いまどきの不妊治療費の相場とは? 大切なのはクリニックに「確認」すること
不妊治療に踏み出せないカップルの心のハードルはどんなものなのでしょうか。
今回は「お金のことが心配」について妊活コーチの松本亜樹子さんに聞きました。
「初めての不妊治療クリニック「選び方&心得」これで怖くない!ガイド」 #6
※参考:「妊活たまごクラブ 不妊治療クリニック受診ガイド 2019-2020年版」
「全部でいくらかかりますか?」と聞いてもいいんです
検査や治療にかかるお金のこと、不安になると思います。でも、初めから数十万円もかかるようなことはありませんし、きちんとした病院では料金についての説明があります。
大事なことは、治療も検査もどのくらいの費用がかかるか、はっきりと聞いて構わないということ。治療費の一覧表を提示してくれる病院もあります。さらに、保険診療なのか自由診療なのかなども遠慮しないで聞いてOKです。
もし、一覧表などでもわかりづらかったら、「自分のこの検査(治療)は、全額でいくらくらいかかりますか」と確認してみるといいでしょう。
施設によって異なるのが不妊治療の料金体系
ほとんどが自由診療なので、施設によって違いはあります。とはいえ、おおよその相場は知りたいですね。初診では血液検査、超音波検査(しないことも)、子宮卵管造影検査などでだいたい1〜2万円くらい。なんらかの疾患があり、保険でカバーできる部分があると、もっと安くなることもあります。
納得して治療を受けることにお金も含まれている
不妊治療は通院の回数も多く、治療内容も保険適用の扱いにならない自由診療での治療ケースがほとんどです。治療ステップが進むにつれて、トータルの治療費が高額になることは、やはりある程度の覚悟は必要です。
そのためにも、不妊治療を始めるとき、どの治療を何回まで、どのステップまで進めるのか、夫婦同士も、医師ともよく話し合って、その都度納得して決めていくことがとても大切です。これには費用のことも含まれています。
【こんなときにはこんな言葉】この検査って、いくらかかるんですか?
★お金のことは率直に聞いてOK
治療を進めていくと、次のステップに進むときに必ず「この治療を受けますか?どうしますか?」と聞かれます。そのときに、料金はどのくらいですか?と聞いてOKです。医師に尋ねられると治療内容についてだけ理解を求められているかのように思えてしまいますが、お金のことまで納得して治療を受けることが大切です。
いまどき不妊治療の「相場」って?
●初診:5千円~
●検査:1万~2万円
※初診5000円は確かに安くはないけれど、初めからそんなに高額というわけではないことがわかります。下記は、各治療における1回あたりの費用ですが医療機関によって異なります。
●タイミング法:1回/3千~8千円
●人工授精:1回/1万~5万円
●体外受精:1回/30万~50万円
●顕微授精:1回//50万円~
通院開始からの治療費の総額
不妊治療にかかった金額は、2018年も2013年も、いちばん多かったのは100万~200万円。次いで10万~50万円、50万~100万円。これは一度に払った金額ではなく「総額」。
体外受精・顕微授精となると高額になりますが、特定不妊治療費助成制度なども活用して、賢く妊活したいところです。
データ出展:NPO法人Fine(「不妊治療と経済負担に関するアンケート2018」より)
【監修】NPO法人 Fine代表理事 松本亜樹子さん
アナウンサー時代から人材育成に携わったのがきかっけでコーチングを学び、現在は国際コーチ連盟認定プロフェッショナルサ―ティファイドコーチ(ICF PCC)として活躍。その一方で自身の経験を生かし、「NPO法人Fine~現在・過去・未来の不妊体験者を援する会~」を設立。
■イラスト/いいあい
■構成・構成/関川香織