【産後の体形戻し】管理栄養士がすすめる理想のサイクルとは?
妊娠中に変化したおなかや腰まわり。これってどうやって元に戻るの…? と心配な妊婦さんも多いはず。でも、産後に無理な食事制限や激しい運動をするのはおすすめできません。管理栄養士の荒谷美紗さん、永岡有香さんが教えてくれたのは、「母乳育児で自然に体形が戻る」という方法。赤ちゃんも喜ぶこの方法をじっくり解説します。
産後すぐの運動と食事制限はなぜダメなの?
体形をすっきり元に戻すには、運動をしたり、食事制限をしたりするのが手っ取り早い気がしますよね。でも、産後はNG! 理由は「ママの体を休ませる必要がある」ことと「授乳」に関係があるそう。まずはこのことについて伺いました。
産後、体を本格的に動かせるのは1カ月健診のあと
「出産という大仕事を終えたママの体は、普通分娩にせよ、帝王切開にせよ、かなりのダメージを受けています。そのため、産後1カ月程度は、ゆっくり体を休ませる必要があります。体形戻しのためにしっかり体を動かせるようになるのは、1カ月健診で医師から『動いてOK』の指示が出てから。OKが出ても、まずは簡単なストレッチなどで体を慣らします。いきなりハードな運動をするのはNGです」
ママが食べないと、おっぱいは出ない!
「産後、ママが食事制限をしてしまうと、おっぱいの元となる栄養が作られず、十分に供給できなくなってしまいます。この状態が続くと、
「おっぱいが十分に出ない」
↓
「赤ちゃんが飲まない」
↓
「おっぱいがますます出ない」
という悪循環に陥る可能性があります。『体形を戻したいから』という理由で、ごはんの量を減らしたり、偏った食生活をするのは逆効果なのです」
タンパク質を積極的にとるのが正解!
「産後はバランスのいい食事をとることが大切ですが、中でもとくに意識してとってほしいのがタンパク質。タンパク質は、母乳の元になる血液、赤ちゃんの筋肉や臓器を作るための大切な栄養素です。肉や魚に含まれるものと、豆腐や納豆に含まれる植物性のものと、両方とるのがおすすめ。
タンパク質がとれていると、
「おっぱいが豊富に出る」
↓
「赤ちゃんが飲む」
↓
「たくさんおっぱいが作られ、ますます出るようになる」
↓
「赤ちゃんがたくさん飲む」
↓
「授乳によってママのエネルギーが消費され、体形が自然に戻り、しかも筋肉質なメリハリのある体になる」
という理想的なサイクルができるのです。また、赤ちゃんが乳頭を吸うと、ホルモンが分泌されて子宮収縮を促します。このため、母乳育児はママの体力回復にも効果を発揮してくれます」
おやつ感覚で、手軽にタンパク質をとろう
「最後に、タンパク質が気軽にとれる食品を紹介しましょう。チーズや魚肉ソーセージ、アーモンドフィッシュ、ゆで卵、豆腐、納豆。これらを間食の代わりに食べることで、必要な栄養を補うことができます。魚料理が苦手な人は、ツナ缶やしらす、さば缶などを利用してもいいですね。最近では、レモン風味のさば缶なんていうのもありますから、ぜひ試してみてください。
母乳育児が赤ちゃんにとっていいことだというのはわかっていましたが、まさか体形戻しにも最適だとは! ただし、母乳が出るかどうかは体質にもより、どうしてもうまく出ないときはミルクに頼るのが◎。「絶対、母乳!」と力まず、赤ちゃんに最適な方法を選んでくださいね。
(文・たまごクラブ編集部)
監修/みらいウィメンズクリニック 管理栄養士 荒谷美紗さん、永岡有香さん
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