おたくマンガ家が人気スイーツ店にトライ【御手洗直子のコマダム日記】
今回はマダムちっくな食べ物について。大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。「つっこみが止まらないコマダム日記」#47
OH!テリブル・トーキョー!
話題のスイーツやらウワサの新商品やらというものを常々食べてみたいわァだとか今度こそ食べに行ってみようと言い続けて1000件くらいはそのような甘美な情報を見送りながら生きているわけだが、私とて今まで一回もそのような機会に触れずにここまで来たわけではない。そう、私だって話題騒然のスイーツのために並んだ経験だってあるのだ。それはツイッターで数千RTされ、インプレッション数万件という反響を呼んだ、とあるお店のクッキーである。
ツイートが私のもとへも流れてきたのだが、私は以前そのクッキーを食べたことがあった。有名店のクッキーを周知した上で買いに行ける甲斐性は私には無い。昔、優しい人から頂いたのである。ゆえに私はそのクッキーがめちゃくちゃおいしいことを知っていた。ツイート主もそのクッキーがめちゃくちゃおいしいことを興奮気味にツイートしていたわけだが、おお、だよね、あのクッキー、おいしいよね…。
というわけでそのクッキーを買いに行こうと思い立った。わざわざそのために都会に出る甲斐性はない。たまたま近くの方面へ仕事へ行く用事があったのである。死ぬほどRTされてはいるが、開店1時間前に並べば余裕であろう。早すぎたら近くにあるカフェで開店まで待てば良い。ということで、当日は開店一時間前にお店に着くように出発したのであった。
さて、開店一時間前である。お店までまだ随分距離があるが、とてつもない行列が見える。おそろしい。きっと違う。なんだあれは。怖い。確認できない。
はたしてそれは、目当ての店の行列であったのだった。OH!テリブル・トーキョー!である。
開店一時間前でこのありさまである。迷ったが、並んだ。完全なる道すがらではなく、一応最寄り駅まで電車賃を使ってここまで来たのだ。
列を見ただけで引き返す人もいる。わかるよ…これは5分10分で終わる仕事ではない…。今の時点で開店1時間前である。列を写真に撮っただけで去った人もいる…。わかるよ…コレはこの光景だけでもネタになる…。
開店までにこの行列はどうなるというのか…その後の仕事の時間までに間に合うのか。
恐怖を抱えつつ待機するのであった…(カフェで待つとかいうレベルの話ではなかった)(つづく)
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子twitter:@mitarainaoko