進次郎の育休は是か非か? 頭が固まっている人は「せやろがいおじさん」をみて!
今月半ば、小泉進次郎環境大臣が「育児休暇」を取得すると表明しました。妻である滝川クリステルさんとの第1子の育児をするため、3か月間に合計2週間程度、育児休暇をとるということに対し、多くの批判の声が上がり、たまひよONLINEはさまざまなことを考えざるを得ませんでした。そんななか編集部が観た一本の動画、それが、お笑いコンビ、リップサービスの榎森耕助さん(32才)、通称「せやろがいおじさん」の「育休を取った小泉進次郎に一言」でした。前後編でお伝えします。
ナイス!と言わざるを得んやないか、に込められた想いとは
「おーい進次郎 大臣のくせに何育休とっとんじゃー」
沖縄の壮大な自然の前で叫ぶ赤いTシャツ、赤いはち巻、赤いふんどしを着けたをせやろがいおじさん。動画はそのあとすぐに
「的なこと言おうと思ったのに 調べれば調べるほど 進次郎ナイス! と言わざるを得んやないかい」
と続きます。
その後はたたみかけるように、「日本の初産婦の25%が産後うつの可能性があるということ」、「男性が家事育児に参画する時間が多ければ多いほど第二子以降の出生率が上がると言われていること」などの言葉が、謎のポージングとともに次から次へと繰り広げられます。
強いインパクトとともに、早口で語るせやろがいおじさん。思わず見入ってしまいます。
ぜひインタビューさせてほしい。編集部ではすぐにせやろがいおじさんこと、榎森耕助さんに電話インタビューを依頼しました。
少子化社会対策基本法が公布されたのは2003(平成15年)。それから16年、出生数は86万人まで落ち込んでいます。母親はもちろん乳児の家族の負担はいぜんとして重いまま。
榎森耕助さんはなぜこの動画をつくったのでしょうか。
育休は上司が取ったほうが2.5倍も取得率に影響がある
――どうして進次郎さんの育休をとりあげたのでしょうか?
榎森さん(以下敬称略) 最初は僕も進次郎さんの育休なんやねんとちょっと批判的な目で見ていたんです。でも、詳しい人に聞いたり調べたりとして「いや、これ『大臣』が取るんが意味あるんや」と行き着いたんです。
僕自身男性の育休について、まったく知らなかったんだなと。2週間とか短い期間って何の意味があるねん? と。でも、産後うつのピークが2週間目、その時期に出産で不安に思っている人の一番信頼できるであろうパートナーがいっしょにいるのは、実はものすごい意味があるんだってこと。ほかにも短い休みでもいいことがいろいろあった。これが本当に目からうろこで、へんな言い方かもですが新鮮な驚きだったんです。だから、これは知らない人多いんじゃないか、『発信する意味があるんじゃないか』と思ったんです。
――「大臣のくせに」から「ナイス!」に変わった理由はなんでしょうか?
榎森 育休は同僚が取るよりも上司が取ったほうが2.5倍も取得率に影響があるという情報や、三重県の知事が数年前に育児休暇をちょっとだけど取ったら、三重県の職員さんの育休取得率があがったという話、海外なら首相だって取る国もあるなか、大臣がとって大騒ぎしてる日本ってちょっとズレてるんじゃないだろうか。大臣だからアカンじゃなくて、大臣だからこそ『ナイス!』なんだなと。大臣である進次郎さんが取ったら影響力ははかりしれないし風潮だって作れるんじゃないかなと
――反響はどうですか?
榎森 Twitterではアップ2日時点でもう140万回ぐらい再生されてました。これは僕のいろんな動画のなかでも早いほうですね。政治や時事問題の動画をあげることが多いんですけど、今回の動画は観る人の自分の生活に近い所のことだから反応が早いのかもしれません。
――どんな声がありましたか?
榎森 子育て経験ある方や、これから子育てしようとしている方、男性で後悔しているという方の声などをもらいました。いつも僕の動画を観てくれてる人と違う人に届いたなというのは実感があります。
――後悔している人?
榎森 そうですね、一番切なかったのは『だから離婚されたのか』という声でした。
忙しい中言葉を慎重に選びながら答えてくれた榎森さん。
後編では榎森さんの育休の『休む』という言葉に対する疑問と強い思いをお届けします。
(文・たまひよONLINE編集部)
せやろがいおじさん
榎森 耕助(えもり こうすけ)/えもやん
プロフィール
1987年生まれ。奈良県出身。お笑いコンビ「リップサービス」を金城 晋也と結成。オリジン・コーポレーション所属。Youtubeチャンネル「ワラしがみ」では『せやろがいおじさん』として笑いを通して社会問題に物申す。オリンピックのボランティアに関する動画や金足農業の侍ポーズを禁止した高野連に関する動画など注目を集めている。赤いふんどし、赤いハチマキがトレードマーク。ラストに放つ「せやろがい」が特徴。