても調べましょう。調べた結果、わからなかったことやもっとくわしく聞いてみたいことをメモなどにまとめておくと便利です。
自治体のホームページに加えて、先輩ママのクチコミも大切。評判のいい園のエピソードや問題を起こした園などの情報はクチコミでしかわからないトピックスです。SNSで地元のママサークルを見つけて質問などをしても。ただし、クチコミは古い情報がそのまま載っている場合もあるので、アップされた時期は必ずチェックを。
最後に気になった園のホームページの確認をします。ただし、「ホームページやパンフレットのできはすごく素敵だったけれど、実際に行ってみたらまったく違った…」なんて声も聞かれます。ホームページやパンフレットの見た目は話半分にして、あとは実際に見学したときの印象を大事にしましょう。公立や歴史の古い私立などは独自のホームページをもっていない場合もあります。

自治体の窓口で何をすればいい?

自治体の窓口へ行って、保育園案内などの資料をもらいます。来年度の分がまだできていないときは、古いものでいいのでもらいましょう。不明点などについてはこの場で質問を。「入れますか?」と大雑把に聞いても窓口では答えにくいので、「0歳児の4月入園ではフルタイム勤務の人は全員、認可保育園に入れましたか?」「保育指数何点くらいの人が入れましたか?」などと具体的に聞きます。
保育園情報は変わっていくものなので、保育園新設の予定や選考基準に変更がないかも聞くといいでしょう。聞き忘れなどのないように、窓口のすいている日時を選んでいくといいですね。

見学で見るべきポイント

保育施設は子どもの安全や衛生に気をつけているので、いきなり訪ねても見学はできません。必ず事前に電話などで見学を申し込み、都合のいい日に予約をしましょう。見学はなるべく、園児が活動し、保育士とかかわりあっている時間帯がよく、通常は午前中に指定されるはずです。
園庭開放や園開放の日に園内に入れる園もあります。ただこうした日も自由に見学できるわけではなく、園長や保育士が質問などに答える態勢になっていない場合もあるので留意を。
逆に子どものお昼寝の時間を指定されたり、応接室で資料をもとに説明されるような状態では、見学の意味も半減。「ふだんの子どもの様子も見学させてください」と頼んでみましょう。
ひとくちに保育園にいっても違いはたくさんあり、見学のポイントはたくさんありますが、園長や保育士が信頼できそうかということと、子どもたちの表情が明るく、夢中で遊んだりしているかが最大のポイント。保育園は子どもの生活の基盤となるからです。また第一印象や全体の雰囲気が我が子にあっているかなどの親のカンは大事。そのほかは以下のチェック項目を参考にしてください。

●保育園見学チェックポイント
□ 保育士が見守る中、子どもが夢中で遊んだり、くつろいでいるか
□ 保育士が子ども目線で話しかけているか
□ 園長や保育士は話しやすく信頼がおけそうか
□ 人手不足だったり保育士が憔悴していたりしないか
□ 安全(高い家具類の転倒防止、ドアの指はさみ防止など)対策は?
□ 清潔(沐浴設備やシャワーの完備、掃除など)かどうか
□ 絵本やおもちゃは十分にあるか 子どもが選べるように置かれているか
□ 陽当たりや風通しがいいか
□ 乳幼児の部屋と幼児の部屋は分けられているか
□ 赤ちゃんが安心して眠れるスペースになっているか
□ 子どもが過密になっていないか
□ 園庭の広さは?
□ 掲示物はどんな感じ?
□ 子どもたちの持ち物は?
□ 給食の献立表は?

見学で聞くべきポイント

見学で聞きたいことは、自治体の案内には書かれていないこと。とくに園の方針で不明点があれば聞きましょう。おさえておきたいポイントは、保育の体制や子どもの扱い育ちについての考え方、安全面や衛生面です。園長や保育士が、ママが働くことを応援しているかどうかも大事。話してみるとある程度、察せられます。そのほか、給食やアレルギー対応など、聞きたいことは事前にまとめておくといいでしょう。

●保育園見学で聞くことチェックリスト
□ 乳児の保育に担当制を取り入れているか? *
□ 子どもの園での生活や活動で大切にしていること **
□ 保育士・看護師などが有資格者で常勤かどうか
□ 保育料のほかにかかる料金はあるか?
□ 年間を通して行事はどんなものがあるか?
□ 親参加行事の曜日や頻度は?
□ 保護者とのコミュニケーションはどのようにとっているか?
□ 給食は園内調理か? 素材からの調理か?
□ アレルギーへの対応は?
□ 持ち物や用意するものは?
□ SIDS対策はしているか? うつぶせ寝についてどう考えているか?

