妊娠体質をつくる5つの栄養素って? 2人で食べたい「妊活ごはん」の基礎知識
妊活中にパートナーと2人で食べたい<妊活ごはん>って、どんな栄養素が必要? 食事の注意点は?
妊活中にぜひチェックしてほしい食事の栄養について、産婦人科医の佐藤雄一先生に伺いました。
「栄養バランスのいい時短レシピ 2人で食べるほどに妊娠力アップ 妊活ごはん」 #1
※参考:「妊活たまごクラブ 2019-2020年版」
妊娠体質をつくる5つの栄養素
妊活中の2人に積極的に摂ってほしい栄養素をチェックしましょう!
1・タンパク質
骨や血管、内臓にはじまり、髪の毛や皮膚、爪などに至るまで、体作くりに欠かせないタンパク質。
摂取量の目安は体重1kgあたり1日1~1.5g。
植物性・動物性あわせての摂取が必要です。
2・ビタミン類
別名「妊娠ビタミン」と呼ばれるビタミンEをはじめ、子宮環境を整えるビタミンA、妊娠糖尿病や低出生体重児などのリスクを軽減するビタミンDなどは、妊活中に積極的に摂取したい栄養素。
3・鉄分
鉄分は赤血球をつくったり、酸素を体内に運ぶ重要な役割を果たす栄養素。
また粘膜をつくるので、ふわふわな子宮環境に整える働きも。女性は月経で毎月鉄分不足になるので多めに摂取を。
4・葉酸
葉酸は細胞分裂や成長、DNAの形成に必要不可欠な栄養素。
妊娠中だけでなく、妊娠前からの摂取を厚生労働省も推奨。
ほうれん草やブロッコリー、レバーなどに多く含まれています。
5・亜鉛
精子の形成や前立腺の働き、精子の運動と活性化に役立つ栄養素。
亜鉛が欠乏すると、性欲の低下につながることも!
女性ホルモンの生成にも必要なので、夫婦で摂取するのが望ましい栄養素。
妊活中ごはんのポイント:「主食」・「主菜」・「副菜」
妊活中の食事、「主食」・「主菜」・「副菜」の摂りかたについてまとめました。
「主食」 白いものを避けて血糖値をコントロール
主食となる米やパンは、白く精製されたものほど糖質が高く、摂取しすぎると卵巣機能の低下を招くといわれています。
できるだけ炭水化物が消化され糖に変化する速さを表すGI値(グリセミック指数)60以下の食材で、血糖値を安定させる工夫をしましょう。
ちなみに精白米のGI値(100g あたり)は84、食パンは90~95もあるので要注意。
「主菜」 妊娠体質をつくる栄養素を積極的に摂取
妊娠体質をつくるためには、肉や魚、卵、豆腐など、動物性と植物性のタンパク質をバランスよく摂取することが基本です。
また、受精卵の着床率を上げるといわれているビタミンD(いわしや紅鮭など)、精子の数が増えて運動が活発になる亜鉛(カキや牛肉など)を意識して食べることもおすすめします。
「副菜」 ビタミンや葉酸を意識してたっぷり食べたい野菜
アボカドやほうれん草などに多く含まれるビタミンE、ブロッコリーやパプリカなどに含まれるビタミンCは、同時に摂取することで強い抗酸化作用を発揮。
卵子や子宮内膜、精子の質アップが期待できます。
また、妊娠を望む女性に欠かせい葉酸、体を温める効果のある根菜なども積極的にとりたい食材です。
いかがでしたか?
次回からは妊活中に必要な栄養素をたっぷり入れただけでなく、忙しい2人でも手軽に作れるレシピを料理研究家の関岡弘美さんに教えていただきます。
監修:佐藤雄一 先生

産科婦人科舘出張 佐藤病院院長、高崎ARTクリニック・フィーカ レディースクリニック理事。
体外受精や腹腔鏡などの不妊治療に従事しながら、年間約1400件の分娩にも携わっている。著書は『今日から始めるプレコンセプションケア』(ウィズメデカル刊)他。
料理:関岡弘美 さん

料理研究家。
料理雑誌の編集者、フランスへの料理留学を経て、雑誌などで作りやすくおしゃれなレシピを提案。近著の『保存レシピの便利帳』(辰巳出版)をはじめ、著書多数。
■撮影/小野田陽一
■スタイリスト/シダテルミ
■撮影協力/UTUWA(03・6447・0070)