30歳を過ぎると不妊治療を理由に同期が次々と退職…
2歳と0歳の姉妹を育てるママライターの【トッポジージョ】です。第1子を妊娠、出産したのは31歳のときです。
新入社員のころ知った不妊治療と仕事の両立の難しさ
私が実際に不妊治療をしている方に初めて出会ったのは、まだ新入社員のころ。たまたま職場の先輩が不妊治療を始めたのです。急なシフトの調整、病院でホルモン注射を打ってから遅刻して出勤するなど、仕事との両立は大変そうに見えました。
販売職だったので、急にひとり欠けるのは大きな痛手。その方が不妊治療で遅刻やお休みをされるときは、まわりのメンバーが調整してフォローするかたちとなります。女性の多い職場でしたし、ママも多かったので不満はあまりでていませんでしたが、ご本人はやはり気を遣っていたのがわかりました。
このときの経験から、仕事をしながらの不妊治療には、相当な覚悟が必要であること、職場環境やメンバーの理解が大きな鍵を握ることを知りました。もし自分が不妊治療を始めるときには、仕事を辞めようとこのころから考えていました。
30歳を過ぎると不妊治療を理由に同期が次々と退職
不妊治療は生理や排卵のタイミングで通院日が決まることが多く、生理不順の方にとって仕事の調整が難しい場合があります。メンバーと共同で進めるのがメインの場合はなおさら大変かもしれません。メンバーに迷惑をかけてしまうと気を遣わなくてはいけない状況が、治療中のストレスになってしまいます。
そんななか、30歳を過ぎたあたりから不妊治療を理由に退職する同期が増えてきました。まわりに出産をする知人が増えてきた焦りと「年齢的にも早めに治療を進めたい」、「役職や責任ある仕事も増え、急に穴をあけられない」という思いから、私も退職希望を申し出ました。
退職理由に不妊治療が目立ち始めたと実感
ここ数年、不妊治療を行う人は確実に増加していると思います。なぜなら人事課で10年ほど仕事をするなかで、退職願にある退職理由に変化を感じるからです。結婚や妊娠を理由に退職する方が減少してきたのと反比例して、退職理由に不妊治療が増えてきたのです。
退職理由に不妊治療が明記されるようになった理由は、単に不妊治療する方が増えたということだけではないように思います。退職の理由として明記できるほど、不妊治療が一般的な治療になってきていることの表れだといえるのではないでしょうか。不妊治療に対するネガティブな印象が変わり、世の中の考え方、受け入れられ方が変化したことの証かもしれません。
こうした実感から、私が不妊治療を始めるときも、上司には正直に話すことができました。
私が不妊治療で退職を希望した本当の理由
いろいろな考え方あると思いますが、私の場合は仕事が好きだったからこそ、仕事との両立は考えませんでした。不妊治療を始める時期が延び延びになってしまうと懸念したからです。「仕事が面白いからこそいつまでも不妊治療より仕事を優先してしまうだろう」、「このままだともうすぐ管理職、そうなればもっと責任が重くなり、治療の際に迷惑をかける」と感じたのです。
さらには「仕事を優先して不妊治療の段階を上げることをためらっている間に、年齢的にも妊娠できるタイミングを失う結果になったら、夫のご両親にも顔向けできない」と考えたからです。どちらも中途半端になってしまうくらいなら、いっそ辞めようと決意し、昇進試験の話が来る前に退職希望を申し出ました。
不妊治療を経て、妊娠38週で体重2926g、身長48.2㎝の女児を無事出産しました。不妊治療の開始は早いほうがいいと、私は思います。私が不妊治療を開始したのは30歳のときでした。幸運にも排卵誘発剤によるタイミング療法の段階で妊娠できました。年齢的にも気持ち的にも余裕があったこと、仕事を辞めると申し出ていたことで仕事に対するストレスが少なかったことが私の場合は大きかったと思います。
[トッポジージョ*プロフィール]
2歳差2人姉妹のママです。姉妹ともに妊娠糖尿病と切迫早産による長期入院をへて出産しました。長女は誘発による計画分娩、次女は逆子のため帝王切開手術でした。同じ状況のママの情報になればと思い、記事作成中です。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。