生理が妊娠とどう関係するか知っていますか?
生理のしくみ
生理のしくみについてきちんと知っておこう
女性の体が妊娠をするためには、生理の働きは必要不可欠なものです。
脳から女性ホルモンに、「卵巣を刺激せよ」との指令が出されると、卵巣では、卵子が成熟して排卵されます。
卵子が排卵される少し前から、子宮は受精卵の着床とその後の受精卵の成長のため、子宮の内側(=子宮内膜)を厚くしていきます。これも女性ホルモンの働きによるものです。
受精しないと卵子は消滅し、使われなかった子宮内膜は、子宮から剥がれ落ちます。この子宮内膜と剥がれたときの出血した血液が混ざって経血となります。これが生理のしくみです。
ですから生理は、体の中で今月も赤ちゃんをつくる用意ができていましたよ、という証しでもあるのです。
生理のバイオリズム
生理は、ホルモンの指令の下、女性の体が妊娠できるように整える働きです。月経、卵胞期、排卵期、黄体期の4つの周期からなり、期間は25~38日。月経は3~7日間続きます。
生理についてのQ&A
Q1:生理周期ではないときに出血があります…
A:不正出血がある場合、うまく排卵が行われていなかったり、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣や子宮にトラブルがある可能性が。色が茶色いおりもの状だったり、色や量がおかしいと思ったら、早めに産婦人科で検査を。
Q2:周期が長いのですが問題ないですか?
A:月経は5~6日が平均的な期間。経血が毎回10日以上続く場合は、女性ホルモンのバランスが崩れていたり、子宮筋腫などがある可能性も。逆に2~3日で終わる人は無排卵の恐れもあります。いずれにせよ一度受診を。
Q3:毎回出血の量が多くて心配です
A:多少の増減差なら心配はありませんが、ナプキンからもれてしまったり、レバー状の経血がある場合には、女性ホルモンの異常や子宮筋腫などが考えられます。経血が多い場合は一度婦人科での受診をおすすめします。
Q4:生理前の体調不良がひどいのですが…
A:生理前にむくんだり、肌荒れがひどくなるのは、黄体ホルモンのバランスの変化が原因。塩分やアルコールを控えたり、運動や入浴などで血行をよくしたり、食生活や規則正しい生活を心がけると、改善する場合もあります。
Q5:生理があっても排卵がないことがあるって本当ですか?
A:経血があっても、排卵しているかどうかは別問題。市販の排卵検査薬を使って調べても排卵していないことも。心配な場合は婦人科で超音波検査をするとよいでしょう。時期に関係なく、調べることができます。
【監修】医療法人浅田レディースクリニック理事長 浅田レディースクリニック名古屋駅前クリニック院長 浅田レディース勝川クリニック院長
浅田義正先生
名古屋大学医学部卒。医学博士。米国で顕微授精の研究に携わり、1995年、名古屋大学医学部付属病院分院にて、精巣精子を用いたICSI(卵細胞質内精子注入法)による日本初の妊娠例を報告。日本生殖医学学会認定生殖医療専門医。
【監修】出産ジャーナリスト
河合蘭さん
1986年より出産に関する執筆活動を開始。東京医科歯科大学、聖路加看護大学大学院等の非常勤講師も務める。著書『未妊—「産む」と決められない』(生活人新書)、『卵子老化の真実』(文春新書)など多数。2016年『出生前診断─出産ジャーナリストが見つめた現状と未来』(朝日新書)で科学ジャーナリスト賞受賞。