専門医に聞く「妊活は、自分たちを知ることから始めよう」
赤ちゃんが欲しいと「妊活」を意識し始めたけれど、そもそも妊娠のしくみ、男女の体のこと、卵子や精子のことについてきちんと教えてもらったことがないと思いませんか?
実は意外に知らない「妊娠のしくみ」と自分たちの「体」のこと、この機会に2人でおさらいをしましょう。
また、妊娠を望む2人には妊活を通して将来設計をすり合わせるよいチャンスです。
産科医の竹内正人先生に伺いました。
「2人で知っておくべき妊娠するための基礎知識」 #1
※参考:「妊活たまごクラブ 2022-2023年版」
「妊活」は、自分たちを知ることから始めよう
今、人生は100年時代ともいわれ、人の生き方や社会の価値観も大きく変化し、LGBTQのカップルなど、恋愛や性的指向に関しても多様性への理解が進んでいます。
さらに2020年からは、新型コロナウイルスの問題も発生し、リアルな人間関係を構築することが難しくなっているのも事実です。
しかしそんな時代にあえて、「生殖」「種の保存」という観点から、人間にはどうして男女2つの性があるのか?をあらためて考えて欲しいのです。
それは自分がどう生きたいのか?という自身の在り方とも通じてきます。パートナーなど信頼のおける人と話をして、言語化をしてみるのもいいでしょう。
しかし現代社会は、普通に暮らしている限り、われわれが性を意識するシーンというのはそうそうありません。さらにコロナの影響もあって、パートナー探しをネットで行う、その相手をスペックで選ぶといった人間関係の「安易さ」が加速しているような気がします。
それが、「子どもが欲しい」と思ったとたん、自分たちが男と女であることを意識せざるを得なくなります。なぜなら妊娠は、2つの性がなくては実現しないからです。
本来「妊活」を意識しなくても、男女が愛のあるセックスを定期的にしていれば、ほとんどが自然に妊娠していました。しかし今、年齢とともに卵子は老化し、男性側にも不妊の原因があることがわかり、社会や環境要因からも子どもができにくくなっています。
子どもを持ちたいと「男」「女」という性にあらためて直面している2人には、テクノロジーの進化などに振りまわされず、今こそ自分たちの「性」と「体」を見つめ直して欲しいと思います。お互いの心と体を理解し合い、2人にとっての自分たちらしい「妊活」を見つけてください。
■監修/竹内正人 先生
●取材・文/長谷川華
※記事内容、日付、監修者の肩書、年齢などは掲載当時のものです。