* 乳児の心の発達にとって養育者との関係が重要であるため、泣いたとき、食事や睡眠のときなどになるべく特定の担当者が対応するようにする保育を担当制と呼んでいる。全時間を通して担当制を実施するのは無理なので、「ゆるやかな担当制」にする園も多い。
** 保育所保育指針や幼稚園教育要領は、子どもの主体的な遊びを通して教育を行うと定めていて、子ども自身の興味・関心が伸びるような保育を行うことが、子どもの自己肯定感を培ううえでも重要と考えられている。

人にはなかなか聞けない保育料の現実

保育園情報を調べてみても、なかなか我が家の保育料はわかりづらいものです。認可の保育施設の保育料は住民税の額で決まります。たとえば3号の認定を受けた場合、認可保育園、小規模保育施設、保育ママとも保育基本料は同額です。
ほとんどの自治体で、住民税別保育料の一覧をホームページなどに掲載しているので、確認しておくといいでしょう。自治体の窓口に聞けば教えてもらえる場合もあります。以下は、東京23区内に住む世帯年収660万円のフルタイム夫婦が1歳児を預けた際の保育料の目安です。

●フルタイムで働く両親が1歳児を預けたとしたら
(夫年収360万円、妻年収300万円の場合の都内某区の保育料)
認可保育園 26500円 延長保育(1時間) 月額2900円
認証保育園 54000円(そのうち10000円 区の補助がある) 延長保育(1時間) 1500円
認可外保育園 100000円* 延長保育(1時間) 延長保育(1時間) 1260円

*認可外でもその自治体の基準を満たせば減免があるところも。ただし、認可外の多くは入園料の負担がある。
*保育料は3歳をすぎると負担が減ります。

認可外保育園の保育料の高額さに驚きますが、認可外は利用者の負担する保育料だけで運営しているため、どうしても高額になりがちです。高級感を売りにして、20万円近い保育料をとるところもあります。
逆に自治体の助成を受けていないのに、格安の保育料になっている施設の場合はどうやって運営できているか、注意をする必要があります。

第一希望の保育園に落ちてしまったらどうすればいい?

認可保育園の入園選考(利用調整)の結果は、「内定通知」もしくは「不承諾通知」として届きます。もしも不承諾通知が届いたら、次の手を考えなければなりません。その方法をおすすめ順に紹介していきましょう。

2次募集に応募

不承諾通知を受け取ったら、自治体のホームページを見て、2次募集を受けつけている施設を探しましょう。認可の小規模保育施設や認定保育ママも含め、空きやキャンセルが出ている場合もあります。申請書類を出すときに、窓口で倍率やどの園なら入れそうかなど、困っていることを伝えてくわしく聞いてみましょう。すでに定員の園でも微調整が行われることもあります。
ただ希望通りの園に入れなくても、通わせてみたらいい園だったという声が多いのも事実。理想と違っても、視野を広くして、あきらめずに行動しましょう。

認可外保育施設に問いあわせ

準備をしていた予約済みの施設に入れるならいいのですが、そうでない場合、通える範囲の認可外施設に連絡をして空きを確認します。祖父母の協力を得られるならお願いしつつ、ベビーシッターやファミリーサポート、認可園の一時保育枠を組みあわせて利用する方法もあります。認可外施設を利用していたことを自治体に申請すると、調整指数が加点され、次の申請に有利になることがあります。

育休延長を会社と相談

まずは上司に状況を話し、育休が延長できるかどうかを相談してみましょう。2017年10月から、保育園に入れなかった場合は2歳まで育休が延長できる制度になっています。延長が可能となったら、復帰の時期に預け先が確保できるように、早速、保育園探しを再開します。認可園に入園できる可能性はどれくらいあるか、自治体窓口と相談しながら予測し、認可がだめだったときのために認可外施設の予約などもしておくといいでしょう。

まとめ

最近は、パパやママの負担を減らすために、保育園の入り口で子どもを預けられる施設や、送迎ステーションなどで子どもの受け渡しができるところなどもでき、親が保育園で保育の様子を見るのは週に一度といった園も出てきました。
けれども効率化を求めすぎると、大事な面が欠落することも。保育士と接する機会が多いほど、情報は共有されるので、何かあったときにトラブルに発展しにくいのです。
保育園選びでは、親の使い勝手よりも1日の大半を過ごす子ども目線で考えたいもの。ぜひ、我が子が笑顔で元気に通える預け先を見つけて。

(取材・文/bizmom編集部 橋本真理子/メディア・ビュー)
監修
普光院亜紀さん
「保育園を考える親の会」代表。仕事と育児の両立に役立つ出版物の発行や会員の情報交換、イベントなどの活動を行っている。

参考文献
『はじめての保育園』(主婦と生活社)

子育て・育児

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