東大教授、玩具研究家が選ぶ”子どもが夢中になるおもちゃ”とは?
ネット通販サイト「楽天市場」で取り扱う数十万点のおもちゃから、「子どもが夢中になるおもちゃ」を表彰する「楽天おもちゃ大賞2018 supported by 楽天ママ割」。昨年に続いて2回目の開催となる今回、いったいどのようなおもちゃが選ばれたのでしょうか。楽天本社で開催された表彰式とトークショーにお邪魔しました。
最年少世界チャンピオン誕生でオセロ人気が復活!
昨年の「楽天おもちゃ大賞2017」では、「話題賞」に木製ブロックの「キュボロ」が選ばれました。将棋の藤井聡太七段(当時四段)が幼少期に遊んでいたことで人気が爆発しましたが、今年は大人も子どもも楽しめる定番ゲームの「オセロ」が、楽天おもちゃ大賞2018の「今年のトレンドおもちゃ賞」を受賞。10月にチェコの首都プラハで開催された第42回世界オセロ選手権で、小学5年生の福地啓介さんが最年少記録となる11才で優勝したことで人気が再燃したのです。この効果により、楽天市場でも一時的にオセロの売り上げが伸びたのだとか。
さらに今年の楽天おもちゃ大賞では、時代を先取りしたおもちゃにも「来年のトレンド予測おもちゃ賞」が授与されました。「ドラえもんステップアップパソコン」や「プログラミングロボ コード・A・ピラー」、「バイリンガル・ラーニングボックス」など、2020年度から小学校で必修化されるプログラミング教育や、小学3・4年生で必修化、5年生6年生で教科化される英語教育の事前トレーニングにも役立ちそうなおもちゃが選ばれました。
楽天チームがオリジナルおもちゃを開発
そんな中で大賞を受賞したのは、「おもちゃブロック」。小さい子どもでもつかみやすい、軽量かつ大きなサイズのブロックで、大人も一緒に遊べることが決め手となりました。ほかにもユニークなおもちゃがノミネートされており、受賞を逃したおもちゃの中にも面白そうなものがたくさんあります。楽天おもちゃ大賞2018のノミネートおもちゃや各賞の結果については、こちらから見ることができます。
また今回の表彰式では、楽天が主導して開発したオリジナルおもちゃ「初めての仲良しデビュー 木製パズルゲーム」も披露されました。開発に携わったのは、昨年大賞を受賞した「小さな大工さん」。楽天おもちゃ大賞選考委員でもある東大教授・開一夫先生と玩具研究家・岩城敏之さんも監修として加わったおもちゃで、木のぬくもりが感じられるうえに、協力し合ってボードにパズルピースをはめていったり、サイコロを振ってどちらが早くパズルピースをはめられるか競争したりと多様な遊びが可能なおもちゃとなっています。
実行委員の楽天・松山秀勝さんによると、昨年初めておもちゃ大賞を開催した楽天チームは、自分たちがおもちゃのことを知らないと痛感して、この1年間でおもちゃメーカーなどを取材。開発・製作の現場を知るうちに、自分たちもおもちゃを作りたいという思いが芽生えたようです。
おもちゃ市場が伸び悩む中、楽天市場におけるおもちゃの年間流通金額は右肩上がりで上昇中とのこと。この勢いで、おもちゃ市場全体を盛り上げてもらいたいですね。
専門家からクリスマスプレゼント選びのアドバイス
表彰式後は、おもちゃで遊ぶ子どもたちを囲みながら、審査委員二人によるトークショーが行われました。クリスマスを前にママ・パパ、祖父母にも参考になりそうなアドバイスがあったので、プレゼントに悩み中という方は参考にしてみてください。
赤ちゃんの発達にも詳しい、東京大学大学院総合文化研究科教授の開一夫先生は、ご自身の育児経験を交えて次のように話されました。
「僕は子どもが小さいときに、男の子向け、女の子向けといったジェンダーにかかわらずいろいろなおもちゃを与えていました。娘も最初は僕の好きな鉄道のおもちゃで一緒に遊んでくれていましたが、そのうちやっぱり人形とかぬいぐるみが好きになりました。親やおじいちゃん、おばあちゃんが子どもの好きなおもちゃを決めつける必要はないんじゃないかなと思います。コミュニケーションの時間として、一緒に遊べるものを選ぶといいと思います。おじいちゃんおばあちゃんも、お孫さんと一緒におもちゃ屋さんに行ってみるといいでしょうね」(開先生)
玩具研究家でキッズいわき代表の岩城敏之さんの提言は、悩めるママ・パパたちに勇気を与えてくれるかもしれません。
「プレゼントはあげる人の押し売りですから、自分の思いをぶつけていいんです。『どうせなら子どもに喜ばれるものをあげたい』と言ってみんな困っていますが、子どもにこびる必要はありません。子どもにとって楽しく、ばあばやじいじ、お母さん、お父さんと楽しく過ごすひとときが、人生のいちばんのプレゼント。いろんなおもちゃがあっていいと思いますが、幸せ光線のシャワーを浴びるだけのものよりも、できるだけ頭と体を使って、失敗をこわがらないで、ああでもない、こうでもないと、工夫しながら長く遊べる自由度の高いものがいいでしょうね」(岩城さん)
オセロやプログラミングおもちゃといった頭脳系おもちゃが目立つ中、ひときわ異彩を放っていたのがトランポリン。岩城敏之さんによると、最近の若いママ・パパは、危ないことを先に排除してしまう傾向があるようで、そうすると子どもの経験値が下がってしまうのだとか。「危険なことかどうかがわからないまま大きくなってしまうと、大きなけがをしたり、失敗をすごく怖がったりしてしまう」ということなので、こうした体を使った遊びができるおもちゃも、一つあるといいかもしれませんね。110kgまで対応しており、大人も一緒に遊べます。今回のおもちゃ大賞にノミネートされたおもちゃは、どれも親子一緒に遊べるもの。「何を買うか」よりも「どんな遊びを一緒にしたいか」と考えると、選ぶほうも楽しいと思います。
※直径39㎜以下の大きさのものは、乳幼児は誤飲するおそれがあります。手の届かないところに置くのが基本ですが、遊ぶ際には必ず大人が目を離さないようにしましょう。
(撮影・取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)