妊娠を妨げるトラブル&病気 part2
子宮のトラブル
子宮のトラブルは、ほうっておくと不妊の原因に。自覚症状がないものも多いので、定期的にチェックするようにしましょう。
子宮筋腫
子宮内にできる良性の腫瘍。不妊の原因にも
子宮筋腫は良性の腫瘍ですが、大きくなったり数が増えると受精卵が着床しにくくなるので、不妊の原因にも。症状としては、生理時の出血が増えたり、下腹部痛、腰痛、頻尿、便秘、貧血など。まずは投薬治療をしますが、症状がひどい場合は手術で腫瘍を摘出します。
子宮内膜症
子宮の内膜が子宮以外の部位にできる
子宮の内側にある子宮内膜が、子宮以外の周辺の組織で増殖する病気です。卵管や卵巣近くにできると排卵が正しく行われず、不妊の原因にも。30代以降に多く、激しい生理痛が特徴です。そのままほうっておくと卵巣に血液がたまり、手術が必要になります。
子宮頸がん
産道の一部になる部位にできるがん
セックスの経験がある女性なら、だれでもなる可能性があるがん。初期は自覚症状がありません。進行すると不正出血やおりものの増加などの症状が出て、さらに進行すると子宮摘出や生命にかかわることも。早期発見なら完治可能なので、予防のためにも定期的な検診を。
子宮体がん
赤ちゃんを育てる子宮に発症するがん
子宮内膜から発生するがんで、初期の段階でも不正出血が見られます。また、おりものも茶色っぽくなったり、逆に水っぽくなったりすることも。最近では、子宮内膜増殖症から子宮体がんに進行する若い女性が増えているので、気になる症状があれば早めに受診を。
【監修】医療法人浅田レディースクリニック理事長 浅田レディースクリニック名古屋駅前クリニック院長 浅田レディース勝川クリニック院長
浅田義正先生
名古屋大学医学部卒。医学博士。米国で顕微授精の研究に携わり、1995年、名古屋大学医学部付属病院分院にて、精巣精子を用いたICSI(卵細胞質内精子注入法)による日本初の妊娠例を報告。日本生殖医学学会認定生殖医療専門医。
【監修】出産ジャーナリスト
河合蘭さん
1986年より出産に関する執筆活動を開始。東京医科歯科大学、聖路加看護大学大学院等の非常勤講師も務める。著書『未妊—「産む」と決められない』(生活人新書)、『卵子老化の真実』(文春新書)など多数。2016年『出生前診断─出産ジャーナリストが見つめた現状と未来』(朝日新書)で科学ジャーナリスト賞受賞。